【日刊試読タイム】『星空の下、君の声だけを抱きしめる』(講談社ラノベ文庫)

夜中に窓を開けたままでも眠れる時期になりましたね。

さて、今回は講談社ラノベ文庫が2018年6月1日に発売する『星空の下、君の声だけを抱きしめる』。まずはジャケットとあらすじをチェックしてみましょう。

【あらすじ】

小説が書けない文芸部員・シュウ。ある日、彼のスマホに、詠名という少女から謎のメッセージが届く。きっと悪戯だろう――はじめはそう流していたシュウ。しかし、[もうダメだ。死のう]送られてきたそんな言葉に、死ぬな――と思わず反応してしまったことから、メッセージを介しての、シュウと詠名の交流が始まった。互いの趣味である小説の話などを通じて、親しくなっていく二人。だが、いざ二人が実際に会おうとしたとき、衝撃の事実が判明する。詠名が生きているのは――現代ではなく、なんと五年前だったのだ! 五年ぶんの夜にさえぎられた、時を超えた二人の恋愛の行方は……!?

著者は高橋びすい先生。イラストは美和野らぐ先生。高橋びすい先生はプロジェクト・アマテラスにて開催された「ワルプルギス賞らいと2013」にて受賞し、デビューされた作家です。本作はSNSのメッセージから始まる2018年に生きる少年と、2013年に生きる少女の時を隔てた恋愛ストーリーのようですね。試し読みでは約70ページが公開されています。口絵が3枚確認できるほか、挿絵も2枚確認できるので、早速チェックチェック!

⇒ 試し読みはこちら

2013年と2018年に生きる二人が交錯する恋愛ストーリー!

主人公は文芸部に所属する高校生二年生、八木シュウ。三年が引退し新入生が入部してこない文芸部は廃部の危機を迎えており、シュウは生徒会長直々に部室の明け渡しを通告されてしまいます。毎年四月に発刊していた「新入生歓迎号」も発行できず、自身が小説の書き手ではないシュウにとって絶体絶命だったのです。そんな部室の明け渡しを通告される前日。SNSアプリを通じて送られてきていた謎の迷惑メッセージ。送り主である「詠名」との出会いが廃部の危機を救う一手になるともつゆ知らず。

はじめは詐欺まがいの迷惑メッセージだと思っていたシュウは、「詠名」から送られてきた「もうダメだ。死のう」の一文につい返信をしてしまいます。関わってしまったのであれば、いっそ詐欺の手口を暴いてやろう。そんな思いで始めたメッセージのやり取りで、シュウは「詠名」が本好きであること以外、生きる理由を見失っていることを知ることになります。最終的に騙されることも覚悟しながら、妙案を思い浮かべます。生きる理由を作ってあげること、そして廃部の危機を免れるために必要なこと。シュウは「詠名」に小説を書いてみることを勧めるのです。

一晩で書き上げたという短編小説は期待以上の出来で、添削にも思わず力が入るシュウ。原稿のファイル更新日が2013年で5年前ということに違和感を覚えつつも、シュウの中に「詠名」と会ってみたいという感情が生まれてくるのです。どこの誰かも分からないし危険があるかもしれない、それでも……と。「詠名」のおかげもあり、新歓用の冊子を製作した文芸部は、辛うじて部室を守ることができたのです。「詠名」にも作った冊子を送りたい。そんな申し出に「詠名」は直接渡してもらいたい、と願い出るのです。

試し読みでは二人が待ち合わせ場所に集まるところまでが公開されています。その日、待ち合わせの場所を訪れた二人。同じ場所にいるはずなのに、それらしき人物を見つけられない二人。やはり何かの詐欺だったのか。疑ったシュウは、「詠名」に突拍子もなくとある問いかけを投げかけるのです。「いまの西暦は何年か」と。メッセージも電話も可能な二人が決定的に異なる「時間」で描かれる恋愛ストーリーに注目ですね。

気になった方はぜひ試し読みをチェック! さらに物語の続きが気になった方は発売日に書店へGOです!

【日刊試読タイム】とは

試し読みが公開されている発売間近の作品を試し読みを通して紹介します。

©高橋びすい/講談社 イラスト:美和野らぐ

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