【特集】『転生したらスライムだった件』3作品同時発売記念インタビュー【第5弾:座談会風テイスト】
2017年12月8日に『転生したらスライムだった件』原作小説最新11巻とコミックス第6巻(通常版・特装版)、そしてスピンオフコミックス第2巻が発売となった。3作品同時での発売は今年の4月以来となる。そして今回も同時発売を記念して「転スラ」特集も第5弾として解禁。再び全員に集合してもらい座談会を、と企画を進めていた矢先に緊急事態(!?)が。各々スケジュールに余裕が一切存在していないことが明らかに。ということで、急きょ座談会風テイストのインタビューへと切り替え、発売となる各最新刊の見どころや次回開催の座談会に向けた希望などをお聞きしているのでチェックしてもらいたい。
・伏瀬(インタビュー内は伏)
GCノベルズより『転生したらスライムだった件』を11巻まで刊行中。
・みっつばー(インタビュー内はみ)
GCノベルズ刊『転生したらスライムだった件』のイラストを担当。
・川上泰樹(インタビュー内は川)
月刊少年シリウスにて『転生したらスライムだった件』コミカライズを連載中。
・岡霧硝(インタビュー内は岡)
コミックライドにてスピンオフ『転生したらスライムだった件 魔物の国の歩き方』を連載中。
今回はみなさま欠席につき、座談会風のインタビューをお楽しみください。
――それではまず、発売となった小説第11巻について教えてください。
伏:今回は戦闘回! 戦闘に次ぐ戦闘と、戦ってばかりの巻――という感じです。そこに加えて真なる勇者も登場と、見所が盛沢山! 是非とも楽しんで欲しいです。
み:リムル、ルミナス、グランベル…いろんな勢力、思惑が集束していきそこではじける。結末に待っているのは光か闇か…という感じで個人的な印象としましては疾走感のある群像劇、クライムムービーのような内容に感じました。ここにクロエの過去が描かれている事で、イラストの観点から僕としてはめりはりの効いた「黒」と「白」。そういうイメージを軸にとにかく表情にフォーカスしたキャラ主体での作画が多い巻になっていると思います。
――第11巻の見どころや大変だった点について教えてください。
伏:この巻は、WEB連載時に一番分かり難いと言われていた内容部分です。執筆中、設定をどうしようかと非常に悩みました。WEB版では朝から昼にかけて考えて、夕方から夜にかけて書き上げた箇所。その一話を書き直すのに、三日も費やしたほどです。自分でもちょっと理解し難いかなと思っていたので、書籍版では修正必須と感じていた部分でした。難しい部分を取り除き、説明を追加し、かなりスッキリしたと自負しております。
み:イラストの見どころとしましては、先にあげたようにまずは表情でしょうか。挿絵として状況を伝える構図ではなくキャラの心情が最初に飛び込んでくるような絵を心がけましたので、そこを見ていただければなと。特に注目の箇所としましては、グランベルの変化でしょうか。挿絵として二枚描かせていただきましたが、一枚目が「黒」、二枚目が「白」として描いております。イラストレーターとして、その白の状態をなぜ白として描いたかみたいなところを楽しんでいただけたらなと思います。大変だったところは、ずばりカラーですね、今までの作風から大幅に変わったわけではありませんが単純に手数が倍になるような塗り方にシフトしております。そういう意味で表紙、口絵ともにカラーも今巻の見どころになっていただけると幸いです。
――では続いてコミックス第6巻の内容についてお聞かせください。
川:コミックスではジュラの森の盟主になってしまったリムルが、魔王を始め、世界中から注目を集め始めます。強敵達の来訪に対し、リムルはどう対処していくのか・・・。原作3巻の前半なので、実はストーリーの大きな動きはありません。代わりに、人気キャラの魔王ミリムがテンペストを引っかき回してくれます。
伏:ミリム登場! 町も形になってきて、ドワーフ王ガゼルとも友誼を結び、テンペストが周知されていく。そんなワクワクした場面に、波乱と騒動を巻き起こす魔王ミリムの来襲。コミカライズならではの躍動感もあり、とても楽しめるものとなっております!
