【第2回:ラノベの車窓から】わたしと男子と思春期妄想の彼女たち

とあるライトノベル読みが読者としての視点・観点で、オススメをピックアップして紹介する
「ラノベの車窓から」も無事2回目を迎えることができました。
テレビで「世界の車窓から」を見て流れを勉強……というわけではありませんが、長く続けていけるコーナーにしていきたいですね!

さて、第2回のオススメとして取り上げるライトノベルは「わたしと男子と思春期妄想の彼女たち」です。2011年に発表された第12回エンターブレインえんため大賞の優秀賞受賞作ですね。約1年で4冊を刊行した本作。2012年1月に発売された第4巻が最終巻となっています。想像できないかもしれませんが、とても楽しく元気をもらうことのできる作品です。

この作品からは「中学生っていったいどういう生き物なの?」という問いの答えを、元気で奔放、いつも明るく一生懸命で少し変態なリア中少女が教えてくれるかもしれません(笑) 中学生とはもっとも自由で、もっとも心が豊かで、もっとも行動力に溢れる『なんでもできる』を体現した生き物である、そんな答えを、本作からは色濃く感じることができると思います。特殊なコンタクトレンズを通して、男子たちの妄想少女が見えるようになった峰倉あすみと、そんな彼女を取り巻く個性豊かな妄想少女たち、そしてあすみの周りに集まる友人たちの爆裂リア中ラブコメは、非常に爽快なのです。

これまでいつでもクラスが一緒だった想い人と14年で初めて違うクラスになってしまったことから始まる今巻。想い人、高柳尚人に現れた妄想少女という不安に駆られていたあすみは、更なる不安に押し潰されてしまいそうになります。今まではあすみが妄想少女や友人たちのために奔走していたこの物語、今巻では少し異なり、みんながあすみのために奔走してくれることになります。とある友人の思いがけぬ行動により、あすみの心は大きく揺さぶられることになり……。あすみの想い人、高柳尚人もまた、自分の置かれた境遇に悩み苦しんであすみとすれ違ってしまいます。そして、あすみをずっと支え続けてきた妄想少女「リサ」。とある出来事から、最高の親友となった「河内利沙」。この2人もまた、そんなあすみを想い、行動し、涙します。あすみが初めて出会った妄想少女「リサ」の存在理由が明かされた時、そのあまりにも純粋で美しい「想うことのカタチ」は、読み手の胸を打つこと間違いありません。リア中たちが苦しくも想い悩み、そんな彼女たちを妄想少女と友人たちが助け合う、そんな少し不思議で元気になれるこの1冊、ぜひ読んでみてはいかがでしょう。

どちらかというと少女漫画のテイストに近い本作。ライトノベル読者層のど真ん中にヒットするジャンルとは少し方向性は違いますが、それでも読めばハマれるだけの面白さがあります。あすみと妄想少女たちの物語はひとまず終わりを迎えましたが、やのゆい先生の次の作品にもぜひぜひ期待したいですね!

【記事:らお】

URL:「とある僕等の小説目録(ライトノベル)」

(C)エンターブレイン やのゆい/みやびあきの

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