【日刊試読タイム】『リア充にもオタクにもなれない俺の青春』(電撃文庫)

パトカーが無人駐車されている時は現場で何か起こっているのだろうか。

さて、今回は電撃文庫が2017年9月8日に発売する『リア充にもオタクにもなれない俺の青春』。まずはジャケットとあらすじをチェックしてみましょう。

【あらすじ】

一奈々子(にのまえ・ななこ)。オタク女子。3ヶ月ごとに「嫁」が変わるタイプの絵師。おどおど小動物系の美少女。口には出さないけど、俺は密かに≪イナゴさん≫と呼んでいる。上井恵久(かみい・めぐ)。リア充女子。カラオケでタンバリン叩いてた人。いつもいい匂いがするクール系の美少女。こっちも口には出さないけど、俺は密かに≪ウェーイさん≫と呼んでいる。クラスこそ一緒だけど、イナゴさんも、ウェーイさんも、俺とは別世界の住人だ。リア充でもオタクでもない俺は、きっと深いかかわりを持つことなく終わるんだろう。……そう思っていた。あの夜、あの公園で、あんな秘密を知ってしまうまでは。2017年、オタクがメジャーになりすぎた時代。何にもなれない「俺」たちに贈る、新・青春ラノベ開幕!

著者は弘前龍先生。イラストは冬馬来彩先生。弘前龍先生は第19回電撃小説大賞の最終選考作『俺のかーちゃんが17歳になった』でデビューされている作家です。本作はオタクでもリア充でもない主人公が、その両極にいるであろう女の子と繰り広げる青春物語を描く作品のようですね。試し読みでは約50ページが公開されています。挿絵も1枚確認できるので、早速チェックチェック!

⇒ 試し読みはこちら

これはオタクにもリア充にもなりきれなかった男子高校生の物語、かもしれない。

主人公はオタクになれなかった高校2年生、荒川亮太。昨今、東京の一般的な高校ではオタクとリア充がクラスの二大勢力であり、その両極に位置すればするほど青春を謳歌することができるのだという。静岡から東京の高校へと進学した主人公は、学校に根付いているオタクの、オタクによる、オタクのための謎部活「OTA団」へと入部するのです。なぜなら、自分はオタクだから。オタクとして青春を謳歌したかったから。それなのに入部して間もなく、そこが自分の居場所ではなかったことに気付かされることになるのです。

部を辞め、自分がオタクではなかったことに気付かされた主人公に残された道。それはリア充への道。しかし何をどうすればいいのか、打開策を見いだせないまま高校1年という青春の1ページを終えてしまうのです。そして2年へと進級して迎えたクラス替え。運良くカラオケの誘いを受け、最初で最後のチャンスだと思って飛び込んだリア充グループ。しかしカラオケボックスで展開されるリア充たちの空気に感じるズレと違和感。それはどうしようもない価値観の違いだったのです。

そんなグループの中でたった一人だけフラットに接してくれたウェーイさんこと、上井恵久。彼女を見ながら自分がリア充になるためには相当な意識改革が必要であることを感じるのです。そんな言い知れない感情に振り回されながら帰路につく二人を襲ったのは煙の臭い。火事を疑った主人公が発見したもの、それは自分が去った「OTA団」に所属し、新入生へのビラ配りもしていたイナゴさんこと、一奈々子。そんな彼女が一人キャンプファイヤー……ではなく、オタクグッズを一心不乱に燃やす姿だったのです。

試し読みでは主人公とウェーイさんに目撃されたイナゴさんが、燃え上がる炎の事情を説明しないまま走り去っていくところまでが公開されています。イナゴさんがグッズを燃やしていた理由とは。オタクとリア充のどちらでもない主人公が、その両極にいるであろう女の子と共に綴られる青春ストーリーに注目ですね。

気になった方はぜひ試し読みをチェック! さらに物語の続きが気になった方は発売日に書店へGOです!

【日刊試読タイム】とは

試し読みが公開されている発売間近の作品を試し読みを通して紹介します。

©弘前龍/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 イラスト:冬馬来彩

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