――コミックス第6巻の見どころや大変だった点について教えてください。
川:見どころはやはりミリムでしょうか。とにかく動いてくれるキャラクターなので描いていてとても楽しいです。大変だったのは魔王4人の会談シーンです。それぞれ思惑があって面白いところなんですが、4人のうち3人が初登場のキャラクターなんです。もちろん、この先の展開のためにも必要なシーンなんですけど、ここに尺を使いすぎると特にシリウスで読んで下さっている方にとって今月はリムルの出番が少なく、知らない人達の話だったという印象になってしまうんですよね。知らない人たちのまじめな話に興味をもってもらうのは難しいので、できるだけ短く簡潔にまとめようとしたのですが、厄介なことに彼らは結構重要なこと喋ってるんです。短くまとめるために後回しにしてしまった情報もあるので後々拾うのにまた苦労しそうです(笑)。
※川上先生が大変だったと語る魔王たちの会談シーン
――お待たせしました。それでは続いてスピンオフ第2巻の内容についてお聞かせください。
岡:観光地区、鍛冶地区などの魔国連邦<テンペスト>でのお話から新たなキーアイテム、そして子供たちの小さな冒険のお話までとなっております。
伏:魔物の国の新住人となったフラメア。今度はどんなトラブルに巻き込まれるのか!? リムル達からすれば何気ない日常も、常識人(?)の彼女の目を通してみれば、違った見方も出来そうですね!
――スピンオフ第2巻の見どころや大変だった点について教えてください。
岡:まずは冒頭のお風呂回でしょうか!……とは言ってもあまり過激にならないよう、露天風呂の気持ちよさ、交流……魔物も人間も温泉好きだな! みたいな感覚で見て頂けましたらと思います。登場人物の方では、聖騎士団<クルセイダーズ>の数人、そして何と言ってもヒナタですね……! ヒナタはとても好きなキャラなので、今後もヒナタの日常を描いてみたいと思っております。スピンオフの2巻後半は子供達がメインなのですが、本編でも登場が増えておりますので、そこと併せて読んでいただければと思います……! 大変だったところは、骸骨などの表情であったり……でしょうか。表現したことのないものが多いのでその全てを勉強しつつ描かせていただいております。今後ももっと魔国連邦のことが伝えることができるよう、フラメアと同じ広報担当としてリムル様の下で描かせていただければと!(笑)
※スピンオフにも登場するヒナタ
――次回こそは座談会やりますよ! 話したいことなどがあれば参考にさせていただきます。
伏:ここで話したネタ商品がオマケになりがちなので、そろそろ真面目な商品について話し合いたいですね(笑)。
み:前回の座談会でも少し話題になったんですが、僕と川上先生と岡霧先生のリムルの雰囲気の差。こういうポイントをリムルだけでなくいろんなキャラで見比べてみたいなと思っております。その差みたいなものがそれぞれのキャラに対するイメージだったり絵描きとしての手癖だったり絵柄の拘りだったりなので、いろいろお話してみたいです。かしこまって何か参考にさせていただくという感じではなく、できればお酒をのみながら本当にただただ転スラキャラの作画について語りあうというのが希望ではあります(笑)。
川:みっつばー先生と岡霧先生に特定のキャラを描く時だけのこだわりなんかがあればそれをお聞きしたいです。「こいつは笑う時でも眉間にしわを入れる」みたいな。更にそれに対する伏瀬先生の反応もお聞きしてみたいです。納得してくださるか、えっそうだったの? となるかはわかりませんが、どちらでも美味しいかと思います(笑)。
岡:伏瀬先生はもとより、みっつばー先生、川上先生に誰のお話が見てみたいかなど聞いてみたいです……! 単純に好きなキャラクタートークや大好きだった場面、ここのこのセリフ好きだった―!みたいな転スラ・フリークトークみたいなものをもっとしてみたいですね。……もしかすると伏瀬先生にはいづらい場かもしれないですが(笑)。座談会にふさわしいかはちょっとわからないのですがみっつばー先生にはデザインベース、大事にしている空気感などは、作家としてもっと詳しく聞いてみたく思います。そしてそれを踏襲し、少しでもスピンオフの画面にも生かせることができましたら、と思います。
――最新刊が発売したばかりですが、次巻の見どころについてもぜひ教えてください。
伏:このコメントの時点で、大体は書き上がっているんですよね。見どころとか言っちゃうと怒られそうなので、黙秘します!
