ラノベニュースオンライン編集長が選ぶ2016年のライトノベル10選

いよいよ2016年も残すところあとわずかとなりました。今年も1,600冊以上ライトノベルが出版されました。皆さんは面白いと感じたり、満足感を得られるような作品と出会うことができたでしょうか。2017年初頭には今年スタートしたラノベニュースオンラインアワードのノミネート作品を対象とした投票や結果発表も実施しますのでそちらにも注目です。それとは別に、ラノベニュースオンラインの編集長が独断と偏見で2016年のライトノベルを振り返り、強く印象に残り、2017年の躍進に期待する10作品をここでご紹介します。

東京侵域:クローズドエデン(スニーカー文庫/第3巻まで刊行中)

東京侵域3

最初の1冊目は2015年からのシリーズ作品です。実は本作、取材契機で読んだのですが引き込まれ具合が半端じゃありませんでした。ページを捲るたびに強いられる緊張感が、圧倒的な臨場感も生み出しており、第3巻もその例外ではなかったです。本を捲る自分自身の動きそのものが、物語の一欠片であるかのようにさえ錯覚するバトルアクションはぜひ読んでもらいたいですね。なかなか味わえない読書体験ができるでしょう。

俺を好きなのはお前だけかよ(電撃文庫/第3巻まで刊行中)

俺を好きなのはお前だけかよ

2冊目はチェンジ・オブ・ラブコメ。ラブコメというジャンルに新たな風を持ち込んだ、或いは強力な追い風として疾走した本作は驚くべきことに新人賞受賞作でした。主人公の二面性を意図的に作り上げ、物語の前半と後半とで読者に与える印象を変化させるという、面白さのアクセントも非常に大きな特徴でした。このラブコメは一筋縄でいかないどころの話じゃない!

アサシンズプライド(ファンタジア文庫/第4巻まで刊行中)

アサシンズプライド

3冊目はファンタジア文庫さんの伝統芸(?)となりつつある、新人賞「大賞」受賞の教師モノ作品です。完成度、設定構築、昨今の「わかりやすさ」の取り込み、読みやすい文体、などなど。さらに熱い展開も甘い展開も物語の中にしっかりと凝縮しているのは見事の一言です。キャラクターのシチュエーション作りがとてもうまく、しっかりと読者の記憶に残ってくれることも特徴だと感じました。そのため続刊で迷子になることもありません。2017年も更なる躍進は間違いないタイトルのひとつ、と考えています。

我が驍勇にふるえよ天地(GA文庫/第3巻まで刊行中)

我が驍勇にふるえよ天地

4冊目はあわむら赤光先生の5ヶ月連続刊行から生まれた作品です。2016年の戦記モノでは頭ひとつ抜きん出ていた印象さえ受けました。言葉よりも行動で語る主人公の寡黙な姿勢、そんな主人公の背中を信じて、付いていく仲間の存在。重厚なストーリーと圧倒的な快進撃の裏には、一癖も二癖もある敵味方の存在があり、1ページの読み応えさえ抜群です。2017年も吸血皇子の伝説伝承〈フォークロア〉からは目が離せません。

ゲーマーズ!(ファンタジア文庫/第6巻まで刊行中)

ゲーマーズ!5

5冊目は2015年からのシリーズから。この物語の登場人物たちのボタンの掛け違いはとどまることをしらない。第5巻のラストではみんなの思惑ががんじがらめになった結果、衝撃的な展開を迎えることになるわけですが、それは言葉が足らないだけなのか、それとも運命に弄ばれすぎているだけなのか。抱腹絶倒間違いなしのゲーマーたちのゆるゆるラブコメもついにアニメ化決定です。アニメも原作の続きもまだまだ楽しみな作品です。

友人キャラは大変ですか?(ガガガ文庫/第1巻まで刊行中)

友人キャラは大変ですか?

6冊目は12月刊行の駆け込み作品。主人公の友人である脇役ポジションの男を主人公として綴った物語です。え、何を言っているかわからないって? ならば読んでみてほしい、笑えること間違いなしです。“友達のプロ”としての頑ななこだわりから生まれた、まさに最強の助演ストーリー。そんな自分の居場所であるはずの友達ポジションがボロボロと崩壊していく様は、ページを捲る手が止まりません。“友達のプロ”の気合と気概が次々とひっくり返されていく様はぜひご覧あれ。

ありふれた職業で世界最強(オーバーラップ文庫/第5巻まで刊行中)

ありふれた職業で世界最強4

7冊目は2015年からの継続シリーズ。第3巻と第4巻では待望となる再会のエピソードが綴られ、とても印象に残った作品のひとつとなりました。最悪な状況から始まった離別。生き残ることへの執念から得た力と仲間。一変した主人公とのクラスメイト達の再会は、いろんなことを考えさせられる一面もあります。コミカライズもスタートしており、2017年も楽しみなシリーズ作品であることは間違いありません。

三千世界の英雄王(MF文庫J/第2巻まで刊行中)

三千世界の英雄王

8冊目は笑える異能バトルアクションです。この物語の登場人物たちは至って真面目なのに、傍目から見たらふざけているようにしか見えない楽しい作品です。真面目だからこそ彼らは全力で中二病を演じるし、厳しい戦いを次々に乗り越えていくのです。熱いバトルのはずなのに、笑いをこらえなくてはならないこの新境地は、ある意味「ゲーマーズ!」に通ずるものがあるのかもしれません。笑撃の本作はぜひ多くの人に読んでもらいたいですね。

友達いらない同盟(講談社ラノベ文庫/第1巻まで刊行中)

友達いらない同盟

9冊目も12月の駆け込み作品になりますね。「友達」という定義が極めて重たい主人公と、友達はほしくないという少女の学園ストーリーです。歯に衣着せない物言いを繰り返したことで孤立する主人公と、友達はいなくても平気だと考えて孤立していた少女は、一見同じ「孤立」なのに、見えてくるもの、見えているものが少しずつズレてくるところに本作の面白さがあります。ストーリーとしてはやや重めなのですが、読み応え抜群の新人賞受賞作なのです。

りゅうおうのおしごと!(GA文庫/第4巻まで刊行中)

りゅうおうのおしごと! 3

ラストの10冊目は2015年でも選出した本作。かぶらないようにと散々悩んだ挙句、第3巻で突き付けられた衝撃には抗えきれませんでした。人生を賭けるとは、こういうことなんだと。読者の年齢が高ければ高いほど、心に突き刺さるシーンだったと思います。「このライトノベルがすごい!2017」文庫部門でも第1位に輝いた本作はオススメです。

いかがでしたでしょうか。紹介したい作品はまだまだたくさんあるのですが、2016年を通して特に強く印象に残った作品を選出しました。もし1作品でも琴線に触れる作品があれば、ぜひ手に取って読んでみてください。2017年もこれまで以上に面白い作品と出会えることを楽しみにしたいですね。

ラノベニュースオンライン編集長