【レポート】「作品のラストは決まっている」ファンタジア文庫大感謝祭2015『石踏一榮×橘公司特別トークショー』

10月24日(土)東京・ベルサール秋葉原で開催された「ファンタジア文庫 大感謝祭2015」のステージイベント『石踏一榮×橘公司特別トークショー』の模様をお届けする。本ステージでは両先生の創作の話や作品の話を、読者より事前に募集していた質問を交えて行われた。ファンタジア文庫で共にヒット作を有する両名は何を語ったのだろうか。

石踏×橘

ハイスクールD×Dデート・ア・ライブ

●石踏一榮先生のシャツで会場は笑いの渦に

盛大な拍手と共にステージへ登壇したのは、「ハイスクールD×D」の著者である石踏一榮先生と「デート・ア・ライブ」の著者である橘公司先生。だったのだが、石踏先生が登場すると同時に会場からは大きな笑い声が巻き起こる。笑いの原因は石踏先生が着用していたシャツで、前に「I♥爆乳」後ろに「一夫多妻」の文字が描かれており、あっという間に会場の雰囲気を掌握したのだった。一緒に登場した橘先生からは「ずるいわー」の一言も。こうして笑いの中でステージははじまった。

●「『デート・ア・ライブ』はものすごくライトノベルらしい作品」×「『ハイスクールD×D』は読む前と読んだ後のイメージがまったく違う作品」

登壇した二人はまず、両者の作品についてそれぞれ語った。

石踏先生は「デート・ア・ライブ」について、デレさせるという設定や主人公の作り、女の子の見せ方が上手でものすごくライトノベルらしいと作品だと答えた。デレさせるという設定についても、前半で読者にフラストレーションをあたえ、後半でデレさせるというシークエンスのインパクトとギャップの演出が非常にうまいと語った。

続いて橘先生は「ハイスクールD×D」について、蓋を開ければ熱い作品でずるいと答え、チームをチェス駒になぞらえた設定はすごく上手いと感じていたとのこと。神話から悪魔からと全部のっけの豪華設定であり、男の子が好きなランクやクラスという概念、そしておっぱい。チェスのポジションにキャラクターをあてこむ読者の想像の余地を残した作品にもなっていて、全体的に男の子の心をくすぐるうまい作品だと語った。

●「確実に小説家になる方法があるんですよ」と断言した橘先生

読者からの「小説を書くきかっけとなった作品、そして小説家になるためのアドバイスを教えてください」との質問には、現在ファンタジア大賞で選考委員も務める両名がそれぞれの切り口で答えた。

石踏先生はまず「きっかけとなった作品はなく影響を受けた作品の方が多い」と切り出した。小説を書き始めたのは高校生の頃からで、はじめて一本書いたのが19歳の頃。当時は作品を発表するような場もなく、デビューするまでは年3~4本を書き続け、応募をし続けたのだそうだ。また、自身は終わりまで書いたことはないと前置きをしながら、終わりまで書いて、発表可能な場所に出さなければデビューの道は開けないと熱く語った。

続いて橘先生は「一番影響を受けた作品は神坂先生の『スレイヤーズ』、直接のきっかけは深沢先生の『フォーチュン・クエスト』」であると答えた。小説を書き始めたのは中学生の頃で、小説大賞への初投稿が高校1年生だったそうだ。また、橘先生は「確実に小説家になる方法があるんですよ」と断言。それは「賞が取れるまで送り続けること」。人の心は思ったより折れやすく、実力が及ばずよりも諦めてしまう確率の方が高いという持論も展開。賞が取れない人は途中で諦めているからだと語った。必死に10年やり続けて、それでもダメなら別の道を探した方がいいというアドバイスも最終的には行っていた。

橘公司

「確実に小説家になる方法がある」と語った橘公司先生

今は発表の場も増え、とにかく書き続ければ書き続けるほど、実力は必ずつくので頑張ってほしいと両名から激も飛んだ。

●キャラクターの作り方は様々。設定やポジション、胸のサイズから!?

