【日刊試読タイム】『キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った』(ファミ通文庫)

一気に秋めいてまいりました。

さて、今回はファミ通文庫が2017年8月30日に発売する『キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った』。まずはジャケットとあらすじをチェックしてみましょう。

【あらすじ】

「また多重人格ごっこして、くれないかな?」高校で再会を果たした一色華の実は、囚慈(僕)、θ郎、キイロの三人がかりで生きているチーム市川櫻介にそう告げた。そして、華の実は昔考えたみんなの夢を叶えていきたいと言う。僕達以外の誰かに、囚慈として扱われる不思議な感覚の中で、僕は自然と華の実を好きになっていった。でも、知らなかったんだ。君がどんな思いで、その提案をしていたかなんて……。不器用な二人の、純度100%の恋愛ストーリー。

著者は比嘉智康先生。イラストははっとりみつる先生。比嘉智康先生は、第3回MF文庫Jライトノベル新人賞にて「優秀賞」を『ギャルゴ!!!!!』にて受賞、デビューされた作家です。本作は多重人格をひとつのキーワードとして描かれる恋愛ストーリーのようですね。試し読みでは約63ページが公開されています。挿絵は残念ながら確認できませんが、早速チェックチェック!

⇒ 試し読みはこちら

人は一つの身体にみんなで生きているわけだから。え、違う?

主人公は三人分の人格を宿して三人がかりで生きるチーム市川櫻介こと、市川櫻介。頭を使う場面を担当するθ郎、身体を使う場面を担当するキイロ、特に頭も身体も使わない場面を担当する囚慈。小さな頃から市川櫻介という人間の身体には3人がいる。それこそ自分以外の誰もが同じように、内側で何人もの人間が協力し合い、生きていると思っていたのです。「人は一人では生きていけない」という言葉に受ける印象も、そもそもの大前提からしておかしくないだろうか、と思うほどに。

チーム市川櫻介は9歳になって、一人の身体には一人しかいないのだという結論へと辿り着き、びっくらこくわけです。これまで他人の中に見えた別の人間像は、人見知りであったり、鬼嫁スイッチであったりと、別人のように見えただけで別人ではなかったのです。一度は自分たちの現状を両親にぶつけてみようかと逡巡した時もありましたが、結局三人のメンバーの存在は表立って知られることはなかったのです。

そんな三人が小四の頃に出会った女の子。植物と勘違いしてしまいそうな少女の名前は一色華の実。運動会の借り物競争をきっかけに話をすることになった少女は、チーム市川櫻介にとある遊びを持ちかけるのです。自分の中に別の人格がいるようなフリをする遊び「多重人格ごっこ」。人知れず三人がかりで生きている市川櫻介にとって、そんな遊びを持ちかけられることはまさに未知で。θ郎とキイロはすこぶる乗り気となり、チーム市川櫻介は一色華の実と「多重人格ごっこ」に興じることになるのです。

試し読みでは、チーム市川櫻介の自己紹介、そして一色華の実の何にいる「という設定の」4人の自己紹介が行われるところまでが公開されています。あらすじでは再会からの物語がメインとなるようですが、試し読みでは最初の邂逅までを読むことができます。チーム市川櫻介の掛け合いの楽しさはもちろん、再会によって描かれていくことになるだろう純度100%の恋愛ストーリーには注目せざるを得ませんね。

気になった方はぜひ試し読みをチェック! さらに物語の続きが気になった方は発売日に書店へGOです!

【日刊試読タイム】とは

試し読みが公開されている発売間近の作品を試し読みを通して紹介します。

©比嘉智康/KADOKAWA エンターブレイン刊 イラスト:はっとりみつる

[関連サイト]

『キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った』特集ページ

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