【日刊試読タイム】『狂気の沙汰もアイ次第』(電撃文庫)

今日が今年最後の夏日だったようです! さらば夏!

さて、今回は電撃文庫が2016年10月8日に発売する『狂気の沙汰もアイ次第』。まずはジャケットとあらすじをチェックしてみましょう。

狂気の沙汰もアイ次第

【あらすじ】

宇宙人により遠く離れた星まで拉致された、山口健次ほか地球の男女7人。彼らは宇宙人から「《アイ》を理解するために、あなたたちを観察する」と宣言される。脱出不可能な集団生活の中、皆に与えられる水分は「飲むと人を殺したくなる水」だけ。当初は、殺人衝動なんて理性で抑えられると自分に言い聞かせていた山口だが──。人は水を飲まなければ乾き、飢え、死ぬ。理不尽な絶望の中に見つけたわずかな希望とは? そこに賭けた山口のたどり着く結末は? 殺したくない! 殺されたくない! 衝撃のサスペンス・ストーリー。

著者は神田夏生先生。イラストは麦春あやみ先生。神田夏生先生は第21回電撃小説大賞において、本作と同名の作品で3次選考を通過しています。残念ながら最終選考は通過しませんでしたが、満を持して拾い上げによる作品出版となったようです。本作は宇宙人によって拉致された7人の男女を描くサスペンスのようですね。試し読みでは約70ページが公開されています。挿絵も2枚確認できるので、早速チェックチェック!

⇒ 試し読みはこちら

これはミステリなんかじゃない。

主人公は、宇宙人に拉致された7人の中の1人である高校2年生の山口健次。自称宇宙人を名乗る何者かに7人の日本人が拉致され、物語は始まります。最初は何かのヤラセであったり、夢ではないかと疑っていた7人ですが、段々と現実であることを理解していくことになります。7人の日本人を拉致した宇宙人の目的は「アイ」の観察。7人は宇宙人が言わんとしていることを理解できぬまま、じょじょに極限状態へと追い込まれていきます。

閉鎖された空間では衣服や食事も提供され、宇宙人は7人の要望に応える姿勢もみせます。ただし、「飲み物」に関しての要求だけは受け入れず、7人に差し出される「水」には恐ろしい効果があるわけです。それは「地球人が飲むと人を殺したくなる水」というもの。これが「アイ」と「欲求」の観察である、と宇宙人は告げるのです。

宇宙人の「殺し合いはない」という言葉の意味は、我慢をすればいいという裏返しだったわけです。そして飲み物はその「水」しかなく、飲まなければ生きていくことさえ難しくなります。「水」を飲むことで発生する「殺したくなる」欲求を目の前で目撃した、体験した7人は少しずつ疑心暗鬼にとらわれていくことになり、観察四日目に最悪の形で悲劇が起こってしまいます。

試し読みでは、拉致された7人のうち1人が悲劇に見舞われるところまでが公開されています。曖昧な宇宙人の要求、終わりが明確に見えない観察の果てに待ち受けているものはなにか。ミステリではない驚愕のサスペンスに注目ですね。

気になった方はぜひ試し読みをチェック! さらに物語の続きが気になった方は発売日に書店へGOです!

【日刊試読タイム】とは

試し読みが公開されている発売間近の作品を試し読みを通して紹介します。

©神田夏生/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 イラスト:麦春あやみ

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電撃文庫公式サイト

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