独占インタビュー「ラノベの素」 波口まにま先生『三国破譚 孔明になったけど仕えた劉備は美少女でゲスでニート志望だったの事』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2018年2月28日にファミ通文庫より『三国破譚 孔明になったけど仕えた劉備は美少女でゲスでニート志望だったの事』が発売となる波口まにま先生です。第19回えんため大賞にて「優秀賞」を同作で受賞されました。広く知られる「三国志」を物語の背景にしつつも、親しみやすい&インパクトのあるキャラクター達が魅力となっている本作について、お話をお聞きしました。

【あらすじ】

三国志好きの中原天人は、突然諸葛亮孔明に召喚され「余命少ない自分に代わって劉備に仕えてくれ」と頼み込まれる。願いを聞き入れた天人の元に現れる劉備、関羽、張飛!! 伝説の三英雄は、なんと全員美少女!? ここは女性が活躍する三国志世界だった!! しかも、聖人君子と思われた劉備は、曹操軍と戦う気がないどころか、ニート暮らしを夢見る、卑怯・外道・ゲス作戦上等のダメ人間で!? 孔明として群雄割拠の三国時代を駆け抜けろ!!

――第19回えんため大賞「優秀賞」の受賞、おめでとうございます。本日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

――それではまず、自己紹介をお願いします。

東京在住の波口まにまと申します。海や川や湖をぼーっと眺めるのが好きで、ペンネームにも波という文字を入れています。最近は少し忙しくて足を運べていないのですが、関東でのオススメスポットは神奈川県にある七里ヶ浜です。ライトノベルを読んでいる方だと由比ヶ浜の方が知られているかもしれませんね(笑)。

――ライトノベルのネタに触れてくるあたり、かなり読まれているんですか。

そうですね。最近読んだ作品の中では『我が驍勇にふるえよ天地』が面白かったです。早く続きが読みたいですね。

――ありがとうございます。苦手なものなどもあれば教えてください。

東京に住んでいてあれですけど、やっぱり人混みがあまり好きではないです。なので、あまり外に出ないです(笑)。新宿や渋谷は恐怖の対象ですし、東京に住んでいながら東京のメリットをあまり活かせてない人生を送ってます。人混みと言うとコミックマーケットも話題になりますが、何度か社会勉強として足を運んだきりです。自身のグッズ欲もあまりなくて、行く理由が見つからないというか……。

――人混みを苦手とする作家さんは多いですね(笑)。では続いて、第19回えんため大賞「優秀賞」受賞時の率直な感想をお聞かせください。

連絡をいただいた時は素直に嬉しかったです。確か部屋に引きこもっていた時に連絡をいただいたと記憶しています。ただ、その後に同期受賞者の作品のことを知って、すごく面白そうだなと感じて。自分が「優秀賞」で良かったのかなと、謎の罪悪感に苛まれたりもしました(笑)。でもやっぱり嬉しかったですね。

――波口先生が小説を書こうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。

月並みなきっかけだとは思うんですけど、中学校時代に図書館にラノベが置いてあって、『キノの旅』をはじめとした作品に触れて、自分でも書いてみたいなと。ありがちなきっかけですけど、王道なきっかけでもあったと思います(笑)。中でも特に大きな影響を与えてくれたのが『ゼロの使い魔』でした。こんなにも面白い作品があるのかと。衝撃でしたね。

――それでは「優秀賞」受賞作『三国破譚』について、どんな物語なのか教えてください。

史実の三国志と似た世界に放り込まれた三国志マニアの男子高校生の物語になります。登場するキャラクターのほとんどが女の子という世界であることが特徴です。その世界で孔明によって呼び出された主人公が、孔明になりかわって、ゲス可愛い劉備や高慢な関羽、腹ペコな張飛と共に戦国乱世を生き抜く物語です、とカンペに書いてきました(笑)。タイトルの『三国破譚』は応募時のままで、「破綻」という言葉と掛け合わせている点もあります。タイトルからも内容が想像しやすいかなと。

※孔明によって呼び出された主人公は彼女たちと共に乱世を生き抜……けるのか!?

