見上げる空が高かったあの頃。
孤独と友情、恋と戦争があった。
そしてあの頃の空はもう見えない。
ジオルグ事務所時代のガユスとその仲間たちの青春時代を描いた
「され竜」始まりの物語――
『されど罪人は竜と踊る0.5 At That Time the Sky was Higher』
この「され竜0.5」は、過去に発表した「Assault」を大幅改稿し、書き下ろし新章を追加した、いわば完全真説版。
タイトルにある 0.5 の数字のとおり、「され竜」1巻よりも前の出来事、ガユスとその相棒ギギナの出会いなど、エピソードゼロ的なストーリーが描かれています。
エピソードゼロなわけですから、「され竜」未体験の方も何の問題もなく楽しめます。
というか、ここから「され竜」の世界に入門するのもアリです。
冒頭で紹介した詩のような文章は、著者の浅井ラボ先生による帯のキャッチコピーなのですが、これが「され竜0.5」のすべてを物語っていると言っても過言ではありません。
青春の輝きとその喪失。
青春時代を過ぎてしまったオッサン……もといオトナは、このコピーだけでもう涙腺がゆるんでしまいます。
宮城先生の手による口絵のジオルグ事務所所員の集合写真や、ガユス視点で描かれた各章のイラストも、胸に迫るものがあります。
あ、でも1点だけ、コーヒー噴きそうになるイラストが混ざっているので、何か飲みながら読まれる際にはご注意を。
ちなみにページ数は、661ページとシリーズ史上最厚!
眠れない秋の夜長にはぴったりです。
(ガガガ文庫編集部ログより)