【日刊試読タイム】『真面目系クズくんと、真面目にクズやってるクズちゃん #クズ活』(講談社ラノベ文庫)

昔、干した洗濯物の中に蜂が紛れ込んでいたことがありました。

さて、今回は講談社ラノベ文庫が2017年9月29日に発売する『真面目系クズくんと、真面目にクズやってるクズちゃん #クズ活』。まずはジャケットとあらすじをチェックしてみましょう。

【あらすじ】

『真面目系クズ』――真面目そうに見えながら、実態は怠惰で浅ましく、取るに足らない存在。八卜悠楽を表現する一番ふさわしい言葉。クラスで下に見られも必要以上に注目もされない、そんな立ち位置に満足していたが、ある行為――クラスメイトに貰った手作りクッキーをウサギの餌にしているところ――を黒内人花に見られてしまう! 性格の悪さは折り紙付きの黒内に呼び出され――「……なにさせる気だよ」「クズ活」「なんだそれ」「クズになるための活動、の略だね」「……なんでそんなことを?」「育成してみたかったんだ、クズを。私の手で、どこに出しても恥ずかしくないクズを」前代未聞、クズを目指す活動――クズ活、スタート!

著者は持崎湯葉先生。イラストはいたち先生。持崎湯葉先生についてはこちらの日刊試読タイムの記事で紹介しているので参考までに。本作は真面目系クズの主人公が、クズを自認するクラスメイトに見初められ、クズになるための活動、「クズ活」に巻き込まれていく物語のようですね。試し読みでは約65ページが公開されています。口絵が4枚確認できるほか、挿絵も2枚確認できるので、早速チェックチェック!

⇒ 試し読みはこちら

自分の人間性に自信はありますか?

主人公は周囲に真面目アピールをするも、中身は取るに足らないクズ、いわゆる「真面目系クズ」の八卜悠楽。ノートの板書をしっかりやっているのにテストの点は振るわず、ただ誰にも嫌われないよう振る舞っているだけなのに良い人認定されてしまう。クラスの中間管理職的な立ち位置にいる八卜は、ある日クラスの女子からクッキーを貰います。厚意は嬉しくも、他人の手作りは食べたくない。悩んだ末、八卜はクッキーをウサギの餌にしてしまうのです。そんな八卜の行動を一人の女子が目撃することになります。クズの評価を欲しいままにし、凶悪なまでに口が達者なクラスメイト。クラスにいることでムードを悪くしている存在とも揶揄される黒内人花、その人に。

目撃されてしまった八卜は、黒内に呼び出されます。そして黒内によって乗っ取られた弁論部の部室で暴かれていく八卜のクズの精神。裏アカウントとして管理していた「真面目系クズBOT」の主であることも見抜かれてしまうのです。そんなクズの極致にいる黒内から持ちかけられた「クズ活」。それはクズになるための活動であり、黒内は自分の手でどこに出しても恥ずかしくないクズを育成してみたかったと打ち明けるのです。よく言えばクズの新人教育、悪く言えばクズ育成の被験者に八卜は選ばれてしまうのです。

クラスでのポジションを守るため、八卜は黒内と共にクズ活をスタートさせます。クラスメイト全員の嫌いなところをリストアップしたり、視界に映るクズそうな人間を見繕ってバトルする「クズ召喚デュエル」を繰り広げたり、微妙に性悪なことを繰り返すのです。クズ街道をひた走る黒内、それに追随させられる八卜。そんな二人のクラスに存在する聖人君子こと白庭雅雪。「クズ活」を中心に描かれる人間模様に注目が集まりそうな作品です。

試し読みでは、真っ黒な人間こと黒内と、真っ白な人間こと白庭の双方と接する八卜の心境が描かれるところまでが公開されています。ただ、考えることそのものが面倒くさいという判断に至るあたり、主人公の真面目系クズな素性が垣間見えるシーンでもありますね。クズを育て、そのクズがまたクズを育て、やがては世界中のすべての人間をクズにしたいという途方もない目的を持つ黒内によって、真面目系クズが気高きクズへと育て上げられていく「クズ活」から始まる物語に注目ですね。

気になった方はぜひ試し読みをチェック! さらに物語の続きが気になった方は発売日に書店へGOです!

【日刊試読タイム】とは

試し読みが公開されている発売間近の作品を試し読みを通して紹介します。

©持崎湯葉/講談社 イラスト:いたち

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