続いては「新しくキャラクターを作る時に性格と身体的特徴(ルックス)のどちらを優先して作るのか。胸のサイズはどうやって決めているのか」という質問に両名が答えた。

橘先生は設定とポジションから考えることが多いとのことだった。特に続巻で登場するキャラクターは、今いるキャラクターと噛み合わない位置や要素を考えるとのこと。性格やルックスは作成のキャラクターによって異なり、「デート・ア・ライブ」に登場する八舞姉妹は性格先行、時崎狂三はビジュアル先行であったことも明かされた。夜刀神十香はイラストを担当するつなこ先生と打ち合わせながら、同時に作り上げていったとのことだった。胸のサイズについてもバランスを考えて決めているとのこと。司会から胸の好みを聞かれた橘先生は「おっぱいは等しく尊い」と名言を残した。

続いて石踏先生は胸のサイズからキャラクターを考えていると公言し、作品の特性上胸の大きいキャラクターが多い中、できる限り小さいおっぱいのキャラクターは少なくしているとのことだった。その理由は、小さいおっぱいのキャラクターを増やしてしまうと希少価値がなくなってしまうからとのこと。全体のバランスはやはり大事なようだ。また、性格については読者に好かれる性格をまず考えるとのこと。石踏先生はキャラクター同士で喧嘩をする描写はあまり好きではないようで、既存のキャラクター達とどう噛み合い、どう打ち解けていくのかを考え、最終的にルックスを決めていくとのことだった。

石踏一榮

「キャラクターは胸のサイズから決めている」と語った石踏一榮先生

●クロスオーバーの可能性も!? 好きなキャラは美九とオーフィス

続いて「お互いの作品の好きなキャラクター、そして自分の作品で出す場合はどのように登場させるのか」との質問に答えた。

石踏先生は好きなキャラクターと登場させたいキャラクターが異なるとして、好きなキャラクターに誘宵美九、登場させたいキャラクターに時崎狂三をあげた。美九はデレた後がとにかく好きで、狂三はタイムパラドックスをはじめとした時間操作もできる便利なキャラクターで色々なところで出せそうと回答した。敵か味方か不明なキャラクターとして登場させ、結果として味方だったというジョーカー的なポジションを示した。

橘先生はオーフィスの名をあげ、登場させるなら四糸乃と七罪の小っちゃいコンビに放り込んでお使いを短編一本でさせたいと回答した。また、ロスヴァイセをタマちゃんと組ませて婚活パーティにぶちこむ短編もアリと語り、「オチは見えているけど」と会場の笑いを誘う場面もあった。ひょっとしたら何かの付録等で実現するかもしれない!?

●両作品ともラストは決定済みで驚きの展開も予定されている

最後に「作品のラストはもう決めているのでしょうか」との質問に、両者は全部決まっていると答えた。

橘先生は、書けと言われれば最後のページはすぐにでも書けるレベルまで落とし込まれており、初期の段階から最後の形をなんとなく決めていたのだそうだ。既に流れは見えるところまで来ており、あと3回くらい大きな山場があるのではないかとも語った。ちなみにデビュー作の頃は何も考えていなかったようで、次巻を書き始める時に「前の巻でなんてものを書いてしまったのか」と頭を抱えるところからスタートしていたそうだ。しかしながら「伏線は張るものではなく発掘するもの」と答え会場を湧かせた。

石踏先生もまた3~4巻の頃にラストは決まっていたとのこと。既に最後は取っておいてあるそうで、極論を述べればどこでも章が終わればラストの巻に繋いでいけるようになっているのだそうだ。また、来年あたりから読者が驚くような展開に入っていくとのことで、「ハイスクールD×D」で発表していたシステムをすべてフル活用する最終章のようなものとのこと。数年前からデータは溜めこんでおり、思い残すことがないよう「ハイスクールD×D」にすべてをぶつけようと考えていると明らかにした。次の次くらいの巻で何やらすごいことが起こりそうだ。

最初から最後まで、非常に濃い内容で展開された本ステージイベント。これからも両作品からは目が離せそうにない。

ファンタジア文庫大感謝祭

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