【このライトノベルが売れて欲しい!】第19回『マージナル・オペレーション』
30歳のルーキー、戦場に立つ!
ということで始まりました。続きが読みたい!メディアミックス展開して欲しい!単純に沢山の人に手に取ってもらいたい!という願望を織りまぜてオススメラノベを紹介する『このライトノベルが売れて欲しい!』第19回でございます。
今回ご紹介するのは
『マージナル・オペレーション』!!
著:芝村裕吏
イラスト:しずまよしのり
~あらすじ~
30歳のニート、アラタが選んだ新しい仕事、それは民間軍事会社──つまり、傭兵だった。住み慣れたTOKYOを遠く離れた中央アジアの地で、秘められていた軍事的才能を開花させていくアラタ。しかし、点数稼ぎを優先させた判断で、ひとつの村を滅ぼしてしまう。
モニターの向こう側で生身の人間が血を流す本物の戦場で、傷を乗り越えたアラタが下した決断とは──?
『ガンパレード・マーチ』の芝村裕吏が贈る、新たな戦いの叙事詩が、今はじまる!
●ニート主人公が就職したのは傭兵家業!? 主人公の仕事とは?
本作『マージナル・オペレーション』のスタートは、主人公である『アラタ』がニートに舞い戻るところから始まる。かつてニートであったアラタはなんとか就職をし、会社に務めていた。しかし、彼が務めていた会社が唐突に倒産し、無職のニートに舞い戻ってしまう。
30歳にもニート生活に戻るのもそれはそれで辛い、と考えたアラタが、新しい働き先として目に止まったのが『外資系民間軍事会社』だった!!
しかし、常に消極的な選択肢をし続けてきたアラタがこの職場を選んだ理由は、年収が600万になること、肉体労働ではないこと、PCの知識が必要で35歳が上限であったこと、という残念な理由だった!!
適正検査をクリアしてしまったアラタは、さらなる訓練を受けるために単身、ウズベキスタンの地へと飛ぶ!!
スーツ姿でウズベキスタンに降り立つ30歳!!
彼を待つ世界とは……?
アラタの最初の仕事は『青いボタン』を押すこと。
パソコン画面を見て、射程圏内に対象が入ってきたら青いボタンを押す。もし対象が攻撃してはいけないものなら減点となる。そういった様々な条件に対して『高い得点』を目指していくゲームのような仕事だった。
それは、ほぼシュミュレーション型の『コンピューターゲーム』と変わりないものだ。それこそが『OO』――オペレーターのオペレーターという役割だった。
なれない環境ながらも、アラタはこの『OO』の訓練を続けていく。
だが、これはゲームなどではない。
青いボタンを押せば、実際にその指示が戦闘中の部隊に伝わり、実際に人が銃を撃つ。
しかし、人を殺す実感が一切ない。これは戦争の実感を消していく訓練でもあったのだ。
そして、訓練を受けていくうちにアラタは才能を発揮していくことになる。OOとして、冷静で的確な判断を下し、より高い点数を叩きだしていく。
「これはあくまで訓練であり、実際に人が死んでいるわけではない」と考えながら――
●取り返しのつかない間違い、そこからのリスタート!!
訓練を終え、実際に『OO』として仕事を続けるアラタ。アラタは軍事的才能を開花させ、優秀な実績を残していく。
しかし、アラタは人間として大きな間違いをしてしまったことに気付く。
それは点数稼ぎを優先させ、ひとつの村を滅ぼしてしまうというものだった。
この事実に気がついてしまったアラタはこの過ちとどう向き合っていくのだろうか?
本作が本当にスタートするのは、ここからだ!!
本作では、アラタが実際に戦争をしている人間と出会い、その考えと境遇を知る部分も描かれていく。
コンピューター越しではない、実際に戦争をしている『人間』と向き合う部分が本作の魅力の1つであろう!! アラタが出会う人間と絆を深めていく部分もあり、友情モノとしても楽しめる作品だ!!
アラタがとある村で出会う少年兵(少女兵)。
彼女はアラタの指示によって救われていた。
自分が持つ才能で一体何ができるのか。自分が今までしてきた過ちをどうやって贖罪していくのか。そういった面も巧みに描かれているため、主人公の成長ストーリーとして、とても楽しめる作品になっているぞ!!
ただのニートであった主人公が、戦争という非日常の中で、一体どのような選択をしていくのかを是非読んで確認してもらいたい!!
本文事態は客観的な文章で綴られているけれども、決して冷めた物語ではない!!
本作はとても熱い『主人公の決意』の物語だ!!
ということで、第19回【このライトノベルが売れて欲しい!】は以上になります。
ガンパレード・オーケストラ等で有名な芝村先生が描く、戦争と成長ストーリー!!
展開的には重い部分もありますが、短編チックにストーリーが展開するのでスラスラと読めますよ!! もちろん、内容はしっかりと詰まっているのでご安心を。
2巻の発売も決まっているようで、早く読みたいですねぇ!!
それではまた、私情入り混じるカオスな記事でお会いしましょう!!
【記事:ゆきとも】