独占インタビュー「ラノベの素」 スフレ先生『ダンジョン・スクールデスゲーム』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2019年3月5日にレジェンドノベルスより『ダンジョン・スクールデスゲーム』第2巻が発売されたスフレ先生です。突如、異世界のダンジョン攻略に命がけで挑むことになった5つのクラスの運命と苛烈な抗争を描く本シリーズ。レベルやスキルのもたらす恩恵、クラス内に蠢くカースト。生き残りをかけた決死の行動の最中には、内に外にと様々なトラブルも続発します。目の離せない作品の裏側やその内容、そして発売された第2巻の見どころについてお聞きしました。

【あらすじ】

2組から三枝勇希を引き抜いたのは宮真大翔にとって大きかった。彼女のマッピングスキルなしでのダンジョン攻略は難しいからだ。だが三枝は大翔と同じクラスになって喜ぶ半面、時折表情に暗い影を落とす。そんな折、大翔に特別なオリジナルスキルを与えた謎の少女「F」が現れた。Fのもたらした新たなメッセージに大翔は大きな衝撃を受ける。繋者(リンカー)とはなにか。そしてダンジョン100階層の創造者の存在――。一部の仲間と事態を共有し、深く推測する時間がほしい大翔だったが、担任からは非情にも「3階層の攻略」の命が下る。ダンジョンの攻略だけでも生きるか死ぬかの難題なのに、非情と暴力の塊のような男・羅刹 修と彼に心酔する狂気の少女・柊 友愛の魔手が大翔たちに及ぶ。果たして彼らは無事に生き残ることができるのか――。苛烈なダンジョン攻略クラス間抗争を描く“傑作”、待望のシリーズ第2巻! そして……コミカライズ企画が進行中!

――それでは自己紹介からお願いします。

どうも、自称天才作家のスフレです(笑)。書籍のプロフィールにも書いているのですが、もともとはアニメ業界の出身でして、現在はフリーのシナリオライターとして活動しながら、作家活動を行っています。昨今はWEB小説でデビューをして、ゲームなどのシナリオにも関わる方が増えていると思うのですが、僕の場合はゲームのシナリオライターを経験して、WEB小説にも興味を持ち、作家としてデビューすることになりました。

――アニメ業界でお仕事をされていた経験もあるのですね。具体的にはどんなお仕事をされていたのですか。

いわゆる制作進行をやっていました。僕自身はもともと脚本家になりたくてアニメ業界に入ったんです。とは言ってもいきなり脚本を任せられるなんてことはなくて、脚本を担当するためには制作進行として、全体の行程を勉強しながらステップアップしてほしいというお話を当時の上司からは言われていました。あちこちでお話も聞きましたが、余程実績のある方でない限り、いきなり脚本家というのも難しい実情もありました。なので、シナリオの勉強はもともとしていて、その技術を活かして現在のゲームシナリオ会社に入社したという経緯もあります。

――目指されていたのは脚本家だったのですね。目指すきっかけはあったのでしょうか。

身近にそういったお仕事をされている方がいまして、それで憧れていたところがありました。ゲームやアニメ、ラノベに小説と、サブカルも大好きだったので、環境も含めて必然的にエンターテインメントの世界に入ったとも言えますね(笑)。

――なるほど。好きなものや苦手なものがあれば教えてください。

好きなものはお酒とお菓子作りですね。Twitterでも自著と絡めながら作ったお菓子の画像をアップしていたりもします(笑)。甘いものが好きなんですけど、買いに行くことが面倒だと感じることも多くて、それなら材料だけ買い揃えておいて空いた時間で作ってしまおうと(笑)。苦手なものは、食べられないわけではないんですけど、辛いものですね。本当に甘いものが好きで、ぶっちゃけご飯もあんまり食べないんですよ。日々お菓子を食べながら仕事をしているイメージです。

――食生活を含めて、健康には気を付けてくださいね(笑)。それではあらためて『ダンジョン・スクールデスゲーム』はどんな物語なのか教えてください。

物語としては、異世界のダンジョン攻略に5つのクラスが生還を賭け100階層を目指していく物語になります。コンセプトは作品タイトルと第1巻の帯に詰まっていて、異世界でのデスゲーム・バトルロイヤル、クラス間の生存競争を描いた作品です。1組から5組の勝ち抜け戦のようなテイストもあるので、バトルロイヤルを謳っています。キャラクターはもちろんですが、一番は物語に力を入れていて、人間は極限状態の中でも変わることができるんだという、心の成長を描きたいという思いもありました。第1巻ではデスゲームらしさがないと読者の方にも突っ込まれてしまったのですが、そこは第2巻を読んでいただければと思います。第1巻ではキャラクターや世界観について描写していた部分も多かったので、物語の導入というか、チュートリアルに近いところもありましたので。

