【編集部のオススメ】ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか9 「神ヘスティアも知らない秘事、それは……」

ラノオン編集部が読んでオススメしたいと思ったライトノベルを紹介する【編集部のオススメ】

今回はGA文庫より発売されている大森藤ノ先生が執筆する『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか9』をご紹介します。

※多少のネタバレが含まれますのでご注意ください。

ダンまち9

ダンまち第三部新章がスタート!

そしてベルは、竜の少女と出会う。

シリーズ累計370万部を突破し、2015年4月には待望のアニメ化も行われた本作。第9巻ではいよいよ第三部となる新章がスタートしました。ダンジョンの19階層以下の層域『大樹の迷宮』に進出したベルたち。そこでベルが出会ったのは、青白い肌に少女のような華奢な四肢を持った人型のモンスター『竜女<ヴィーヴル>』だった。そのモンスターは亜種なのか、イレギュラーなのか、それとも突然変異体なのか。モンスターは怪物であり、人類の敵。それでも……冒険者に追われ、同じ怪物<モンスター>にも追われ傷ついた『竜女<ヴィーヴル>』を前に、ベルは様々な想いを馳せてその手を差し伸べる。神ヘスティアさえも知らないダンジョンに隠された「魂」を持つモンスターの存在。竜の少女「ウィーネ」を中心に、ダンジョンに隠された謎と巨大な悪意が都市オラリオの地に渦巻いていきます。そして、ギルドも動きだし――。人間と怪物それぞれの在り方を問う、新たな物語となっています。

『モンスター』それは怪物であり、人類の敵……それでも。

「僕は、この娘を助けたい」

成長を続けるベルたちは、ダンジョンのさらなる下層へと足を踏み入れる。そこでベルは、ダンジョンの19階層で冒険者にも同じ怪物<モンスター>にも襲われ、傷ついた竜の少女と出会った。まるで人間のような一面を見せる怪物<モンスター>である竜の少女に、ベルは手を差し伸べるのだった。

「ウィーネ」と名付けられた竜の少女。

『喋る竜女<ヴィーヴル>』へ向けられる悪意もまた動き出す。

竜の少女を地上――ヘスティア・ファミリアへと連れ戻ったベルたち。神ヘスティアにしても『未知』と言わしめる存在を調べるため、ファミリアの仲間たちは調査に乗り出す。ファミリアの仲間たちと「ウィーネ」が心通わせていく一方で、「喋るモンスター」の噂もまた、大きな悪意を呼び寄せていた。

現実は人と『怪物』の溝、軋轢、圧倒的な敵意を具現する。

ベルたちはギルドの強制任務へと向かい、神ヘスティアの前には……。

都市の裏側に広がる「喋るモンスター」の噂に、ヘルメスをはじめとした幾人もの神と冒険者が動き出していた。そんなある日、ウィーネはファミリアを飛び出してしまい、人類の悪意と対峙することに。そして、ヘスティア・ファミリアに命じられたギルドからの強制任務<ミッション>は、ダンジョンへ向かうベルたちとは別に、神ヘスティアにもとある邂逅をもたらすことになる。

ギルドの『真の王』が明かす秘事、『異端児<ゼノス>』。

ベルたちの出会いの先に――悪意はただひたすらに膨れ上がっていく。

神ヘスティアに語られた『異端児<ゼノス>』の存在、その先にある人類と怪物<モンスター>の共存という標。ダンジョンに潜ったベルたちもまた、未開拓領域にて『異端児<ゼノス>』たちと出会い……。この出会いがもたらすもの、その先にあるもの。物語はベルたちの知らないところで渦巻く悪意を乗せて、――加速する。

本作の見どころは、第三部に突入をしたことによるテーマの大きな変化でしょう。物語が長く続くほど、ストーリーの中だるみという問題に多くの作品がぶつかり苦労する中で、ダンまちはきちんとキャラクター達が向き合うことのできるテーマを放り込んでくれるので、楽しみにし続けられるんですよね。本巻からは、人類と怪物<モンスター>の関係性、在り方を問う形で新章がスタートしたわけです。ベルにとって絶対的な恐怖の象徴であり、乗り越えるべき壁、敵として描かれた「ミノタウロス」。神ヘスティアを連れた安全地帯で遭遇した「変異種階層主モンスター」は、神さえも知らないダンジョンの謎に触れたわけです。こうしてみると、モンスターの在り方や見方が、謎と答えのない解を連れてシフトしていた気がしないでもないです。そして、本巻に登場する「ウィーネ」との出会いに繋がってくるのかなと。一方で「喋る怪物<モンスター>」をターゲットにした大きな悪意は、人類と怪物との間にある隔たりを、より分かりやすい形で表現していますよね。この悪意に対して、ベルたちがどう立ち向かっていくのか、上下巻構成が憎たらしいくらいに次巻が楽しみで待ち遠しいです。人類と怪物。世界そのものに大きな疑問を投げかける、オススメの1冊となっています。

少年と竜の少女との出会いの物語を、ぜひ手に取って読んでみてください。

©大森藤ノ/SBクリエイティブ イラスト:ヤスダスズヒト

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