【レポート】「何度も繰り返して観てほしい愛の物語」『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』初日舞台挨拶

2017年7月15日(土)に角川シネマ新宿で開催された映画『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』の初日舞台挨拶の模様をお届けする。本イベントは映画上映後に行われ、キャスト陣と監督が登壇。本作の見どころや注目してほしい点、熱演したキャスト陣の溢れんばかりの想いが飛び出し、会場は温かい拍手に包まれていた。

●上映後なのでネタバレOKとして4人が登壇

本舞台挨拶は映画の上映後に開催された。原作小説やTVアニメで描かれる本編から6000年前に起こった大戦を描いた物語としてこのたび劇場化となった本作。人間のリクと機凱種(エクスマキナ)のシュヴィの二人を中心に描かれる物語に、心を締め付けられたファンも多かったに違いない。舞台挨拶のステージにはリク役の松岡禎丞さん、シュヴィ役の茅野愛衣さん、コローネ・ドーラ役の日笠陽子さん、監督のいしづかあつこ氏が登壇。日笠陽子さんは「私たちの爆笑トークを楽しんでいってね!」と笑いを誘ったほか、いしづか監督も「寝ずに頑張った甲斐があった」と、上映後の熱気冷めやらぬ会場を盛り上げながら登場した。

●シュヴィとジブリールの戦闘シーンは大迫力

登壇した4人は、大迫力ともいえるシュヴィとジブリールの戦闘シーンについて言及。いしづか監督は「大きなスクリーンで見てもらえることを意識して、3Dをたくさん使って派手なカメラワークを取り入れた」と語った。もともとアクションシーンは苦手だったという本人の言葉とは裏腹に、ジブリールを動かすことがどんどん楽しくなり、おかげで楽しみながら取り組めたことも明かしていた。また、音楽もデジタル音満載のTVシリーズからは大きく変更し、オーケストラの大編成で、劇場版は制作されたとのこと。松岡禎丞さんも「PV第1弾が公開された時点で、音楽はすごいものになると思っていた」と語るなど、映像だけではなく音楽も本作の楽しみどころのひとつとなっている。

茅野愛衣さんはアフレコをあらためて振り返った。自身が演じたシュヴィについて「感情移入をし過ぎてしまい、収録はテストでも本番でもすべて同じシーンで涙を流しました」と告白。アフレコ現場に立ち会っていたいしづか監督も「本人が泣いていることはわかったうえで、感情が爆発したそのままの声をもらおうと思った」と、並々ならぬ思い入れで作品作りに臨んでいたことを語った。松岡禎丞さんも「リクは本編の空ではないけど、似ていることもあってファンの方は懸念していたのではないか」と心配していたことも明かしつつ、「リクとして一からの役作りに臨んだ」とその想いの丈を語った。日笠陽子さんから「リクを演じる上で難しかった点は?」と聞かれると「感情を押し留めるのではなく、殺さなくてはいけない。最初からもう大変だった」と、言葉がなかなか出てこず、身振り手振りで難しさを表現していた場面もみられた。また、映画では新キャラクターが登場していることにも触れられ、追加キャストも同時に明らかとされていた。

【新キャラクターキャスト】

イワン:大川 透

アレイ:興津和幸

アインツィヒ:諏訪部順一

リリィ:Lynn

アズリール:堀江由衣

ラフィール:森 なな子

アルトシュ:竹内良太

●プレゼント企画ではいしづか監督がジブリール化!?

また、初日舞台挨拶観覧者へサイン入りポスターをプレゼントするじゃんけん大会も開催。ラジオ番組「ノーラジオ・ノーライフ」から端を発する松岡禎丞さんの【じゃんけんでは「グー」しか出せない盟約】も機能したまま、会場に笑いを巻き起こしながらじゃんけん大会は進行した。途中、いしづか監督が観客を全滅させるハプニングが発生し、日笠陽子さんから劇中で破壊の限りを尽くすジブリールになぞらえ「劇場のジブリールがここにいる」と会場は大きな笑いに包みこまれた。

さらに、誕生日を翌日に控えていた日笠陽子さんのサプライズプレバースデーも行われた。観客に祝福されながらプレゼントのケーキがお披露目されただけではなく、劇場版のテーマ―ソングを歌う鈴木このみさんが歌ったバースデーソングも流れ、日笠陽子さんは驚きの表情のまま、観客からの盛大な拍手に応えていた。

最後の締めの挨拶では、いしづか監督は「情報量がとても多い映画だと思っている」としたうえで、1回観ただけでは気付けないあんなことやこんなことを潜ませていることを明かした。さらに会場のお客さんに向け、「人類語を早く読めるようになってください」と挑戦状を提示した。劇中に登場する地図には様々な情報が隠されているとのことで、そのヒントに「石に刻んである名前が解読の鍵になる」と観客に発破をかけながら自身の挨拶を締めくくった。日笠陽子さんは自身の誕生日を祝ってもらったことにお礼を述べ、「情報量は多いけれど、映像を見ながら声や言葉のひとつひとつに耳を傾けると、脳が理解してくれるようになる」と語り、役者陣も様々な想いを込めて作品づくりに臨んだことをあらためて語った。茅野愛衣さんは「素敵な愛の物語を皆さんと分かち合うことができてよかった」とし、自身もまだまだ何回も観覧したいと語った。最後に挨拶を締めくくったのは松岡禎丞さん。演じたキャスト陣も様々に思うところがある、と意味深な発言も飛び出しつつ、あらためて自身の想いを語った。「映画から観た方もいるだろうし、TVアニメを経て映画を観ている人もいる」と観客席に目を向けながら「それぞれ別の見方をしていると思うし、感じ方もまったく違うと思う。6000年前の大戦が「  」(くうはく)に繋がっていることを思うと……」と、声を詰まらせる場面もあった。最後に「落ち着きなさい、松岡禎丞!」と自身に叱咤と観客の笑いを誘うと「これからもノーゲーム・ノーライフという作品を、このゼロを含めて愛して応援してもらいたい」と締めくくり、会場は盛大な拍手に包まれた。

映画『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』は、本編から6000年前の大戦をほぼ独立した物語として描いている。そのため本編を知らなくても楽しめる映画となっている点にも注目してもらいたい。茅野愛衣さんが言うようにこの作品は「愛の物語」となる。ぜひ本作から『ノーゲーム・ノーライフ』という作品に触れてみてもらいたい。

©榎宮祐・株式会社KADOKAWA刊/ノーゲーム・ノーライフ ゼロ製作委員会

[関連サイト]

『ノーゲーム・ノーライフ』公式サイト

MF文庫J公式サイト

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