『平安・陰陽うた恋ひ小町 言霊の陰陽師』が発売 世界三大美女・小野小町の新しい顔を描く平安後宮ロマン

宝島社文庫刊『平安・陰陽うた恋ひ小町 言霊の陰陽師』が、2020年8月6日に発売された。本作は絶世の美女として誉れも高く、平安の時代を代表する歌人・小野小町が、「言霊の陰陽師」として後宮を霊能で守り、怪異や難事を解決していく平安ロマンを描いた物語だ。内裏の奥にある後宮は、帝を支える女たちの戦場であり、当然ながら陰陽師や密教僧の手も届かない聖域である。かくして、その後宮には一人の女房であり、恋多き美しき歌人であり、現世(この世)と常世(あの世)の間に立つ小野小町の姿があった。表向きは恋の悩みを聞いてくれる“言霊の歌姫”として。その裏では後宮の霊的な調和をもたらす“言霊の陰陽師”として。物語は二年前に朝廷を揺るがした政変「承和の変」と密接に絡み合いながら動き出していくことになる。

 

 

平安・陰陽うた恋ひ小町 言霊の陰陽師

 

 

【あらすじ】

当代きっての天才歌人・小野小町には、誰にも明かせぬ、秘密があって――。今上帝の女御の歌会でひときわ称賛を集める女房がいた。彼女は、袖にした貴族の悪夢、恋煩いの相手探しなど、後宮の女達の相談役であり、恋歌の名手・小野小町。しかし、ひと筋縄ではいかない恋物語の裏には、あやかしどもが巣喰っていて――。「後宮に変異あらば、身命を賭して守るべし」という祖父・小野篁の遺言を胸に、「陰陽師」としてあやかしを追い詰めていく――。朝廷を揺るがした承和の変の謀反から二年。いまだ権力争いの残り火に翻弄される後宮で、言霊をあやつる異才の陰陽師が、難事も怪異も解き明かす。

 

 

小野小町といえば、クレオパトラ7世や楊貴妃と並ぶ世界三大美女の一人としても有名である。絶世の美女であり、恋歌の名手でもある小野小町だが、本作ではさらにもうひとつの「顔」を用いて描かれることになる。小野小町の祖父である小野篁は、閻魔大王の裁判補佐をしているという逸話を持つ陰陽師として知られ、小野小町もその血筋を継いでいるのである。また、法力を練り上げ呪と式神を駆使し魔を祓う陰陽師とは違い、彼女は法力を込めた言霊と歌で、怪異や難事に立ち向かっていく。歌人としての彼女の在り方は陰陽の世界にも通じており、怪異を退治をするという苛烈さよりも、言霊に宿る“美しさ”や“優しさ”を持って闇を解き放つ、彼女ならではの陰陽道も大きな見どころと言えるだろう。

 

本作では彼女のもとに様々な恋の悩みが持ち込まれることになるのだが、そのひとつひとつを解決していくたびに、二年前に起こった政変「承和の変」へと繋がっていく大きなミステリーの要素もある。また、物語には小野小町の身の回りの世話をしている女童・犬君、こちらも平安の歌人としては有名な若き在原業平らが、彼女と共に難事へと挑んでいく。「承和の変」の真相を巡るだけではなく、知らぬ者などいない美貌を持ちながら、誰のものにもならない小野小町自身の過去も紐解く平安ロマン。様々に登場する「歌」に込められた想いを読み解きながら、平安を舞台にした女陰陽師・小野小町の物語をぜひ読んでもらいたい。

 

 

©遠藤遼/宝島社

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平安・陰陽うた恋ひ小町 言霊の陰陽師 (宝島社文庫)

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