【日刊試読タイム】『バーサス・フェアリーテイル—バッドエンドな運命のヒロインを救い出せ—』(ファンタジア文庫)
蝉の鳴き声がやまかしい時期になってまいりました。
さて、今回はファンタジア文庫が2017年7月20日に発売する『バーサス・フェアリーテイル—バッドエンドな運命のヒロインを救い出せ—』。まずはジャケットとあらすじをチェックしてみましょう。
【あらすじ】 悲劇の“物語”を改変し、少女を、世界を、救い出せ! 高校生のソーシは、幼い頃失ったはずの妹の面影を残す不思議な少女を目撃する。彼女はモモカ、伝説や伝承で語られた空想上の存在【パラミシア】と呼ばれる異世界人だった——“人類VS物語”の戦争が今始まる! |
著者は八街歩先生。イラストはれい亜先生。八街歩先生は第15回ファンタジア大賞にて「努力賞」を『オラガ村ぁ平和』にて受賞し、デビューされた作家です。本作は現実と幻想とが交錯して童話と戦う物語として描かれるファンタジー作品のようですね。試し読みでは約60ページが公開されています。挿絵も2枚確認できるので、早速チェックチェック!
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覚えている言葉はただ一つ――全ての鬼を殺せ。
主人公は立派なオタクへと成長した高校一年生の空我山ソーシ。学園島と呼ばれる瀬戸内海上に建造された人工島イカロス。日本中から入学希望者が殺到するこの学園に、ソーシはとあるモノを捜すために入学を果たします。その捜しものとは「理想の嫁」。クラスの自己紹介ではシャツにプリントされた理想の嫁を披露し、立派にオタクとしてのポジションを確立することになるのです。ソーシ自らも現実にいるはずはないとする「理想の嫁」の存在はしかし、とある人物を描いたものだったのです。
ソーシの「理想の嫁」とは、この学園ならば手がかりを見つけられるのではないかと入学を果たした目的そのもの。それは幼い頃に助けることが叶わず、失ったはずの大切な妹の姿に似せて描いたものだったのです。「モモカ」と呼ぶプリントされた女の子に似ている子を捜すソーシでしたが、手がかりのひとつさえ見つかりません。ところが、思いも寄らぬ情報が委員長よりもたらされることになるのです。この学園島ではなく本土で、シャツにプリントされた絵にそっくりな子を見かけたのだと。
委員長の目撃情報にソーシはいてもたってもいられず飛び出していきます。オタク仲間である乖人の助けを得て、本土に渡ったソーシは一人の少女と邂逅することになります。髪の色、そして鋭すぎる眼差しを除けばイラストの少女に瓜二つの女の子。ソーシの「モモカ」という名前に僅かばかりの反応を見せるものの、自分がどこから来たのか、そして何者なのか、記憶を持ち合わせていなかったのです。彼女の中でただ一つはっきりしていること、それは「全ての鬼を殺せ」という一言のみで。
試し読みでは、ソーシとモモカの前に「鬼」が出現するところまでが公開されています。失った妹のたったひとつの痕跡である「せかいのどうわ 超大全」と書かれた1冊の本。そしてソーシにだけ見える「運命線」の存在。十年をかけて辿り着いたたったひとつの手がかりを手繰り寄せるために、現実と幻想とが交錯する舞台へソーシは足を踏み入れていくことになるのでしょう。モモカの存在、そして作品のタイトルでもある童話との戦いに注目ですね。
気になった方はぜひ試し読みをチェック! さらに物語の続きが気になった方は発売日に書店へGOです!
【日刊試読タイム】とは
試し読みが公開されている発売間近の作品を試し読みを通して紹介します。
©八街歩/KADOKAWA 富士見書房刊 イラスト:れい亜
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