独占インタビュー「ラノベの素」 水城みなも先生『エンデンブルクの花嫁』
独占インタビュー「ラノベの素」。今回は第17回えんため大賞にて「優秀賞」を受賞、3月30日にファミ通文庫より受賞作『エンデンブルクの花嫁』が発売となった水城みなも先生です。
©水城みなも/KADOKAWA エンターブレイン刊 イラスト:やすも
第17回えんため大賞優秀賞受賞作――
結婚から始まるエンデンブルク国王の波乱の国興し、開幕!
【あらすじ】 「するぞ、結婚!」エンデンブルクの若き国王スレンは宣言した。人魚が制する海の国。エルフが治める森の国。そして強大な帝国。三国に囲まれた小国が繁栄するには政略結婚による持参金と商業同盟しか手段がなかったのだ。かくして娶った人魚のヴィアとエルフのエユランは、両国が誇る美姫だったが、種族間の確執により仲は最悪! しかも夫となったスレンにも頑なな態度で、夫婦円満には程遠く――。美しき花嫁たちと紡ぐエンデンブルク国の物語、開幕! |
――本日はよろしくお願いします。この度は第17回えんため大賞「優秀賞」受賞おめでとうございます。
どうも、ありがとうございます。
――まずは水城先生のプロフィールを教えてください。
幼少期より、親の仕事の都合で北は青森八戸から、南は沖縄那覇まで各地を転々としていました。そのため、軽くハイマートローゼに。その結果、「幼なじみ」に対して過剰な幻想を抱いたまま、現在に至ります。
――受賞作『エンデンブルクの花嫁』はどんなお話ですか。
主人公であるエンデンブルクの国王スレンと、人魚の姫ヴィア、エルフの姫エユランは持参金目当ての政略結婚だったんですが、だんだんと三人の間で絆を育てていくこととなるお話です。
――主人公や登場するキャラクター達について教えてください。
スレンは人間のエンデンブルク国王です。フェンはそんなスレンに付き従う万能メイドですね。エユランはエルフの姫で気難しい方です。ヴィアは人魚の姫で勝気な方です。
※左から順にスレン、ヴィア、エユラン、フェン
――水城先生のお気に入りのキャラクターは誰ですか?
ソレを語ると彼女達の間に角が立つので、黙秘の方向で(笑)
――エユランとヴィア、事実上Wヒロインですがそれぞれのイラストを見た時の感想を教えてください。
まず、自分の小説にこんな可愛らしいイラストが付いたということが信じられませんでした。
※エンデンブルク国へと嫁ぐことになったエユランとヴィア
――受賞作『エンデンブルクの花嫁』を書くきっかけになった出来事などありますか?
大学で経済波動論の講義を受けていた時に、その講義の担当の教授が、それぞれの波動が持つ利点や欠点を止揚させることによって、経済を安定させることができないか、という研究をなされている方で、その話は良く理解できなかったのですが、欠点同士を止揚させることによって、逆に利点へと変えるという考え方が参考になり、エンデンブルクの世界観を考えるきっかけになりました。
――水城先生の経歴を教えていただけますか。
初めてプロを目指して書いたのは大学の最終学年の時でした。送ったのは他の出版社さんで三次選考までいきました。初めて書いた小説でこの結果なら、意外と簡単にプロになれるかも? という若気の至りと勘違いが、その後の長い投稿生活に繋がりました……。
――水城先生はどんな学生時代を過ごしていましたか?
手に職を付けたいと思い、一時期、測量士を目指していました。
――受賞の報せを聞いたときの気持ちを教えてください。
やっと、スタートラインに立てたな、と。
――受賞後最初に何をして、誰に伝えましたか?
別の小説を書いている途中だったので、それを書いていました。それと一応、友人と家族にはデビューのめどが立ったと、伝えました。
――作家になろうと決めたきっかけや、そのきっかけになった作品などはありますか?
私淑している海音寺潮五郎先生の短編を読んで感動して、書きはじめました。
――ファミ通文庫にはどんなイメージを抱いていましたか?
アスペクト文庫がリニューアルしたレーベルというイメージを抱いていました。
――受賞後その印象は変わりましたか?
特に変わりませんでした。
――担当編集さんからはどんなアドバイスをもらっていますか?
句読点をもっと減らしなさいというアドバイスをもらいました。
――自分の作品を初めて手に取った時の気持ちを教えてください。
句読点をもっと減らしておけばよかったな、と。書き直したいなと思いました。文庫にしてみると余白が少ないぶん、こういう部分が目立つのだな、と勉強になりました。
――作家としてこれからの目標を教えてください。
年三冊をコンスタントに出していける作家になりたいです。
――水城先生にとってこれからファンになってくださる読者はどんな存在ですか? あとファンレターは欲しいですか?
今現在は想像が出来ないのですが……。まずは、そもそもファンが付いてくれるような作品を書けるように精進していきたいです。将来的には、もしファンレターが来たら、年賀状とか暑中見舞いとかペーパーとかでお返しできるようになれたら嬉しいですね。
――最後に作品のアピールと読者の皆さんに一言お願いします。
私が書いていて可愛いと感じたヒロイン達を、読者の皆様も可愛いと感じていただけたなら、とても嬉しいです。それと歴史好きの方なら、クスッとしてもらえるシーンがあるかもしれません。
――本日はお忙しい中ありがとうございました。
いえいえ、こちらこそ、どうもありがとうございました。
<了>
大学の講義中の話から世界観を構築するに至り、見事受賞を果たした水城みなも先生にお答えいただきました。結婚から始まる国興しの受賞作『エンデンブルクの花嫁』は必読です!
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