娯楽文化の滅んだ地球で目指すはアニメ制作!? 人類滅亡SFコメディ『神と呼ばれたオタク』コミックス第1巻が発売
「くらげバンチ」で連載されている『神と呼ばれたオタク』のコミックス第1巻が10月8日に発売された。本作は小説も発売されている『女騎士、経理になる。』のRootport氏が原作のSFコメディ。遥かな未来、国立航空宇宙専修学校に所属する重度のオタク男子が、卒業試験後の劇場アニメを楽しみにコールドスリープについたところ、約7,000年後となる人類滅亡後の世界で目覚めることになってしまう。オタク男子・ススムと宇宙船「ナグルファル」が不時着した地球では、数多の狩猟採集民族が縄張り争いを繰り広げる、文明発展以前の世界が広がっていた。娯楽文化の一切は風化し、ススムが楽しみにしていた劇場アニメも当然見ることはできない。落胆するススムはかつてのアキハバラで現人類とコンタクトを果たし、“今”を知ることになる。これはひとりのオタク男子がアニメをもう一度取り戻すために、人類文明の再興に挑む壮大な文明復興コメディと言える。
三度の飯よりも女児向けアニメ「プリケア」が好きなススムは、卒業試験よりもアニメを優先しかねない重度のお調子者でもある。そんな彼が直面した地球文明の崩壊。深刻な事態を目の前にしているはずなのだが、ススムのオタク脳によって、どこか緊張感に欠けている様子は本作の特徴のひとつと言える。相棒のミネルヴァとの掛け合いなど、端々に散りばめられたオタクとしての生き様も見どころだ。一方で、人類の滅亡によって劇場アニメを見られないことにショックを受けるススムは、現人類と接触するも敵視されてしまう。八方塞がりの中で娯楽文化を発展させるべく、ススムは21世紀レベルまで人類を経済発展させるという、とんでもないミッションへと挑んでいくことに。物語はコメディ調で進んでいくのだが、人類の文明発展を引き出すための引き金を自らが引かねばならない非情の決断を迫られるなど、シリアスなシーンにも見どころは多く、人類文明がいかに発展してきたかという視点からも、本作は面白く読むことができる。
また、コミックス第1巻の発売を記念して、約7,000年後の地球に不時着する第1話「帰還。」を記事内で無料公開している。ひとりのオタク男子が夢と現実の狭間で葛藤しながら「神」へと至る(!?)未来の地球の物語をぜひ読んでもらいたい。
【第1話「帰還。」】
漫画『神と呼ばれたオタク』は「くらげバンチ」にて連載中。
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