【編集部のオススメ】ランス・アンド・マスクス1 「もう目を逸らさない。彼女は助けを求めていたのだから……!」

ラノオン編集部が読んでオススメしたいと思ったライトノベルを紹介する【編集部のオススメ】

今回はぽにきゃんBOOKSより発売されている子安秀明先生が執筆する『ランス・アンド・マスクス1 騎士少年の仮面劇』をご紹介します。

※多少のネタバレが含まれますのでご注意ください。

ランス・アンド・マスクス

騎士をやめたい少年は、孤独な少女と出会う。

そしてこの出会いは、少年を本物の騎士にする――!

既にご存じのとおり、10月よりTVアニメがスタートするランス・アンド・マスクス。ぽにきゃんBOOKS初のアニメ化作品ということもあり、注目を集めている本作をアニメ放送前に目を通してみよう、そう思ったわけです。とりあえず続きが読みたい(既に手元に2巻はある)、この一言に尽きるわけでして。アニメーションの脚本も原作者が担当するということもあり、俄然楽しみが増えました。先を読むべきか、アニメ放送を待つべきか悩ましい……。現代に生きる騎士道、そして騎士の姿や在り方を描いた本作。多くの人たちから騎士という存在は認知されなくなって久しく、騎士団から飛び出して普通の生活に憧れた少年、花房葉太郎。レディに対して騎士然とした行動を反射的に取ってしまう少年は、そんな自分に辟易しながら、とある少女と出会うことになり。騎士をやめたかった少年が、マスクを被ってでも一人の少女のために騎士となることを決意する、少年と少女の絆を描く物語となっています。

「ご無事ですか、レディ」

嫌悪と軽蔑のこもった目が言葉と共に突き刺さる。――変態、と。

なんのあてもなく騎士をやめるために騎士団を抜け出した少年、花房葉太郎。崖から落ちようとしていた女の子を助け、悪漢に絡まれていた女性を助けるも、浴びせられた言葉に落ち込むのだった。食べるものも寝る場所もなく、途方に暮れていた葉太郎は一人の女の子、鬼堂院真緒と出会う。

ヒーローを目指す6歳の少女。

真緒はナイトランサーに憧れ続けるのだった。

真緒は崖から落ちそうなところを助けてくれたナイトランサーに憧れ、ヒーローを目指す少女で、大きな屋敷に一人ぼっちの少女でもあった。葉太郎は真緒の置かれている状況を知り、しばらく傍にいることを決める。そんな葉太郎のもとに抜け出した騎士団から追いかけてきた2人と1頭が現れる。

みんながいることに喜びを感じる真緒。

だが、立ちはだかる家族という壁が、無常な通告をもたらす――。

真緒、葉太郎、依子、アリス、そして白姫。一人ぼっちだった少女のまわりにはみんながいる。だが、そんな生活も長くは続かなかった。鬼堂院家総帥よりもたらされた一方的な通告は、真緒を再び一人ぼっちにする内容で。葉太郎は自らの槍を手に抗議しようとするも、立ちはだかったのは同じ騎士だった。騎士道の精神、騎士の在り方は中世から現代へと遷移する中で、少しずつ変化していたことを葉太郎は知るのだった。

「俺にも――ゆずれないものがある」

葉太郎は少女の憧れたナイトランサーであるために、騎士となる!

槍を折られ、真緒を連れ去られ、騎士団の変化を知った葉太郎は、真緒の宝物を目にする。それは少女の心を如実に表し、明確な助けを求めていたことを葉太郎は知ることに。そして葉太郎は決意する。少女が憧れた、少女が助けを求めていたナイトランサー。騎士になれなかった少年はかくして、騎士になることを誓うのだった。

本作の見どころは凛々しく可愛い「りりかわ」な鬼堂院真緒と、騎士道に生きる花房葉太郎との出会いに始まるお姫様と騎士の物語でしょう。片や国際企業集団を統べる大財閥の少女、片や中世から現代に続く騎士団で生きてきた少年。普通の生き方を知らないという共通点から始まった強い結びつきが、葉太郎の煮え切らなかった騎士としての在り方を決定付けるわけです。真緒は6歳なので、庇護欲からの衝動であることは、まず伝えておきたい。そうであるはず……たぶん! アニメもどこまでやるのか気になるばかりです。また、この作品を読むと、片山憲太郎先生の「紅」を彷彿とさせますね。「紅」を面白く読めていた人たちは、間違いなく本作も楽しめると思います。6歳の少女が憧れるナイトランサー、その正体を知る日は果たしてやってくるのか、とても楽しみですね。10月よりアニメスタート、そして最新5巻の発売。孤独だった少女と、自分の騎士道を見つけた少年の物語はオススメしたい1冊となっています。

ヒーローに憧れる少女とヒーローとなった騎士の物語を、ぜひ手に取って読んでみてください。

©子安秀明/ポニーキャニオン イラスト:茨乃

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『ランス・アンド・マスクス』公式サイト

ぽにきゃんBOOKS公式サイト

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