――本作は『無限のリヴァイアス』や『ようこそ実力至上主義の教室へ』などの作品を彷彿とさせられました。ダンジョンものでデスゲームもの、さらにスクールカーストも描かれる本作。ゲーム的な要素も散りばめられていて、着想についても教えていただきたいです。

題材としてはひらめきというか、思いつきの部分がほとんどなんですよね。『無限のリヴァイアス』については僕自身も好きでしたし、担当編集の方からも指摘されていました。なので、どこかで影響を受けているのかもしれないです。僕としては『漂流教室』のような作品を書きたいという思いはありました。『ようこそ実力至上主義の教室へ』は衣笠彰梧先生の作品でしたよね。ゲームの『暁の護衛』は大好きだったんですよ。残念ながら『ようこそ実力至上主義の教室へ』は読めていないのですが、何か縁のようなものを感じてしまいます(笑)。ゲーム的な要素というご指摘については、僕個人としてはゲームと思ってない部分もあるんです。物語として必要な要素を考えた時に、結果としてゲームを彷彿とさせるような設定になった感じでしょうか。下手に複雑化させず、それでも面白さを感じてもらえるように趣向を凝らした結果でもありますね。

――作中では多様なスキルの存在、魔法の存在も描かれていて、データとしてのバックボーンの厚みも感じました。

仰る通り、スキルをはじめとした作品の設定は相当考えているつもりです。僕自身ゲームのシナリオプランナーでもあるので、そういったデータを考えることは苦ではありません。一例としては、スキルと魔法とで5000くらいのデータをスキルツリーとして管理していますし、キャラクターの設定も5クラス40人ずつ、計200人の設定も考えてあります。このデータについては担当編集の方さえ混乱させてしまう可能性があるので、担当編集に見せたりもしていません(笑)。作品作りへのこだわりというか、考えたシステムからはみ出したことをしないというルールを作品作りではこだわっているので。これはゲームの業界にいることが影響しているのかもしれませんが。

――ゲームで言うと、システムからはみ出すことはある種ゲームバランスの崩壊にも繋がりかねないですからね。

本当にそうだと思っていて、何事もバランスが大事だと思っています。作中の戦闘もそうですし、ちょっと特殊な位置にあるオリジナルスキルもそうですね。主人公のオリジナルスキル「一匹狼(ロンリーウルフ)」もバランスブレイカーにならないよう考えて設定されています。

――そんな緻密な設定と物語、そして繰り広げられるデスゲームの中で生きる主要キャラクターについて教えてください。

主人公の宮真大翔は、元いじめられっ子です。小さな頃にヒーローに出会って、自分自身も変わろうとしたけれど、結果的にヒーローのようにはなれなかった。そんなちょっとした鬱屈性を持つ少年でもあります。熱血漢タイプというわけではなく、いろいろと考えすぎるくらい、必要以上に疑り深い性格をしています。過去にいじめられていたことから、安易に他人を信用せず、人間嫌いとも言える状態ですね。僕自身がこれまで描いてきた主人公の中でもかなり珍しいタイプの主人公になっていると思います。彼は1組の所属です。

※オリジナルスキルを有する主人公・宮真大翔

九重勇希は優等生タイプの女の子……なのですが、強すぎる正義感が玉に瑕です。ダンジョン攻略というわけのわからない状況に追い込まれていながらも、自らが考える正義を無理やりにでも貫こうとする。狂気的とも言える正義感が、ちょっとした軋轢を生んだりと、精神的に安定しているとは少々言いづらいかもしれないキャラクターでもあります。このキャラクターも1組の所属です。

※1組では求心力を持つ優等生・九重勇希

三枝勇希は2組の所属で、根っからのいじめられっ子気質の女の子です。それでも心の中では変わりたいと願い続けていて、主人公との出会いが大きな契機となります。何かに特化しているわけではなく、精神面でも普通の女の子なので、逆に作品の中では浮いてしまう存在とも言えるかもしれません。「マッピング」というスキルを持っており、第1巻では2組から1組に引き抜かれ、1組と2組との間に大きな軋轢を生むことにも繋がっていきます。

※2組から1組に引き抜かれた三枝勇希

あとは、読者からの支持が厚いキャラクターとして、野島の人気は高いです(笑)。普通の学校にいたらヤンキーで暴力的で短気で嫌な奴なんですけど、1組の中ではまともな思考回路を持っている方だと思います。ちょっとした火種をまき散らしている存在でもありますが。