み:内容についてはこの質問にお答えしている現在では僕自身はほとんど把握していない状況にありますので、登場が確定しているキャラクターデザインの中で見どころのキャラを一人。「ゼギオン」というキャラですね。何度もあーでもないこーでもないと練った結果、FIXのデザインはとても満足いく格好いい仕上がりになっております。まだどうなるか分かりませんが、次巻でゼギオンがカラーで登場する機会があるのならば、そのカラーリングも見どころになるかと思います。そこも含めて、WEB版からゼギオンを楽しみにしていただいている方にも納得していただけるようなキャラデザができたかなと。
川:引き続きミリムが引っかき回すライトな前半、そして魔王達の思惑が蠢き出すハードな後半。この落差にご期待下さい。
岡:次巻は闘技場を用いた大会がメインです。今までなかなか挿絵としても出てこなかった某キャラクターが、登場してまいります。シオンのお約束の展開であったり、人が、リムルが形作る人魔融合の文化に触れることであったり。巻の最後に少し出ておりますのでよろしければお楽しみにお待ちいただければ幸いです……!
――最後にファンのみなさんへ一言お願いします。
伏:皆に楽しんでもらいたいと思って書き始めた『転生したらスライムだった件』が、今では大きな広がりを見せる作品へと成長しました。それはひとえに、支えて下さるファンの方々がいるからこそであると、そう感じております。物語は、常に佳境。そう思いつつ、頑張って参りました。巻を重ねるごとに、これで大丈夫だろうかという不安――プレッシャーもあります。ですが、ファンからの面白いという声援が励みとなり、ここまで執筆を続ける事が出来ました。これからも大きく飛躍し、もっと大勢の人に楽しんでもらえるよう、もっと頑張りたいと思います。その為にも、最後までお付き合いくださいますよう、よろしくお願いします!
み:いつも転生したらスライムだった件を楽しんでいただいており感謝しております。SNSなどでファンアートを拝見するたび、その瞬間の感激こそが何よりも作品作りの原動力になっていると実感しております。これからもより多く、長く愛されるようなキャラクターデザインを生み出していくよう頑張りますので引き続き「転スラ」をよろしくお願いいたします。
川:いつも応援いただきありがとうございます。漫画の方でも国が出来て、いろんなところが国家ぐるみで関わってくるようになってきました。まだまだたくさんの魅力的なキャラも出てくるので楽しみに待っていてくださると嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いします。
岡:伏瀬先生、みっつばー先生の本編、川上先生のコミカライズを読んでいただき、さらに「転スラ分」が足りないぞー! 補給したい! と思った時のサプリメントのように見ていただけたらなと思います。今後共々、どうぞ「魔物の国の歩き方」もよろしくお願いいたします!
<了>
約8ヶ月ぶりとなる3作品同時刊行を記念して伏瀬先生、みっつばー先生、川上泰樹先生、岡霧硝先生のシリーズ関係者の皆さんに、座談会風にお話をおうかがいしました。『転生したらスライムだった件』原作小説最新11巻、コミックス第6巻(通常版・特装版)、スピンオフ『転生したらスライムだった件 魔物の国の歩き方』第2巻は、2017年12月8日発売。シリーズ累計300万部を突破し、ますます広がるリムルやその仲間達の物語から目が離せません。次回の座談会も乞うご期待!
©伏瀬/マイクロマガジン社 イラスト:みっつばー
©伏瀬・川上泰樹/講談社
©伏瀬・岡霧硝/マイクロマガジン社
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