【日刊試読タイム】『自殺するには向かない季節』(講談社ラノベ文庫)

日刊試読タイム第100号!

さて、今回は講談社ラノベ文庫が2017年5月2日に発売する『自殺するには向かない季節』。まずはジャケットとあらすじをチェックしてみましょう。

【あらすじ】

永瀬はある朝、同じクラスの生徒、雨宮翼が列車に飛び込む瞬間を目撃してしまう。なぜ死を選ぶのかその理由を考えるが答えは出ない。そんな永瀬に、友人の深井から蝶は羽ばたかないという言葉とともにあるカプセルを渡される。それはとても小さなタイムマシンであり、バタフライ効果の根源に作用するという。半信半疑ながらその日の夜にカプセルを飲んだ永瀬が目覚めると――二週間以上も過去に戻っていた! そして永瀬は、雨宮と雨の屋上で出会う。会話の流れで、彼女の希望を知っていることがばれた永瀬は、希望の実現――自殺の方法を調べることを手伝うことになり――!青春を鮮烈な筆致で描く、<大賞>受賞作が登場!

著者は海老名龍人先生。イラストは椎名優先生。海老名龍人先生は第6回講談社ラノベ文庫新人賞「大賞」を本作で受賞し、デビューされる作家です。本作は自殺をしてしまったクラスメイトの女子がなぜ自殺を考えたのか、そのきっかけのひとつになったのではないかと考える少年のタイムリープストーリーですね。試し読みでは約35ページが公開されています。口絵が2枚確認できるほか、挿絵も2枚確認できるので、早速チェックチェック!

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わざわざ死ぬ意味も、わざわざ生きる意味も同じくらいわからない。

主人公はクラスメイトの飛び込み自殺の現場を目撃した少し捻くれた少年、永瀬。衝動的に無意識に、そして意味のない言葉として吐き出される「死ね」という言葉。自殺を図った少女とぶつかり、奇しくもそんな言葉を口にしていた永瀬は、ほんの少しの後味の悪さを感じながらも、彼女の自殺を思い出さないよう考えないようにしていたのです。それでもセンセーショナルな出来事に周囲は加熱、面白半分の噂は飛び交い続けるのです。そして永瀬はふと思うのです。「彼女はなぜ自殺をしたのだろうか」と。

本来は生徒の出入りが許されていない屋上に忍び込み、永瀬は知り合いである深井冬悟に尋ねるのです。「クラスメイトの女子、雨宮翼はなぜ自殺をしたのだろうか、なぜ自殺の手段に電車への飛び込みを選択したのだろうか、なぜあの朝だったのだろうか」と。なぜなのか、その問いにこだわりをみせる永瀬に、深井はひどく唐突に薬の入ったケースを渡すのです。いわく、それはカプセル式のタイムマシンなのであると。必要なければ捨てても構わない、そう言って深井は立ち去ります。

怪しげな薬をもらった以外は何も変わらない一日。もらった薬も積極的に飲もうとは考えていなかったものの、自身が吐いた「死ね」という言葉がどうしても引っかかっていて。死ぬ意味と同等に生きる意味も同じくらいわからないのだ、それならば薬を飲んだ結果どうなっても変わらない。永瀬はそんな思いで薬を飲み、眠りにつくのです。起きた時、そこが自分の部屋のベッドの上などではなく、学校の教室であるなど、まるで考えもしないまま。

試し読みでは約2週間、時間を遡行した永瀬が深井に文句を言いに行くところまでが公開されています。余計なことを気に病まないよう、自殺したクラスメイト雨宮翼と接点を持たないよう決めるのですが、運命の悪戯か、永瀬は屋上で彼女と対面することになるのです。タイムリープ、そしてバタフライ効果。さらに「蝶は羽ばたかない」という深井の言葉。この物語の先に待ち受けるものとは、ぜひ確かめたい作品ですね。

気になった方はぜひ試し読みをチェック! さらに物語の続きが気になった方は発売日に書店へGOです!

【日刊試読タイム】とは

試し読みが公開されている発売間近の作品を試し読みを通して紹介します。

©海老名龍人/講談社 イラスト:椎名優

[関連サイト]

講談社ラノベ文庫公式サイト