LINEノベル「第1回ショートストーリーコンテスト」の結果発表 ライトノベル部門・文芸部門で対象作品が選出

小説プラットフォーム「LINEノベル」で開催されていた「第1回ショートストーリーコンテスト」の結果発表が行われた。本コンテストは”スマホ読書“に適した、約2~3分で読める2万文字以内のショートストーリーを募集するというもので、第1回目は“「恋愛」×「秘密」にまつわる物語”をテーマに応募総数512作品の中から、ライトノベル部門・文芸部門でそれぞれ大賞作品が決定した。

■第1回ショートストーリーコンテスト《大賞作品》

ライトノベル部門:『御手洗さんには逆らえない』/著者:鍋さん

【あらすじ】

高校に入学したばかりの春埼慎二は、自らの過ちによって生み出したとある秘密を、クラスメイトの御手洗響子に握られてしまう。 秘密をバラされたくない慎二は、響子の命令に逆らうことの出来ない学園生活を送るはめになるのだが……?ドS美少女と主人公が織りなす、ラブコメディ。

【審査員からのコメント】

ドS美少女と、冴えない男子主人公が織り成す、学園ラブコメディ。本作の素晴らしさは、なんといってもダントツの没入感です。冒頭から小気味よいテンポで、その小説世界へグイグイと引き込まれました。いかにも、何か良からぬ事件が起こりそうな幕開けは、戦慄の状況描写と、主人公の差し迫った心情吐露が絡み合い、読者は瞬時にこの作品世界の住人となってしまいます。独特のハイテンションが生み出すその吸引力、すなわち没入感は、今回のコンテスト随一、見事な異彩を放っていました。登場人物のキャラ立ち、コミカルなやり取り……すべてがまるでコミックを読むときのように、何の迷いもなく脳内にシーン(絵)として浮かび、怒涛の高揚感を与えてくれました。やや既視感のある設定が気になるところではありますが、ショートストーリーながら、物語としての強烈な存在感、醍醐味満載の「スマホ・エンタテインメント」だと思います!

文芸部門:『ブルーブラックのきせき』/著者:あかつき草子

【あらすじ】

大学生の裕希は、リサイクルショップで、ある万年筆を買いたくなる。すると、すんでのところで、知り合いの男に買われてしまう。誰に渡すつもりなのか、気になっていっしょに行くことにする。万年筆がかく、軌跡……そして奇跡。万年筆だけが知る、繊細な心模様を描いた、ヒューマンストーリー。

【審査員からのコメント】

ある日、リサイクルショップで見つけた「万年筆」をめぐる人々の過去・現在・未来…。独自の世界観をしっかりと担保した、しなやかで素敵な物語でした。一見、静かで地味な作品かと思いきや、読み進めるごとに、何気ない日常の中で交錯する「人の想い」「密やかな恋心」に触れ、知らず知らずのうちに等身大の熱い共感に包まれています。たおやかな筆致、卓越した表現力も、物語に膨らみを持たせています。ラストのまとめの弱さ、物足りなさは、正直なところ課題として残りますが、人が誰かを想うときの切なさや幸福感がしみじみと伝わってくる、愛おしくもヒューマンな作品。スマホでたった数分で読み切れる短編であるにもかかわらず、読後は1本の映画を見たような感慨深さがあり、長編をも凌駕する世界観の醸成が感じられました。この作家の今後に、期待とともに注視していきたいです。

⇒ 第1回ショートストーリーコンテストの結果はこちら

また、このたび大賞を受賞した『御手洗さんには逆らえない』や『ブルーブラックのきせき』を含む「第1回ショートストーリーコンテスト」の応募作品はすべて「LINEノベル」アプリに公開されている。あわせて「第2回ショートストーリーコンテスト」の開催も予定しており、次回の応募テーマは「どんでん返し」となっている。詳細は3月上旬に発表予定となる。

[関連サイト]

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