「ラノベの素」 みんなで選ぶベストラノベ2011インパクト部門第一位 かじいたかし先生『僕の妹は漢字が読める』

「ラノベの素スペシャル」今回は 「みんなで選ぶベストラノベ2011」インパクト部門第一位『僕の妹は漢字が読める』の著者、かじいたかし先生です。

「みんなで選ぶベストラノベ2011」投票結果はこちら。

《作品解説》

『僕の妹は漢字が読める』

著/かじいたかし イラスト/皆村春樹

漢字が衰退し、萌えが文化の主流となった23世紀の日本。作家志望の主人公イモセ・ギンは、憧れの大作家であるオオダイラ・ガイに会うため、クロハとミルというふたりの可愛い妹と連れ立って、オオダイラのもとを訪れる。しかし、そこでギンや妹たちは謎の現象に巻き込まれてしまい――。第5回「ノベルジャパン大賞」(現HJ文庫大賞)銀賞受賞作。既刊1~3巻(20122月現在)

――本日はよろしくお願いします。かじい先生のプロフィールを教えていただけますか?

かじい:はじめまして。かじいたかしと申します。2011年、「第5回ノベルジャパン大賞」銀賞を受賞して、本作でライトノベル作家としてデビューしました。趣味はとんかつ食べ歩きです。

――この度は「僕の妹は漢字が読める」が「みんなで選ぶベストラノベ2011」インパクト部門第一位に選ばれました。おめでとうございます。

かじい:ありがとうございます! 本当に嬉しいです。何かで一位になるなんて、ちょっと記憶にないものですから。

――この「僕の妹は漢字が読める」は、『第5回ノベルジャパン大賞』銀賞受賞作ですが、受賞時の感想をお教えください。

かじい:もう、完全に一次選考で落ちるとばかり思っていたので、信じられなかったです。夢心地になって、「やったー!」と叫びながら、階段を駆け降りたり、駆けのぼったりしました。相当騒いでいたらしく、隣のおうちの方が僕の受賞を察知したほどでした。あのときは近所迷惑でした、すみません……。

――デビュー前のことについて教えてください。ライトノベル作家をめざしたきっかけとは?

かじい:子供の頃、貪るようにライトノベルを読んでいて、大きな影響を受けていました。いずれラノベ作家になってみたいと思っていたところ、かつて愛読していた『RPGマガジン』の出版社(ホビージャパン)がライトノベルのレーベルを持っていると知りまして……。思い切って応募したら、幸運にも賞をいただきました。

――作品投稿時のことについて教えてください。そもそも、この作品はどんなきっかけで思いついたのですか?

かじい:なんか、ぽろっと思いつきました()。お風呂上がりに、自分の部屋でぼんやりしていたら、突然、頭の中に設定が降ってきたんです。本当に自然発生的なものだったので、きっかけと言われると困ってしまいまして……強いていうなら直前に入っていたお風呂でしょうか?

――キャラクターについて教えてください。主人公・ギンは基本的にボケ役で、他のラノベの主人公とは異なる点も多いキャラクターですが、このキャラクターが生まれたきっかけ、キャラクターを描く上で気をつけているはどこですか?

かじい:ライトノベルの主人公はツッコミ役が多いため、あえてボケ役を主人公にすえて、その頭の中身をモノローグでつづったら面白いんじゃないかと考えた結果、あんなキャラになりました。実は、最初に思いついた段階でのギンは作家志望の高校生ではなく、『オオダイラ・ガイの担当編集者』という設定だったんですよ。いろいろ考えて今の設定になりました。描く上で気をつけているのは、ギン君の馬鹿っぽさ、天然っぽさを忘れないようにすることです。

――同じく、ヒロインのクロハ、ユズ、ミルについてもお教えください。

かじい:クロハはギンとの対比もあって、しっかりしたツッコミ系の妹という設定になりました。ユズはギンとダブルボケの掛け合いをさせたくて、天然気味の性格に。ミルは当初、無垢な幼女というコンセプトだったんですが、それだけだとどうにもキャラが弱かったため、口が悪いという設定を付け加えました。

――キャラクターのなかでも特に異彩を放つ人物、オオダイラ・ガイ先生についてお教えください。このキャラクターは、いったいどこから生まれたキャラクターなのでしょうか?

かじい:さきほど、作品を『ぽろっと』思いついたと答えましたが、そのとき一緒に湧いて出たキャラクターです。他のキャラはあれこれ考えてつくったキャラですが、オオダイラは自然発生したキャラです。

――ネットでも大きな話題を呼んだ、オオダイラ先生の文章(通称「オオダイラ文体」。HJ文庫の公式ページにある「“ちょこっと”立ち読み」でも読むことができます)ですが、このアイデアはどこから来たのですか?

かじい:古典を読むと、文章が現代の日本語とぜんぜん違うじゃないですか。だったら、未来の日本語も今とはかなり違うものになっているだろう、と考えました。未来の文章は、現代の人間が読んだらきっと眉をひそめるようなものになっているだろうと想像して出来たのが、アレです。

――ネットで大きな反響のあった作品ですが、反響を見た際にどんな感想を持ちましたか?

かじい:ネットは、ヘタに見すぎると精神を破壊される恐ろしい世界なので(笑)、あんまり見ないようにしています。ですが、反響があるのはとても喜ばしいことだと思います。

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