【第3回:ラノベの車窓から】勇者には勝てない

とあるライトノベル読みが読者としての視点・観点で、オススメをピックアップして紹介する
「ラノベの車窓から」も好評を博して第3回です!
……すいません、好評かどうかわからないので嘘を吐きました。でも好評になるよう頑張ります!

さて、第3回のオススメとして取り上げるライトノベルは「勇者には勝てない」です。本作はご存じの方も多いと思われますが、2012年第18回電撃小説大賞の「銀賞」受賞作品ですね。非常にユニークな設定で展開される三魔将と魔王、そして勇者の物語はまさに受賞も頷ける素晴らしい作品です。

勇者には勝てない

「勇者」そして「魔王」といった単語を含むタイトルは、ライトノベルにおいて多く用いられている「単語」の1つではないかと思います。それゆえに、これらの単語は「同じ」または「類似」とジャンル分けされてしまい、何か1冊類似のタイトルを読んでいる読者にとっては、手に取りづらい印象を受けてしまうかもしれません。ですが、本作はそんな印象を、平和な世界に生まれ変わった三魔将が自分たちの幸せな日常を守るべく盛大な思い違いと保身を第一にドタバタと走り回り、払拭してくれること間違いありません。

異なる世界において「巨人族の軍団長」、「悪魔族の大公爵」、「合成獣の親衛軍団長」だった魔王族の三魔将として恐れられていた3人が勇者に敗れ、平和な世界で生まれ変わり、すくすくと育って普通の高校生として暮らしている本作。

しかし、勇者の証である「光の波動」をまとう女の子が転校してきたことにより、彼らの日常は非日常へと変化していくのです……! 過去の記憶、そして申し訳程度の力しか持たない3人は、勇者が自分たちを始末するために追いかけてきたという盛大な思い違いのもと、罪のなすり付け合いから土下座まで、ありとあらゆる方法で勇者から許しを乞おうと奔走します。しかしそんな彼らの努力も虚しく、3人を翻弄する問題は魔王の存在、そして勇者の仲間Aの存在と次々に肥大して行き……。そんな彼らの涙ぐましい日常防衛コメディは是非とも手にとってほしい1作ですね。

「日常の世界→ファンタジーの世界」を描く作品は多々あれど、「ファンタジーの世界→日常の世界」にまったくの別人として落としこまれている作品は珍しい気がしますよね。読まれた人はきっとこの3人の魔将が好きになるに違いありません(笑) 個人的には2巻を希望する本作。いずれにしても、今回本作でデビューされました来田志郎先生には、今後とも楽しい作品を世に送り出していただきたいです。

【記事:らお】

URL:「とある僕等の小説目録(ライトノベル)」

(C)アスキー・メディアワークス 来田志郎/refeia

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