【このライトノベルが売れて欲しい!】第21回『楽園島からの脱出』

ということで始まりました。続きが読みたい!メディアミックス展開して欲しい!単純に沢山の人に手に取ってもらいたい!という願望を織りまぜてオススメラノベを紹介する『このライトノベルが売れて欲しい!』第21回でございます。

今回ご紹介するのは土橋真二郎先生の

『楽園島からの脱出』

著:土橋真二郎

イラスト:ふゆの春秋

~あらすじ~

 高校生活最後の夏休み。無人島に集められた100人の男女が島からの脱出を目指して競い合う。ゲーム名【ブリッツ】──鍵を握るのは、自身とペアの“価値”!? そして、女性だけに与えられた謎の機器の持つ意味とは──? 

 「極限ゲームサークル」から“変わり者”として要注意される主人公の沖田瞬は、このゲームの本質にいち早く気づくが……。土橋真二郎が贈るノンストップ《ゲーム》小説最新作、早くもスタート!

100人の男女によって行われる《リアル脱出ゲーム》が始まる。

 

高校生活最後の夏休み、50人の男子と50人の女子――合計100人の男女は、とある無人島に向かう。その目的は校内のゲームサークルであり、一般の生徒からプレイヤーを募り、“リアルなゲーム”を開催している《極限ゲームサークル》主催の、大規模なリアル脱出ゲームを行うためだった。

同じ高校に通う者同士、中には友人や恋人などがいる中、一夏の思い出づくりのためにゲームに参加する者、賞金が出るらしいとの噂に惹かれた者、ゲームに魅了されている者――様々な人間が参加したこのゲームは、ただのゲームではなかった。

極限ゲームサークルに大規模な出資とゲームの舞台を整えた何者かによって、無人の孤島は完全な隔離世界になり、そこにはただのゲームとは思えない、生々しいルールが敷かれていた!!

隔離された無人島から、脱出するために、参加者たちは否応なくゲームに巻き込まれていく。

 

ゲーム名は《ブリッツ》

電撃の名を冠するこのゲームは、人間の欲求や欲望、男女の違い、差別といった感情を刺激するように作られていた!!

女子には攻撃の手段として『スタンガン』が与えられ、男には孤島の様々な施設の使用許可の権利が与えられる。他にも様々なルールが設けられ、そのすべてが人間の醜い部分を露呈させるように作られていた!!  プレイヤーを徐々に追い込んでいくゲームシステムはさすがの土橋真二郎先生!! 非常に黒い!! 黒いが面白い!!

ゲームに参加する登場人物達も、それぞれ癖を持ち、その本性をゲーム中に露呈していく。

本作の主人公、沖田瞬は《極限ゲームサークル》が主催する脱出ゲームで優秀な成績を残すプレイヤーだが、過去の出来事によって歪みを持ったキャラクターになっている。彼を中心として、様々な人間が、それぞれの思惑を持って悪意あるゲームに巻き込まれていく。

一癖も二癖もあるプレイヤー達。それぞれの考えに則り、ゲームを行う。

様々な視点からゲームが描かれる群像劇形式のスタイルになっているぞ!

人間の生々しい感情が描かれる土橋真二郎ワールド

 

本作の一番の面白さは、やはり土橋先生が描く極限状態での『人間の生々しい感情』だろう!! ゲームが進むにつれて、人間関係がめまぐるしく変化していく。それにともない、日常では見せなかった、その人間の本質が見え始める。

本作では特に『男女の違い、異なる立場』という部分に焦点が辺り、ともすれば差別的な部分も感じさせる人間関係が描かれていく。男女それぞれに与えられたゲーム上の立場が、現実世界の立場を思わせるように組み込まれており、あたかも『現実の縮図』のようになっているのもポイントだ。

男女の違い、それはセクシャルな部分にも及んでいく。

ライトノベルでは珍しく、生々しい性の部分も描かれていく。

ゲームが進むに連れて、否応なく発生してくる『ゲームの支配権』。それにより、友達や恋人がいるにも関わらず、孤島には格差社会が生まれていく。ゲーム攻略後に持ち出せる『賞金』や、食料、住居などが友人関係に軋轢を生み出してく。

ゲーム内で手に入る『衣装』。露出が高いものや豪華な装飾があるほど価値が高い。

女子だけが着ることのできるこのアイテムも、『支配権』をめぐる重要な要素になっていく。

そんなゲームの中でも、主人公である沖田はストイックにゲーム攻略を目指し、それが周囲の嫉妬を生み出していく。ゲーム参加者の中にはキレ者も多く、それぞれが積極的に、あるいは積極的にならざるを得ない状況に立たされ、ゲームをプレイしていく。

裏切りと協力が飛び交い、二転三転するストーリーは飽きさせることなく一気読みさせること請け合いだ!!

ただ、裏切りや差別など、生々しい人間関係描いている本作だが、決してそれだけではないことは明記しておきたい!! 人間の醜さの先にある『本当に綺麗なもの、人間の絆』というモノこそが本作のキーポイントだろう。

いつもどおりの土橋作品らしさを感じさせる本作だが、いつもよりも涼感を感じさせる物語が展開していくぞ!!

土橋真二郎作品をほぼすべて読んでいる私だが、「土橋作品で最初に何を読めばいいかな?」と、普段ライトノベルを読む人に聞かれたら、「楽園島からの脱出がいいと思うよ」と言うだろう。

8月10日に最新2巻が発売され、物語も一応の完結となったので、やっとオススメができる!!

物語は終着点に到着したが、個人的には続編を期待したいところだ!!

ということで、第21回【このライトノベルが売れて欲しい!】は以上になります。

本作『楽園島からの脱出』から土橋作品に入ったならば、次は『扉の外』『ツァラトゥストラへの階段』を読んで行きましょう!! 土橋作品共通の世界観も感じられて、楽しめること請け合い!!

逆にモヤモヤする可能性もありますがね!!

しかし、土橋作品のメディアミックスはまだか!! ドラマ化とかなかなかヒットしそうな気がするんですがねぇ……

それではまた、私情入り混じるカオスな記事でお会いしましょう!!

【記事:ゆきとも】

(C)アスキー・メディアワークス 土橋真二郎/ふゆの春秋