オリジナルインタビュー「ラノベの素」 日富美信吾先生『日本子・チャチャチャ あいむジャパン』


日本子・チャチャチャ あいむジャパン

著:日富美信吾 イラスト:狐印

あらすじ

え? この子が<日本>!?

「そうです! 私が日本子です!!」

眩しいほどの笑顔で自己紹介する黒髪おかっぱ和装美少女・日本子。

実はこいつ≪日本を司る神姫≫。

こいつがひと声泣けば豪雨、苦しめば雷、外に出ればちやほやされまくりの超人気者、お気に入りが出来ればそれが巷で大流行、浮かれりゃ景気も良くなり桜も咲き乱れる。

そんなバカな!? しかも、なぜか一介の高校生の俺に24時間つきっきりでこいつの面倒をみろと!? 平和な日常よ、さようなら! それが俺、草薙鎮雄の日本の命運を握るという最大にして最悪の仕事なのだった。

笑顔で世界を元気にする!? 国際精霊小娘♪チャチャチャ開幕ぅ。

日富美信吾プロフィール

新人作家。代表作に小説版『マリッジロワイヤル』(電撃文庫)がある。……え、それなのに新人!? 最初に提出する原稿の大半が全ボツになるのが動かぬ証拠。それか気分的な問題。心はいつまで経っても一桁。何だったら語尾に「ばぶぅ」とかつけて話しちゃう勢いばぶぅ。こんな著者ですが、初めてのオリジナルラノベ『日本子・チャチャチャ』をどうぞよろしくお願いいたしますばぶぅ!

 

 著者近影

――本日はお忙しいところありがとうございます。よろしくお願いします。

日富美信吾(以下ひ):よろしくお願いします。

――今回の作品『日本子・チャチャチャ』はどんなお話なんですか?

ひ:はい、主人公が草薙鎮雄という男の子なんですけど、この鎮雄が日本子という日本を司る神姫、まあ日本そのものな女の子なんですけど、この日本子にやたらと理不尽な目に合わされ、ツッコミを入れたり振り回されたりする、ドタバタラブコメです。

――読ませていただきましたけど、最初から最後までテンポが落ちず、飽きずに最後まで読める。凄いと思うんですけど神姫というのはオリジナルな発想ですか?

ひ:そうです。担当の難波江さんから国家元首を女の子にしてラブコメやってみたら、と言われまして。

講談社ラノベ文庫副編集長 難波江宏隆(以下な):彼の作品を最初に読んだのが疑似家族モノでスケールがちょっと小さいんですよ。それだと大きくもってきようがない。だけど一人ずつが国家なら、一緒に住んでるだけで自然とスケールが大きくなる。それをヒントにどお?って話をしました。

ひ:そこから「あーでもない、こーでもない」と八回くらい書いては消してをくり返しまして。で、ようやく「これでどうだ!」というものができて出したものも、けっきょく全ボツになったんですけどね(笑)。「面白かったよ! でもボツね(笑)」と。一巻を書き上げた今だからわかるんですが、やっぱり話が小さかったんです。鎮雄の家に日本子がいて、物語がそこでしか繰り広げられなかった。しかも登場人物は三人だけという。

――二巻以降の話も幅が広がって楽しみなのですが。

な:二巻はガチヲタ少女の「フランス子」が登場します。表紙イラストでは各国の遊び、日本の遊びみたいな感じでいけたら、と思っています。フランスではフランス子が何かをやっているんでしょう……っていう感じに各巻ごとにいろんな国の少女が登場する話を。

――フランスっていったら歌って踊るイメージありますけど。

ひ:だいぶ違います。

――アメリカ子とかインド子とか、ずーっと?

ひ:まあそのあたりもですね、はい、いろいろと。各国の良いところを面白くできればと思ってます。今回も日本子になってますけど、けっして日本がどうのこうのというお話ではなく、ラブコメなので。楽しく、面白いというのが大事だと思っているので。

――いわゆるネガティブ成分が一切入ってないですよね?

ひ:入れません。読者の皆さんは読んでいて気持ちいいことを求めているんじゃないか、嫌なことはみたくないんじゃないか。そう思っているので。とにかく気持ちよく読んでもらいたいという、大げさかもしれませんが、信念みたいなものです。

――一番のお気に入りキャラは?

ひ:主人公の鎮雄ですね。良いヤツだな、って。日本子たちにあそこまで振り回されながらも、ちゃんと面倒を見ていますから。

――ラスト辺りにホモ成分が込められていたような気がするんですけど?(一同笑)

ひ:確かに込められていますね(笑)。でも、そういうのが「大好き!」ということはありません。

な:うん、って言ったらどうする気だったんですか。(一同笑)

――読者サービスとか?

ひ:誰のですか!(一同笑)

――ヒロインの話をしましょう! ヒロインの中で、一番お気に入りは?

ひ:やっぱり日本子ですかね。なんだかんだ言ってこいつも可愛いなあって。悪いこともしますけどね。小憎たらしいって言うか。

――そんなに悪いことをしてるイメージはないですけどねえ。可愛らしいですし。ところで日本子なのに和菓子が嫌いって言うのはどこから?

ひ:これは創作の話になるんですけど、物語を作るときにギャップが大事なんじゃないかと思っていまして。「普通ならこうなるよね。けど、そうならない」みたいな。日本子っていう日本を代表する存在が和菓子キライだったら、みんなツッコミを入れるじゃないですか。なんでやねん、って。そういうのが面白いかな、と。

実は日本子って一番最初に書いた原稿ではとっても良い子だったんですよ。自分の一挙手一投足、言動のすべてが日本にものすごい影響を与えてしまう、なら当然自制するよねって考えまして。だから自分というものを出さないよう、感情を内側にぎゅぎゅぎゅっと閉じ込めた女の子だったんです。で、そんな女の子の心を開いていく物語でした。ですが、これではそういうギャップが生まれないかな、と。

で、初めて打ち合わせした時、難波江さんから「とにかく面白いものにしようよ」というお話があって。あと、「普通に”良い話”は君じゃなくても書けるよ」とも言われていまして。じゃあそうじゃないところへ行かないと駄目だ。

自分が素直に書くと自然とそういう話になってしまうので、思ってることと逆にしないと、って。どうしたらそうなるかの試行錯誤の結果が八回の書いたり消したりなわけですが(笑)。なので、日本子なのに和菓子が嫌いというのは、そういう流れから生まれました。

セリフとかもあとで必ず読み直して、これを逆にしたほうが日本子らしいなって修正しています。

でも問題もありまして。そうやって意識して全部変えた結果、訳がわからないものになってしまったんじゃないかと(苦笑)。

――いやいや、日本子は読者全員が楽しく読めるなあって感じましたから。すごく面白いです。

ひ:ありがとうございます。

日富美先生へのインタビューはまだまだ続きます!

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