――三国志をベースに物語を書こうと思ったきっかけを教えてください。

三国志は漫画やアニメ、ゲームで取り上げられることはとても多いと思うのですが、意外にライトノベルでは少なくて、であれば題材として扱って見たら面白いんじゃないかと考えたのがきっかけでした。その一方で、三国志という史実が物語のベースとなっているので、資料を読み込むのが大変でした。「三国志演義」は楽しく読めるんですが、正史の三国志は歴史書なので、目を通すのが本当に大変で。ただ、得た情報と書きたいことをなるべく乖離させないようにしながら、どうアレンジしていこうかと考えるのは、とても楽しかったです。

――では本作に登場する主要キャラクターについて少し教えてください。

まずヒロインの一人でもある劉備ですが、ゲスでニート志望で外道です(笑)。弱小勢力で傭兵のようなこともやっており、ある意味したたかな部分と言えなくもない……はずです。それでも劉備という人間が持つ器の大きさはしっかりと兼ね備えているのが特徴ですね。

※ゲスでニート志望な劉備ならではの魅力も…?

続いて関羽ですが、自分が天才だと思っていてプライドも高い、非常に高慢な性格の女傑です。でも義姉妹の絆はとても大切にしています。史実にもあるのですが、目上の人間には刃向う気質を持ち、部下をはじめとした下の者には優しいという性格ですね。

※自らを天才と豪語する関羽

張飛は腹ペコで天真爛漫でマスコット的なイメージ(笑)。こちらも史実にあるような、目上の者には従うけれど、部下に対してはハチャメチャな性格が元になっています。部下は大変ですね(笑)。

※マスコット枠だという張飛

――登場するキャラクターは本当に個性的だと思います。一方で早々に主人公とバトンタッチをする形で退場してしまう孔明の性格も気になるところです。

実のところ、孔明自身にはほとんど捻りを加えていません。忠義に厚く、頭もいい、超越的な力を行使できる三国志のスーパースター孔明さん。性格的にも本作で一番まとも(?)かもしれません。

――三国志の中で、孔明を主人公のポジションにしようと思った理由は何だったのでしょうか。

前提として、多くの読者が知っている人物に入れ替わるという点がありました。その中で、あくまで個人的にではありますが、一番有名なのは孔明なのかなと。たとえば呂布も有名なのですが、主人公がなりかわるには特別な武力がどうしても必要になると思うんです。主人公を高校生のありのままの姿で描いていくなら武力よりも知識だろうと。そういう理由から孔明にしました。

――そんな孔明と入れ替わることになった主人公はどんなキャラクターなのでしょう。

かなり読者に近しい人物だと思っています。三国志がとても大好きだっていうこと以外は、一般の高校生と大きく異なった感覚は持ってないはずです。せいぜいちょっとスケベなところがあるくらいでしょうか(笑)。小心者でもありますし、孔明とは似ても似つかない思春期の男の子って感じです。ただ、この物語では孔明ではない普通の高校生だからこそできることもあるんじゃないかと考えている点も多くて、周囲に英雄が立ち並ぶ中、普通の人間である主人公のような存在が、逆に大きな個性になるんじゃないかと考えています。主人公の活躍もぜひ読んでいただきたいですね。

※孔明の代わりとして劉備に仕える普通の高校生・中原天人

――本作は登場するキャラクターの性格も特徴的ですが、口調も特徴的なキャラクターが多い印象を受けています。意識されたことがあれば教えてください。

魏や呉はそれぞれ考え方も違えば口調も違うと考えていました。ひとつに、中国は非常に広大で北と南とでも方言が異なるという点は調べてありました。当時の呉は未開の地に近い部分もありながら、商人気質的な背景もありました。なので、かなり特徴的な口調を採用しています。一方で魏は王道でかしこまった口調のキャラクターが多いです。これは劉備がはっちゃけている分、対比的に曹操は堅めにしなくては、という思いも少しありました(笑)。

※曹操も中原天人に興味アリ!?

――性格も口調も特徴的なキャラクターが多い中で、波口先生のお気に入りのキャラクターやシーンがあれば教えてください。

やはりメインヒロインの劉備でしょうか。メインヒロインは好きじゃないと書けないという思いもありますので。小物感がすごく漂っている中にある包容力が魅力です。あとは癖のあるキャラクターも好きなので、そういう意味では呉の陣営に登場するキャラクターもお気に入りです。シーンについては劉備のゲスなシーン、そして本作のメインでもある赤壁の戦いのシーンは、そこへ至る経緯も含めて注目していただきたいです。

――ゲス可愛い劉備をはじめ、saraki先生によって描かれた魅力的なイラストにも注目ですよね。

そうですね。執筆当初は頭の中でなんとなくイメージしていたキャラクターたちでしたが、saraki先生から送られてきたイラストを見た瞬間、すべての脳内イメージが上書きされるくらい素晴らしいイラストに仕上げていただいています。自分はイラストのことはあまりわからないのですが、中華的な和服と言えばいいのか、登場人物たちの服装はかなり難しいイメージだったと思うんです。そこを凄く可愛く丁寧に描いていただけたことは本当に嬉しく思っています。イラストは本当に一見以上の価値があります!

