インタビュー「ラノベの素」。豊田巧先生「僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない」

第一回「ライトノベルインタビュー」は、ガガガ文庫より11月18日発売に発売される「僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない」の著者、豊田巧先生です。

あらすじ

横浜で平凡な高校生活を送る栗原駿が唯一こだわりを持っているのは、旅行先で美味しいものを食べること。今年の夏休みは信州を巡って地元の食を堪能することに決めたが、長野新幹線で初っぱなに下車した軽井沢駅で二人の美少女、北見美優、宮田くれあと出会うハプニング。さらにこの二人、相当、鉄道に詳しい「鉄子」なご様子……。駿は謎めいた会話、初めて耳にするアプト式やEF63形電気機関車の説明で「鉄子ワールド」に翻弄され始める! 初めて体験する「鉄オタ女子との旅」はいったいどんな事態に!? ボーイミーツ鉄子、鉄道旅の魅力満載の青春トラベル小説誕生!

――本日はよろしくお願いします。では自己紹介をお願いします。

はじめまして、豊田巧です。

二年前までは鉄道運転ゲームが有名なゲームメーカーの宣伝プロデューサーをやっていました。この業界ではあまり聞かない宣伝屋出身の小説家です。今回は初めてライトノベルを書きましたが、集英社みらい文庫で 「電車で行こう!新幹線を追いかけろ」という児童書で小説家デビューしました。趣味は雪像作りです。ほぼ毎年札幌雪まつりに参加して何かしら巨大な雪像を作っています。鉄道が趣味と思われがちですが、鉄道は仕事になっちゃっています…。

――豊田先生のキャリアは一風変わってますね。

鉄道も好きですが、JAXA宇宙教育指導者になったくらい宇宙の事も大好きで、去年ははやぶさ帰還に感動して何冊かはやぶさ関連本を書きました。はやぶさの帰還の時は、お祝いしにJAXA相模原まで出かけました。

――小さい頃はどんな子供でしたか。

私は普通だなと思っていましたが、最近周りの人に当時の話を聞くと「めんどうだった」とか「始末が悪かった」と悪評を聞くようになりました。小さい頃から日本に入ってきたばかりのシミュレーションゲーム(ボード)ばかりやっていたと思います。あまりにも好きすぎて自衛隊の守る北海道に大量のソ連軍が攻めてくる、駒を千個くらい使うゲームを自分で自作していたくらいです。

また、小学生の時にインベーダーブームが来たので「これをタダでやりたい」と思いパソコンにはまって、親に泣きを入れて買ってもらい、それからはずっとプログラムばかりしていました。

――中高生の頃はどんな青春を過ごして、どんな将来の夢を持っていましたか?

中学時代はモテる事もなくモンモンとして過ごし、プログラミングやりながら、ガンダムブームに当ったんで死ぬほどプラモデルを作っていましたね。中学生のエロ力を最大限に発揮して、当時はまだ無かった美少女フィギュアなんか作っていましたよ。

ただ、高校に入ると「これじゃモテん」と分かったので、中型二輪免許をとって(もちろん学校は免許取得禁止です)400ccのバイク買って峠を攻めたり、女の子とツーリングに行ったりと中学時代とはまったく違うキャピキャピした時代をおくりました。

この頃はバイクを走らせるのが割と速かったので、将来はバイク屋とかレーサーになりたいと思っていました。

ちなみに今でもバイクは好きで、先日もボロボロのレーサータイプの原付を一度ネジの一本までバラバラにして組み立て直して走らせました。

――今までに影響を受けた本や作家はいますか?

今までの話を聞いてもらったら分かると思いますが、実は僕の人生には「文系」がないんですよ。大学も工学部でバリバリの理系ですし、そんな事であまり「物語」を読んだ事がないんです。

影響を受けたとなるとリデル・ハートの「戦略論」とかカール・フォン・クラウゼヴィッツの「戦争論」とかですかね?  こういう本って「戦争」の事を書いてるんですが戦争って要するに人間が、めー一杯頭使ったら何が出来るかって事でもあって、人間が生活していく基礎の事が書かれているんです。だから、こういう本を読んでから組織がこの先どうなるとか、ビジネスはどうなるとか予想出来るようになりました。

――作家になろうと思ったきっかけを教えてください。

私は遅いですよ。三年前だから40歳くらいです。ゲームメーカーで電車運転ゲームの販売促進をするために小学館さんの雑誌「IKKI」に連載している「鉄子の旅」に出させて頂いた事がありました。そこから、色々とお付き合いが始まり、在職中に小学館101新書から「鉄子のDNA」という本を出させて頂きました。それが、作家としてデビューしたきっかけです。

小説家としては集英社みらい文庫の「電車で行こう!」がデビュー作で、今では三巻まで続くシリーズになっています。こちらも不思議なご縁で、たまたま、飲みに行った事がきっかけで書かせて頂く事になりました。

次のページへ