【日刊試読タイム】『オレ、NO力者につき!』(電撃文庫)

暑くなるの早すぎだろう!

さて、今回は電撃文庫が2017年5月10日に発売する『オレ、NO力者につき!』。まずはジャケットとあらすじをチェックしてみましょう。

【あらすじ】

人類のほとんどが、なんらかの特殊能力を持つようになった現代。神様からの贈り物という意味を込めて、この能力は『ギフト』と呼ばれている。当然、オレのまわりの人たちも、みんな『ギフト』を持っている。ただ一人の例外、そう、オレを除いて……。昔はこの現実に悩んだこともあったが、今は別になんとも思っちゃいない。だけど、いるんだな、そんなオレにいらぬ同情をする連中が。たとえば、オレが通う青葉高校の生徒会長とかね。悪気がないのはわかるけど、それってほんとにありがた迷惑ってやつ。だからオレは証明してやらなきゃならない。『ギフト』のない異常な人間のオレでも、オレらしく学校生活を楽しめるってことをね。みんなもこんなオレを応援してくれよな。

著者は阿智太郎先生。イラストはU35先生。阿智太郎先生は第4回電撃小説大賞「銀賞」を『僕の血を吸わないで』にて受賞し、デビューされた作家です。本作は特殊能力を持つことが当たり前の世界で、能力を持たなかった高校生が前向きに楽しく人生を謳歌する学園コメディ作品ですね。試し読みでは約53ページが公開されています。挿絵も2枚確認できるので、早速チェックチェック!

⇒ 試し読みはこちら

物語は「ギフト」を持たないことが異常な人類総エスパー時代!

主人公は一千万人に一人と言われる何の特殊能力も持たない異常な高校生、宇津木航平。二十世紀の後半から特殊能力「ギフト」を持った人間が現れはじめ、二十一世紀となった今では人類総エスパー時代を迎えていたのです。特殊能力を持っていることが普通であり、持っていないことが異常な世の中。一時期は悩みこそしたものの、主人公はしっかりと前を向いて楽しく人生を謳歌していたのです。ギフトがないぶん、他のことを頑張ろうと。

そんな航平の隣には瞬間移動のギフトを持つ幼馴染の少女、飛田つばさの姿があります。男子生徒からの人気も少しずつ高まっている幼馴染みとのいつもの登校は、クラスメイトから格好のネタとして扱われるのですが、冗談でも特殊能力を持たない航平と立場が入れ替わることを良しとする人はいないのです。もっとも、万能ではないつばさの能力が引き起こす、身に着けているものを落としてしまうという欠点のフォローに奔走したりと、羨ましいことばかりではない日常でもあるわけですが。

そんなある日、航平は他校の男子生徒に絡まれていた同じ学校の女子の助けに入ることになります。何も特殊能力を持たない航平は、顔を見れば嘘をついているかどうかがわかる男子を相手に、「自分が一千万人に一人の存在であること」や「国のギフト研究センターで調査されたこと」、そして「誰もが驚くNO(能)力者である」ことを突き付け、なんとか切り抜けることに成功するのです。前向きな解釈で不良高校生を欺く姿は笑えます。

試し読みでは嘘をつかずにはったりで、不良高校生たちを退けたところまでが公開されています。この物語は「ギフト」を持たないNO力者の少年が、日常や学校生活を楽しく生きるとても前向きな物語として描かれることになるようですね。巨大な力が目覚めるなんてことはない、今ある自分を認めて、努力家となった少年の学園コメディ作品に注目です。

気になった方はぜひ試し読みをチェック! さらに物語の続きが気になった方は発売日に書店へGOです!

【日刊試読タイム】とは

試し読みが公開されている発売間近の作品を試し読みを通して紹介します。

©阿智太郎/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 イラスト:U35

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