【日刊試読タイム】『だからお兄ちゃんと呼ぶなって!』(ファミ通文庫)

この企画、思わぬ作品に触れる機会も増えて面白い発見が多々あります。

さて、今回はファミ通文庫が2016年8月30日に発売する『だからお兄ちゃんと呼ぶなって!』。まずはジャケットとあらすじをチェックしてみましょう。

だからお兄ちゃんと呼ぶなって!

【あらすじ】

目を覚ますとそこには息を呑むような美少女。そして彼女は、「お兄ちゃーんっ!」と俺に抱きついてきた! 誰なんだこの子? いや俺は――。どうやら俺こと蓮杖アキは、事故によって記憶を失ってしまい、萌々と名乗るこの少女は俺の妹なのだそうだ。しかし、記憶を取り戻させるためと俺を襲うのは、過剰なまでの妹の愛! しかも記憶を失くす前の俺は、萌々よりヤバい兄だったようで!? 思い出すのが恐ろしい、記憶と絆を辿るドメスティックラブコメ!

著者は桐山なると先生。イラストはあなぽん先生。桐山なると先生は第14回えんため大賞にて「大賞」を受賞、『四百二十連敗ガール』でデビューされています。本作は兄妹モノというか妹モノのラブコメ作品のようですね。試し読みではまるまる第一章までの約50ページが公開されています。挿絵も1枚確認できるので、早速チェックチェック!

⇒ 試し読みはこちら

お前、誰だよ……。

試し読みを読んでみて、最初に抱いたのは不思議な物語になりそうだぁというビジョン。主人公は交通事故により記憶を失った高校2年生の蓮杖アキ。病院のベッドで目覚め、出会った少女は自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ妹らしいのだけれど、思い出すことができません。過剰なスキンシップを迫る妹にたじろぎながら、アキは言い知れぬ違和感を感じます。

アキの記憶喪失は「外傷性の逆行健忘」と診断され、自分の名前はおろか、妹や両親のことも思い出すことができません。幸いだったのが、一般常識を残したままであったこと。なのにその一般常識の認識すらも何やら噛み合わない歯がゆさを覚えるわけです。エクアドルの外務大臣の名前は果たして一般常識なのか……。混濁する記憶の中、アキは一時的に判錯乱状態に陥ってしまいます。

アキは自分とモモがあまり似ていないことや、家族の絆らしいものを感じない違和感に、眠れぬ夜を過ごします。そんなアキの病室に忍び込んできた妹のモモ。彼女からは両親が既に亡くなっていることを聞かされるのですが、やはり違和感だけが拭い去れないわけです。記憶喪失による弊害か、それとも別のなにかか。さらにモモの過剰なスキンシップの原因は、記憶をなくす前のアキが仕込んだ一般常識らしく、そのズレにただただ困惑するしかなく……。

試し読みでは、健全な兄妹が一緒に寝ることは健全ではないと言うアキの言葉に、モモがおやすみのちゅーで切り返すところまでが公開されています。記憶喪失により何が本当で何が正しいのか、その判断さえできない主人公が、記憶喪失前の真実に迫る物語になるのでしょう。ところどころで描かれる違和感の正体は、非常に気になりますよね。

気になった方はぜひ試し読みをチェック! さらに物語の続きが気になった方は発売日に書店へGOです!

【日刊試読タイム】とは

試し読みが公開されている発売間近の作品を試し読みを通して紹介します。

©桐山なると/KADOKAWA エンターブレイン刊 イラスト:あなぽん

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[関連サイト]

『だからお兄ちゃんと呼ぶなって!』特集ページ

ファミ通文庫公式サイト

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