【このライトノベルが売れて欲しい!】第18回『楽聖少女』

時よ止まれ、汝はいかにも美しい

ということで始まりました。続きが読みたい!メディアミックス展開して欲しい!単純に沢山の人に手に取ってもらいたい!という願望を織りまぜてオススメラノベを紹介する『このライトノベルが売れて欲しい!』第18回でございます。

今回ご紹介するのは、絢爛ゴシックファンタジー

『楽聖少女』

著:杉井光

イラスト:岸田メル

~あらすじ~

 高校二年の夏休み、僕は悪魔メフィストフェレスと名乗る奇妙な女によって、見知らぬ世界へ連れ去られてしまう。そこは二百年前の楽都ウィーン……のはずが、電話も戦車も飛行船も魔物も飛び交う異世界!?

 「あなた様には、ゲーテ様の新しい身体になっていただきます」

 女悪魔の手によって、大作家ゲーテになりかわり、執筆をさせられることになってしまった僕は、現代日本に戻る方法を探しているうちに、一人の少女と出逢う。稀代の天才音楽家である彼女の驚くべき名は──

  魔術と音楽が入り乱れる、めくるめく絢爛ゴシック・ファンタジー!

悪魔との出会いが、少年を音楽とファンタジーの世界へと導く!!

本作の主人公『ユキ』は、21世紀の現代に生きる高校生だ。著名なピアニストの母と、音楽プロデューサーの父を持ち、音楽に造詣の深い部分を除けば、一般的な高校生だと言えるだろう。

そんな彼が、外では嵐が吹き荒れる中、学校の図書館で『悪魔』と出会うことから、壮大な物語が幕を開ける!!

ユキと悪魔メフィストフェレスとの出会い、ここから全てが始まった

悪魔――メフィストフェレスの契約はユキを『ゲーテ』として二百年前の世界に召喚すること。しかも、その契約を交わしたのはゲーテ本人!! ユキは完全にとばっちりを受けて、二百年前のヨーローッパへとタイムスリップすることになる!!

ゲーテとして転生したユキは、メフィストフェレスとの一方的な契約を結ばれてしまう。

それは『世界に満足した時に、メフィストフェレスに魂を奪われる』というもの。

世界に満足し「時よ止まれ、汝はいかにも美しい」と言ったが最後、魂を取られてしまうという契約だった。

一見して、「あんまり厳しい契約じゃないよね」と思いがちだが、ユキは音楽に対して強い思いを持ち、学識も深い。

そんな彼が、後の世で語り継がれる音楽や音楽家と出会い、心が動かないわけがない!! 本作ではユキの、感動したら魂が取られてしまうかもしれない、というジレンマが描かれていく!!

●ベートーヴェン、モーツァルト……偉大な音楽家達がぞくぞく登場!!

本作『楽聖少女』では、1800年代のウィーンが主な舞台となる。音楽が盛んな時代、有名な音楽家達が実際に生きている時代に、ユキは『ゲーテ』として関わっていくことになる。

しかし、この二百年前の世界は、現実の二百年前とは大きく時代背景が変わっている異世界だと言える。

なんと、戦車や飛行船、電話などの科学文明が史実よりも格段に進んでいるのだ!!

さらに、悪魔という存在が現実に存在し、人間と契約することで、様々な奇跡を起こしているのだ。

ユキも、その奇跡(はた迷惑ではあるが)に巻き込まれた1人ということだ。

本作で登場する音楽家はどれも偉大な人物ばかり!!

ゲーテであるユキと出会い、交流を深めていくことになる!!

その1人が、かの『ベートーヴェン』だ!!

 

え? ベートーヴェン、めっちゃ美少女じゃん……

そう! なんと本作はベートーヴェンがヒロインなのである!! 美少女で『ぼくっ子』なのである!! 高飛車なのである!!

作中でも、明確には明かされてはいないが、彼女もまた『悪魔』の力によって、新しい肉体を手に入れた存在だと考えられる。

彼女の謎が、ユキが現実へと戻る鍵になっていく……のかも?

やはりベートーヴェンということで、音楽に対して天武の才能を持ち、その音楽は多くの人間を魅了している。

さらに、モーツァルトやマリーアントワネット、パガニーニ、果てはナポレオンなど、音楽や世界史に詳しくはない人でも、一度は耳にしたことのある偉人達が続々と登場する!!

マリーアントワネットとモーツァルト、岸田メルによって華麗に描かれる

彼らは1人のキャラクターとして描かれており、史実通りでは決して無いものの、どれも魅力的なキャラクターになっているぞ!!

西洋の音楽とかクラシックとか全然詳しくないしなぁ……という人も、あまり不安に感じる必要はない。歴史的背景は必要最低限の説明をしてくれるし、知識がなくても十分に楽しめるストーリーが展開していくぞ!!

本作は杉井光先生の、音楽に対する熱い想いを感じ取れる1冊になっている。

また、『さよならピアノソナタ』ファンならば、「おお?」っと思える設定が散りばめられているので、要チェックだ!!

ということで、第18回【このライトノベルが売れて欲しい!】は以上になります。

『さよならピアノソナタ』で杉井光先生のファンになった自分としては、本作はガッチリと心を掴んでくれました。学生時代に歴史の勉強を怠ったせいで、西洋史はからっきしの私でも、十二分に物語を楽しめました。

なので、歴史なんて知らんし……という方も安心して手に取ってもらいたいです。

ただ、ゲーテ周りは少し調べて読むと、なお面白いかもしれませんね。

それではまた、私情入り混じるカオスな記事でお会いしましょう!!

【記事:ゆきとも】

(C) アスキー・メディアワークス 杉井光/岸田メル