独占インタビュー「ラノベの素」 石川ノボロヲ先生『紙透トオルの汚れなき世界』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は第4回講談社ラノベ文庫新人賞にて「大賞」を受賞、10月2日に講談社ラノベ文庫より受賞作『紙透トオルの汚れなき世界』が発売となる石川ノボロヲ先生です。作品のことはもちろん、いろいろ聞いたロングインタビュー!

紙透トオルの汚れなき世界
©石川ノボロヲ/講談社 イラスト:ののの

恋と未熟とちょっと不思議が、世界を変える!

【あらすじ】

「ちょっと世界を滅ぼしに行ってくる」そういってヒートテッ……いや魔装服に身を包んだ兄を送り出して数時間後。俺、里谷リトは奇妙な少女と出会う。少女の名は紙透トオル。差別と偏見に満ちたこの世界を作り替えようとしている少女だ。そんなバカなと笑う俺に、彼女はその『奇源』と呼ばれる超能力を見せてくれた。そして世界を変えることのできる『夢の木』という親木が、この街のどこかにあるらしい。俺は彼女の願いを叶えてあげたいのか、それともいったいどうしたら……!?恋と未熟とちょっぴり不思議が交差する第4回ラノベ文庫新人賞大賞受賞作品!

――本日はよろしくお願いします。また、第4回講談社ラノベ文庫新人賞「大賞」の受賞おめでとうございます。

ありがとうございます。

――まずは自己紹介をお願いします。

昭和61年生まれ、東京都出身です。趣味は読書や音楽鑑賞などインドア系が中心ですね。音楽なんかは70年代の洋楽が好きで、特にプログレッシブロックという少しマニアックなロックを聴いていたりします。

――ロックを聴きながらノリノリで執筆活動をされている、と。

実はそうでもなくて(笑) 執筆活動は無音状態で執筆しないと筆が進まないんです。なので、執筆は静かな深夜が中心ですね。

――賞への応募歴や執筆活動歴を教えてください。

小説新人賞への応募は講談社ラノベ文庫新人賞が初めてでした。執筆期間も約一ヶ月で、そういう意味では執筆活動の期間もほとんどなかったと言ってもいいかもしれません。

――講談社ラノベ文庫新人賞を狙い撃ちしたイメージでしょうか?

はい、理由もあります。私が応募した第4回の選考委員に漫画家の藤島康介先生がいらっしゃるのを知ったんです。ゲームや漫画といったエンターテイメントジャンルにどっぷりと足を浸かるようになったのも、藤島康介先生の作品の影響が強く、自分の応募した作品が藤島康介先生の目に留まったら嬉しいと思い応募しました。

――ということは、作家を目指したきっかけも藤島先生なのでしょうか?

明確に作家を目指そうと思ったわけではなかったんです。日々の仕事や友人の不幸など、自分自身を顧みる機会があり、もやもやとしていた感情を文章にぶつけたというイメージが強いですね。

――そういった経緯の中、受賞の報せを聞いた時はどうでしたか?

嬉しくてたまりませんでした。それこそ賞がつくようなものを貰ったのは高校時代の皆勤賞くらいで、喜びも本当にひとしおでした。それと私以上に祖父が喜んでいました。私のペンネームは祖父の名前をもじっていまして、受賞の報告をしたら親戚中に自分のことのように電話をかけまくっていましたね。一気に親戚中に広まってしまいました(笑)

――では、親戚中に広まった受賞作『紙透トオルの汚れなき世界』についてお聞きします。本作はどういった物語なのでしょうか。

トオルという少女が、人の願いを叶える夢の木の力を借りて、差別や偏見のない、汚れなき世界を作ろうとするのです。そんな少女の想いを阻止するために、主人公をはじめとしたキャラクター達が奔走します。一人の少女を中心とした、セカイ系の物語ですね。

――本作の見どころはどういったところでしょうか。

主人公と『家族』の「繋がり」、それと「絆」です。ライトノベルやゲームでは物語の展開上『家族』に対する描写に大きなウェイトを置きづらいと考えています。『紙透トオルの汚れなき世界』では、ウェイトの置きづらい『家族』との「繋がり」や「絆」に対して、敢えて踏み込んだ描写をしています。ぜひ見どころのひとつとして、読んでいただければと思います。

――『紙透トオルの汚れなき世界』はどんな読者によりオススメできる作品か教えてください。

「涼宮ハルヒ」シリーズや「ココロコネクト」が好きな読者の方は、楽しく読んでもらえるんじゃないかと思います。家族の崩壊と再生がテーマのひとつにあり、キャラクター同士の「繋がり」や「絆」も大切にしている作品なので、登場キャラクター達に「繋がり」や「絆」を期待している方にも楽しく読んでもらえると思います。

――登場キャラクターについてですが、石川先生のお気に入りは誰ですか。

主人公の里谷リトですね。実は90年代に放送されたあるドラマの主人公の影響を受けていたりもして。里谷リトは内に秘める人情味があって、ヒロインや周囲の人間を包み込んで諭してあげられるようなキャラクターなんです。

紙透トオルの汚れなき世界_リト

――主人公以外では?

全員同じくらい気に入っています。新人賞への応募時点では小夜子がお気に入りのキャラクターだったのですが、改稿を繰り返すうちにどんどん他のキャラクターも好きになっていきました。

紙透トオルの汚れなき世界_小夜子

――キャラクターですけど、総じて純情(チョロい)ですよね(笑)

そうですね(笑) 各キャラクターはいずれも自分の分身として作っているので……。

――つまり、石川先生も純情(チョロい)ということですね。

そうなのかもしれません(笑)

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