オリジナルインタビュー「ラノベの素」。田口一先生『この中に1人、妹がいる!5.5』

――その頃に影響を受けた作家や本があれば教えてください。

中学生の当時、仲間内で流行っていた水野良先生の『ロードス島戦記』や、山本弘先生の『ラプラスの魔』といった作品に触れたことが、本を読むようになったきっかけです。

そのころ読んだ筒井康隆先生の『ロートレック荘事件』が非常に面白くて、以来、著作を読み続けるようになりました。

推理小説は好きでして、高校生時代に島田荘司先生の『占星術殺人事件』を読んだときの衝撃は今でもよく覚えています。

また三田誠広先生の『いちご同盟』などの青春小説もとても気に入っていました。

『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』は高校生のころに読んだのですが、当時から今までずっと好きな作品です。

――田口先生は「第3回MF文庫Jライトノベル新人賞」で佳作を受賞されて「魔女ルミカの赤い糸」でデビューされました。受賞されたときの気持ちは覚えていますか?

最初に編集部から連絡をもらったのが、なぜか深夜に送られてきたメールでした。いつものようにネットを見ていたら新着メールがあって、読むと受賞の知らせだったという……。思わず目が点になりました。

その晩は深夜番組など見ても、まるで集中できない状態になってしまいました。もちろん嬉しかったのですが、反面、突然不意打ちのようにスタートラインに立たされた気分でしたね。

――はじめて自分の本を手に取った時はやっぱり感動しましたか?

自分の文章が美しいイラストや装丁に包まれている不思議さと同時に、完成品として世に出てしまったのだという、ちょっとした緊張感がありました。パソコン上のテキストならいくらでも修正できますが、本として出た以上もう書き直せないという後戻りのできなさが、ある意味怖くもありました。

――作家になろうと決めたきっかけと、デビューするまでの投稿歴を教えてください。

高校生のころに趣味で短編小説を書いていて、漠然と小説家になりたいという思いはありました。

卒業後は小説を書くことから離れていたのですが、何年も経ったとき、ふいに『ストーリーを作ってみたい』という思いが蘇り、気がつくと思いついた話を書き始めていました。最初に投稿したものは、いろんな女の子の体に魂が乗り移ってしまう少女と、主人公の少年のラブコメのような話でした。

――デビューしてからのことをお聞きします。デビュー後、自分のここが変わった、というところを教えてください。

大きく変化したことはないのですが、街を歩いているときなどに突然、ふっとアイディアやイメージが浮かぶことが起こるようになりました。しかも机に向かって頭をひねっているときより、いい考えを思いつくことが多いですね。

――デビューしてから一番辛かったことはどんなことですか?

台風の中、校正ゲラを持って編集部まで走ったことです!

――逆に一番嬉しかったことは?

嬉しいことは様々ありますが、やはり原稿を書き上げた瞬間はいつも嬉しいですね。他に代えられない達成感があります。

――読者は田口先生にとってどんな存在ですか?

なんといっても、最も緊張する存在です。そして面白かったと言ってもらえたときに、一番嬉しい存在でもあります。

――作家業として一番気をつけていることを教えてください。

ライトノベルは刊行ペースも早いですし、一作品のシリーズが一年、二年と続いていきますので、マラソンのように自分のペースを守りながら書き続けることでしょうか。

――作家としてこれからの目標を教えてください。

まずは現在のシリーズをラストまで書ききることです。その後は、より面白い小説を書くことを目標にしていきたいと思っています。

――最後に読者に向けてのメッセージと新刊の見所をお願いします。

『この中に1人、妹がいる!』、おかげさまでまだまだ続き、更なる展開を見せますので、今後ともよろしくお願いいたします。また、興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、書店さんでお手にとってみてください。

新刊は短編集ということで、今までとは少し違った日常の謎を描いています。長編ではなかなかできなかった話を書きましたので、新たな『なかいも』の世界を楽しんでいただければと思います。

田口先生お忙しい中ありがとうございました!

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今後も田口先生の活躍に期待しよう!