LINE・日本テレビ・アニプレックスによる新時代の文学賞「第1回令和小説大賞」の受賞作品が発表

LINE株式会社、日本テレビ放送網株式会社、株式会社アニプレックスの三社による「第1回令和小説大賞」の受賞作品の発表が行われた。応募総数4,440作品の中から「大賞」に1作品、「選考委員特別賞」に2作品が選出された。「大賞」受賞作『星になりたかった君と』には、審査員からのコメントも寄せられているほか、書籍化だけでなく映像化も確約されており、今後の展開にも注目が集まる。

<大賞>

『星になりたかった君と』/著:遊歩新夢

<選考委員特別賞>

『負けるための甲子園』/著:谷山走太

『なぜ銅の剣までしか売らないんですか?』/著:エフ

⇒ 「第1回令和小説大賞」受賞作品の詳細はこちら

【審査員からのコメント】


・株式会社ストレートエッジ 代表取締役 三木一馬(LINEノベル統括編集長)

あくまで相対的に、という断りの上での話ですが、『文章力』や『ストーリー構成』、『キャラクターの描写』といった各要素が、他作品に比べ特出するほど高いわけではありませんでした。しかし、本作の全体評価を自分は高くしました。その理由は、今ある作品の背後に続く空間の広さ、つまり伸びしろがあると感じたからです。編集者的に表現すると『改稿したらさらに面白くなりそうな作品』ということになります。もちろん、今の内容がつまらないわけでもありませんし、他よりも劣っているわけでもありません。現段階の作品としても価値があり、さらに『素材』としても優れたものを持っている、ポテンシャルの高い作品だと思いました。具体的には、いわゆる難病少女モノに天体観測を掛け合わせたストーリーをベースとして、より作者の意図を表現すべく演出を強化していけば、さらに本作の魅力が発揮されるはずです。映像としても美しく映えるビジョンが浮かびます。その可能性を自分は評価しました。


・日本テレビ放送網株式会社 プロデューサー 植野 浩之

LINEというメディアならでの小説とは何か?多くの人々と共有し、共感出来るものではないか。この作品はその価値に見合った作品だと思いました。また映像ビジネスをやっているプロデューサーとしての見方になってしまいますが、一番映像化した際の絵が見えてきた作品になります。映像化した際の「演出表現の拡がりを感じる作品」でもありますので、これからの展開が楽しみです。


・株式会社アニプレックス プロデューサー 高橋 祐馬

何に価値を見出すかは時代と共に変化します。昭和は結果、平成は過程、令和は存在。存在という価値は、つまり誰かに関心を持って、その人を認め、受け入れることで生まれます。本作『星になりたかった君と』は、令和という新時代ならではの“存在承認”という価値観を強く感じた作品で、小説として面白いことと共に、令和を冠する小説大賞として選出した理由の1つがそれになります。“共有”の描写に心を動かされたのも今の時代らしくて好きです。一方、あえてコメントさせて頂くと、小説としてもっと面白くなる余白があり、編集者さんからのアドバイスで更に輝く可能性のある原星の様な小説でもあると感じました。これから、本作という存在が、出版という過程を経て、多くの人を感動させる星になるという結果を願っています。


・LINE株式会社 執行役員 森 啓

まずは、第一回令和小説大賞にたくさんのご応募をいただき、ありがとうございます。どの作品も力作ばかり、とても楽しく選考させていただきました。令和という時代に、LINEノベルは始まりました。ユーザーの皆さんの創作が世界とつながるというコンセプトを持っています。大賞となった作品の世界観でもそういった世界との繋がりが非常にうまく描かれており、今後我々もそういった世界、そういったサービスを作りたいと感じました。なかでも、作品が終盤に差し掛かっていく中での繋がりの高揚感は群を抜いて素晴らしかったです。映像としても観てみたいと強く感じたことが、この作品を大賞に決定づけるポイントとなりました。小説だけでなく、映像としても令和を代表するような作品をこのプロデューサー陣と作っていければと思っています。


今回「大賞」を受賞した遊歩新夢氏はオーバーラップ文庫キックオフ賞での「金賞」受賞歴を持つ現役の作家。「大賞」受賞作『星になりたかった君と』は星になりたいと願う少女のため新天体を捜索する少年の純愛を描いた感動作品となる。また「選考委員特別賞」を受賞した谷山走太氏も第12回小学館ライトノベル大賞での「優秀賞」受賞歴を持ち、現役の作家陣が躍進を果たした。

<大賞>受賞作『星になりたかった君と』

【あらすじ】

鷲上秀星は祖父と新星を発見したが、それを第三者に横取りされ、星から離れていた。ある日、手伝いをした星祭りの会場で、『新星を見たい』という奇妙な少女、琴坂那沙と出会う。少女の明るさが曇っていた秀星の心を次第に解きほぐし、再び新天体の捜索への意欲を呼び覚ます。そして、秀星は過去の横取り事件と向き合っていく事になる…。星になりたかった少女と、その少女を星に名付けた青年の、二人の小さな物語。

<選考委員特別賞>『負けるための甲子園』

【あらすじ】

甲子園の決勝戦。野球部のエースでピッチャーである筧啓人は失投からホームランを打たれて負けてしまう。 そうすることで彼は1000万円を手に入れていた。 しかしキャッチャーの矢久原純平は、彼の投球がおかしかったことに気づいてしまう。 後日、失投について問いただした純平は、啓人に怪しげな店に連れて行かれる。 その店には『なんでも』売っているという。 そして啓人の目的は、とある『人間』を買いに来ることだった……。

<選考委員特別賞>『なぜ銅の剣までしか売らないんですか?』

【あらすじ】

なぜ最初の街には『銅の剣』までしか売ってないのか。なぜどの街でもアイテムの売値と買値が決まっているのか。この世界の”不自然”で”不自由”なルールに気づいたマルは、『商人ギルド』の本部を目指し各地を旅する。倫理を逸脱した商人達を見て、マルは何を思うのか。そして商人ギルド本部で世界の仕組みを知った時にマルは・・・。

[関連サイト]

「第1回令和小説大賞」特設サイト

小説プラットフォーム「LINEノベル」

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