――さて、本作はコミカライズ企画が発表されているほかにも、スフレ先生が舵取りをしながらゲーム化を進めているそうですね。ぜひ語れる範囲で詳細を教えてください。

ゲームの企画はいくつか進行していて、ひとつはアドベンチャー型のゲームです。制作の枠組みとしては個人製作ではあるのですが、ご存知の方も多い有名な声優さんを起用したり、ゲームのクオリティもプロの方のお力を借りながら動いているので、十分に期待していただきたいです。最初はそれこそパッケージで制作しようと思っていたんですが、残念ながら最近はほとんど売れないらしくて……。なので、ダウンロード販売になると思います。制作費はそれなりにかかっているのですが、ぶっちゃけこの作者バカなんじゃないか、と思われるくらい安価で提供したいとも考えています。こんなバカなクリエイターがここにいるぞ、と(笑)。海外翻訳なども検討しながら、多くの方に楽しんでいただけたらと思っています。これとは別に「RPGツクール」でもゲームを製作しようと考えています。

※アドベンチャー形式のゲームを製作中!(本画面はサンプル)

――アドベンチャー型ゲームのイベントスチールをこのたび解禁いただけるそうですね。

はい。作中に登場するぬいぐるみ姿の担任のイベントCGは本邦初公開です(笑)。ゲームでは書籍版とキャラクターデザインが違っていたりする部分もあって、見どころは非常に多いと思っています。各媒体で一番見合う形で展開ができたらいいですよね。

※ゲームイベントCGで描かれる担任のぬいぐるみ

※作中では狂気的とも言える正義感で突き動く九重勇希のこの表情は何を意味するのか

――制作中のゲームはアドベンチャー形式とのことですが、物語自体はどんな内容になるのでしょうか。

ゲームは発売される書籍をベースにしながら分割して作ろうと考えています。現在制作中のものは、原作小説第1巻の内容がベースとなっています。もちろん作中には選択肢などもあって、書籍とは異なるIFのストーリーも展開されます。書籍未読の方も書籍の読者も楽しめる内容となり、こういったIFストーリーを見せることができるのはアドベンチャーゲームならではの面白さだと思っています。今後は第2巻をベースしたものと、順繰りに制作していきたいです。第1弾ゲームの提供スケジュールについては年内を目指して頑張っています。

※キャラクターデザインの製作も進行中(上:三枝勇希/下:九重勇希)

――ゲーム化も非常に楽しみです。そしてデスゲームが本格化する書籍第2巻も発売されました。内容や見どころについて教えてください。

第1巻を読まれてデスゲームっぽさがないと言われてしまったことは少々ショックだったので、第2巻は多いにその点に期待をして読んでいただきたいです。期待を裏切らない本当のデスゲームが幕を開けます。第1巻のラストで1組は2組から三枝勇希を引き抜きました。この動きに対いて、2組は二人の人物を中心に大きく動き出すことになります。彼らの存在にはぜひ注目していただきたいですし、そういった動きに対して1組はどう立ち向かうのか、宮真大翔もどう動くのか、見ていただきたいです。そして引き抜かれた三枝勇希の変わりたいと願う思いは、どう現実と結実していくことになるのか注目していただきたいですね。オリジナルスキルの隠された秘密、クラス内で巻き起こる疑心暗鬼、そして足の引っ張り合い。見どころは多いです。

――今後の目標や野望があれば教えてください。

『ダンジョン・スクールデスゲーム』をシリーズ累計1億部売ることでしょうか(笑)。コミカライズ企画も進んでいて、ゲーム化も進んでいますし、それ以外にも様々な展開を行っていきたいです。アニメ化やソーシャルゲーム化だって視野に入れていきたい。エンターテインメントとして展開していく上で、否定的なことは何ひとつありません。面白ければ何でもやっていきたいですし、著者プロモーションもいろいろ仕掛けていきますので、こちらも期待していただきたいですね。

――それでは最後にファンの方へ向けて一言お願いします。

傑作ですのでぜひ読んでいただきたいです! インタビューの中でお話にも挙がりました『無限のリヴァイアス』や『漂流教室』などの作品が好きな方、そして『ようこそ実力至上主義の教室へ』を面白く読んでいる方にも楽しんでいただけそうということなので、ぜひそういった作品が好きな方にも手に取っていただければと思います。きっと楽しめると思います。若い方でも大人な方でも読んで面白い作品だという自負がありますので、ぜひよろしくお願いします。

――本日はありがとうございました。

<了>

死と隣り合わせの異世界でダンジョン攻略、そしてデスゲームに巻き込まれていく少年少女の運命を描くスフレ先生にお話をうかがいました。第2巻では本格化する「デスゲーム」、そしてクラスの内と外で続発するトラブルによって疑心暗鬼が蠢くことになります。果たして少年少女たちはこの生存競争で生き残ることができるのか、『ダンジョン・スクールデスゲーム』第2巻も必読です!

©スフレ/講談社 イラスト:米山舞

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