※ゲス可愛い劉備に翻弄される!?

――今後の目標や野望があれば教えてください。

物語のベースは三国志を背景にしているので、物語が続くほど面白くなっていきます。なので、多くの読者にまずは手に取ってもらいたいというのが一番ですね。この作品をしばらく書き続けられるくらいには多くの方に読んでもらいたいです(笑)。

――それでは最後に本作に興味を持っている方へ一言お願いします。

当然ですが、自分にはまだファンと呼べる方々はいないので、作品を読んでもらってファンになったと言ってもらえるような作品を作っていきたいです。本作は三国志好きや異世界召喚で知識チートが好きな方、また純粋にキャラクターものとしても楽しんでもらえるよう執筆しました。ゲス可愛い劉備ちゃんをはじめ、ぜひ本作を多くの方に楽しんでいただければと思います。よろしくお願いします!

■ラノベニュースオンラインインタビュー特別企画「受賞作家から受賞作家へ」

インタビューの特別企画、受賞作家から受賞作家へとレーベルを跨いで聞いてみたい事を繋いでいく企画です。インタビュー時に質問をお預かりし、いつかの日に同じく新人賞を受賞された方が回答します。そしてまた新たな質問をお預かりし、その次へと繋げていきます。今回の質問と回答者は以下のお二人より。

第11回小学館ライトノベル大賞「ガガガ大賞」受賞作家・遍柳一先生

 ⇒ 第19回えんため大賞「優秀賞」受賞作家・波口まにま先生

【質問】

「応募原稿を読めば読むほど段々と面白いかどうかわからなくなってきませんか。どこでどうやって自分を納得させた上で送ろうと考えましたか」

【回答】

どこでどうやって、ですか……。自分でも何回か誤字の確認も含めて読みますが、結局最初に書いたものが一番面白いんじゃないかなって思うことが多いですね。勢いよく書けたものは、最初の勢いを殺さずに残した方が面白いと思うので、なるべく直さないで応募します。それで落ちて選評が戻ってきて、直しにとりかかるということはありますが、基本的には最初の勢いを大切にします。逆に苦慮した作品の場合は、一番表現したいことは何かと立ち返って、そこが表現されていれば応募しちゃう感じです。勢い大事だと思います! 原稿の完成が嬉しくてすぐ出しちゃいます!(笑)。

――本日はありがとうございました。

<了>

第19回えんため大賞「優秀賞」を受賞された波口まにま先生にお話をうかがいました。三国志を物語のテーマに据えて、インパクトのあるキャラクター達と共に戦国乱世に立ち向かう高校生のストーリーに注目です。ゲス可愛い劉備と、孔明になりかわった主人公が織り成す三国志ストーリー『三国破譚』は必読です!

『三国破譚』発売記念プレゼント企画!

波口まにま先生の直筆サイン入りサイン本を抽選で3名の方にプレゼントいたします。

応募方法はとても簡単。応募対象期間となる2018年2月27日(火)~3月2日(金)の期間中にTwitterで本インタビュー記事をツイート、またはリツイートするだけ。抽選で3名様に「ラノベニュースオンラインのツイッターアカウント(@lnnews)」よりDMにてご連絡させていただきます。応募を希望される方は、ラノベニュースオンラインのツイッターアカウントのフォローをお願いします。

※当選発表は当選連絡のDMにて代えさせて頂きます。

※当選者の方へはプレゼント郵送先の住所や氏名等の情報をお伺いいたします。

※プレゼントの発送は国内在住の方とさせていただきます。

※プレゼントの発送はファミ通文庫編集部様より実施するため、頂戴した情報はファミ通文庫編集部様へ共有させていただきます。

©波口まにま/KADOKAWA  エンターブレイン刊 イラスト:saraki

[関連サイト]

『三国破譚』特集サイト

ファミ通文庫公式サイト