【日刊試読タイム】『剣と魔法と裁判所』(電撃文庫)

桜がようやく満開になったかと思いきや、週末の雨で散るようです。

さて、今回は電撃文庫が2017年4月8日に発売する『剣と魔法と裁判所』。まずはジャケットとあらすじをチェックしてみましょう。

【あらすじ】

「それでも僕はやってない!」 法廷に響く悲痛な声。満員ダンジョン内の痴漢疑惑で捕まった冒険者の裁判だ。武器をSM道具と偽った脱税疑惑や、腕利き冒険者によるパワハラなど、ガイナース王国裁判所で扱われる訴訟は様々だ。ダンジョンを出れば、剣士も賢者もただの人。王国を統べるのは法律――つまり、剣と魔法の世界で最強のジョブは弁護士なのだ。そんな国で無敗と名高いキールは、脅迫・捏造なんでも有りの悪徳弁護士。ある日、彼の噂を聞きつけ、恩師を救いたいという心優しい魔法使いの少女アイリが現れ――?

著者は蘇之一行先生。イラストはゆーげん先生。蘇之一行先生は第21回電撃小説大賞「銀賞」を『マンガの神様』にて受賞し、デビューされた作家です。本作は法が支配するファンタジー世界を舞台にした、腕利きで悪徳な弁護士の物語のようですね。試し読みでは約30ページが公開されています。挿絵も1枚確認できるので、早速チェックチェック!

⇒ 試し読みはこちら

被告人は獣人愛好者で、人間種に痴漢することはあり得ないのです。

主人公は「若き無敗の弁護士」という肩書を持つ、キール=カーディナル。「法」が絶対の力を持つガイナース王国で、人気職である冒険者たちが日夜巻き起こすトラブルや揉め事の弁護を引き受けているのです。多くの冒険者がダンジョン攻略を目指してモンスターと戦う中、キールは弁護士として法廷で戦い、勝利し続けていました。弱きを助け、悪を倒す。そんな理想論は欠片も持たずに。

キールは今日も法廷でとある「痴漢冤罪」事件を担当します。それは満員ダンジョン内での痴漢行為で、現行犯逮捕された新卒冒険者の若者の弁護。いつか英雄と呼ばれるような冒険者になってやる、そんな輝かしい未来を夢見て赴いた初めてのダンジョンで、痴漢として捕まってしまったのです。無実という主張はどんなに叫んでも届かず、保釈されてからも周囲の冷ややかな目にさらされ続け、追い詰められていくことになります。

ゆえにキールは自分を雇った容疑者に問うのです。「――勝ちたいですか?」と。その問いかけはあらゆる手段を用いて、依頼人の願う真実を法廷で創り出すことを意味します。ここでは剣と魔法で勝利できなくとも、法律と言葉を武器にして勝利できるのだと。真実は暴くものではなく、創り出すもの。これまで多くの無罪を勝ち取り続けてきた弁護士は、たとえ人の道から外れようとも周到な準備をもって、依頼人の願う真実を創り出し、法廷で勝利するのです。

試し読みでは、裁判で勝利した主人公のやり方に助手が苦言を呈すところまでが公開されています。裁判で大切なことは、どうやって依頼人を勝たせ報酬を手に入れるかであり、真実や正義や悪には一切主人公は興味がないのです。悪徳の域に片足以上を突っ込んだ弁護士と、正義に憧れる助手の物語に注目ですね。

気になった方はぜひ試し読みをチェック! さらに物語の続きが気になった方は発売日に書店へGOです!

【日刊試読タイム】とは

試し読みが公開されている発売間近の作品を試し読みを通して紹介します。

©蘇之一行/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 イラスト:ゆーげん

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