『斎藤義龍に生まれ変わったので、織田信長に国譲りして長生きするのを目指します!』が発売 美濃国から始まる天下泰平ヒストリー

宝島社単行本『斎藤義龍に生まれ変わったので、織田信長に国譲りして長生きするのを目指します!』が、2020年6月16日に発売された。本作は第6回ネット小説大賞受賞作で、美濃のマムシこと斎藤道三の息子、斎藤義龍に生まれ変わった主人公が、長生きをするために奔走する歴史改変ストーリーを描いた作品だ。本作は2020年大河ドラマ『麒麟がくる』とも舞台を同じくしており、ドラマ視聴者にも馴染み深い歴史上の人物たちが登場する。物語は織田信長がこの世に生を受けるほんの少しばかり前、床に臥せっていた5歳の義龍が目を覚ますところから始まる。

 

 

斎藤義龍に生まれ変わったので、織田信長に国譲りして長生きするのを目指します!

 

 

【あらすじ】

過労死した時任光助(37 歳・医師)は、戦国時代の武将、斎藤義龍として生まれ変わった。美濃の戦国武将「マムシ」こと斎藤道三の息子にして、織田信長初期のライバルとして知られる人物だが、史実では 33 歳で早世している。せっかく転生したのに、また早死にするなんて耐えられない。光助=義龍は、悠々自適な長生き生活を目指して信長に国を譲ることを目標に定め、行動を開始するが――。

 

 

医療に従事した前世は、過労によって三十七歳という短い人生で幕を閉じた主人公。かくして次に目を覚ますと、そこは戦国の世であり、美濃のマムシこと斎藤道三の息子・斎藤義龍に生まれ変わっていた。5歳の少年に転生した主人公が思ったこと、それは「長生きする」ことだった。前世も若くして命を落とし、今生における斎藤義龍もまた、史実では病をきっかけに三十代前半でこの世を去る運命が決定づけられている。主人公は幸せに長生きするため、5歳ながらも前世の知識をフル稼働させ、まずは自らの生活環境を整えようと奔走することになる。

 

 

【斎藤道三の息子として生まれ変わる】

斎藤義龍に生まれ変わったので挿絵01斎藤義龍に生まれ変わったので挿絵02

 

 

生まれ変わった義龍は「明からの渡来の知識」を言い訳にしながら、長生きをするという目標を叶えるため、少しずつ医療の技術や日用品の充実を図っていく。その一方で自らの父や叔父からは「目覚めてより人が変わった」と陰ながら疑念を向けられることになる。義龍の知識や技術が利を生むことは明白であり、彼らもまた生まれ変わった義龍を、自分たちの害にならない限りは生かして利用すると判ずるのだった。疑念を向けられていることを薄々と感じながらも、主人公は蝶姫(後の帰蝶)の誕生を喜び、幼少の明智光秀と邂逅するなど、歴史の針は少しずつ前進し続けるのだった。

 

 

【美濃国の詳細な歴史を紐解きながら楽しめる本作】

斎藤義龍に生まれ変わったので口絵

 

 

本作は美濃国の細かな歴史を描き続けている点も大きな特徴のひとつ。小さな歴史が少しずつ積み上がることで、大きな歴史のうねりを作り上げていく姿が描かれていく。また、本作には大河ドラマ『麒麟がくる』だけではなく、タイムスリップ歴史医療ドラマ『JIN-仁-』の側面も垣間見える。戦国の乱世で人の命が吹けば飛ぶような時代、現代の医療従事者としての価値観を持つがゆえに生まれる、命への葛藤もまた本作の見どころと言っていい。織田信長に国を譲るという大きな目標に向けて、小さな一歩から歩み始める歴史改変ストーリーをぜひ手に取ってみてもらいたい。

 

 

©巽未頼/宝島社 イラスト:マキムラシュンスケ

kiji

[関連サイト]

宝島社(このライトノベルがすごい!文庫)公式サイト

 

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