描き下ろしに貴重なサイン、キャラ性能がゲームにも!? 貴方もヴァイスシュヴァルツ「富士見ファンタジア文庫 Vol.2」が欲しくなる!
様々なIPが参戦しているカードゲーム「ヴァイスシュヴァルツ」は、このたび人気のライトノベル作品を複数合わせて収録した「富士見ファンタジア文庫 Vol.2」を発売した。富士見ファンタジア文庫と言えば、『スレイヤーズ』や『フルメタル・パニック!』をはじめとした往年の名作はもちろん、『転生王女と天才令嬢の魔法革命』や『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』などの話題作を輩出し続けているライトノベルレーベルである。富士見ファンタジア文庫は、2019年のレーベル30周年でヴァイスシュヴァルツに参戦以来、5年ぶりの商品となる。昨年にはレーベル35周年を迎え、第2弾でも魅力的なラインナップが揃った。普段カードゲームを遊ばないという方もいるだろうが、原作ファンだからこそ手元に置いておきたいと思えるカードが多いという点は、ぜひ注目してほしいところ。コレクション性も抜群ゆえに、その魅力をお伝えしたい。
■懐かしの作品から王道の作品、さらに注目作と豪華32タイトルを収録
2019年に発売された商品第1弾と比較をすると、この第2弾では約2倍に迫る32タイトルが収録されている。シリーズとしても35周年を控える『スレイヤーズ』や、本編20年後を描く続編の始動でも大きな話題を呼んでいる『フルメタル・パニック!』といった往年の名作はもちろん、多くのファンに惜しまれてシリーズを完結した『冴えない彼女の育てかた』や『デート・ア・ライブ』、さらに近年アニメ化も行われた『スパイ教室』や『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』などの話題作まで、幅広い年代の作品がラインナップされている。各カードでは作品のジャケットイラストや口絵イラストも多く採用され、作品の雰囲気をそのままに、見ても遊んでも楽しめる。
【収録作品】
『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』/『【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。』/『じつは義妹でした。 ~最近できた義理の弟の距離感がやたら近いわけ~』/『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』/『グランクレスト戦記』/『ゲーマーズ!』/『スパイ教室』/『スレイヤーズ』/『デート・ア・ライブ』/『デート・ア・ライブ フラグメント デート・ア・バレット』/『ハイスクールD×D』/『フルメタル・パニック!』/『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』/『伝説の勇者の伝説』/『公女殿下の家庭教師』/『冴えない彼女の育てかた』/『史上最強の大魔王、村人Aに転生する』/『堕天の狗神 -SLASHDOG- ハイスクールD×D Universe』/『対魔導学園35試験小隊』/『新米錬金術師の店舗経営』/『東京レイヴンズ』/『甘城ブリリアントパーク』/『生徒会の一存』/『異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する』/『神さまのいない日曜日』/『経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。』/『織田信奈の野望 全国版』/『転生王女と天才令嬢の魔法革命』/『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』/『鋼殻のレギオス』/『魔王2099』/『Only Sense Online ―オンリーセンス・オンライン―』
■キャラクターとカードの効果には原作をイメージした面白さがある
原作視点から本商品を見た時に感じるのは、個々のキャラクターが持つ特性と、カードゲームとしての効果を連結させ、「キャラクターをきちんとイメージさせようとしているのでは」と思わせられる趣向を凝らしている点だ。わかりやすい例をいくつか挙げてみようと思う。
合戦やバトルという要素と縁深くもある『織田信奈の野望 全国版』に登場する幼女軍師・竹中半兵衛は、軍師の名の通り自プレイヤーのキャラクターを強化することができ、かつ山札から特定のカードを手札に引き寄せるなど、戦略面に影響する能力を持っている。後方から味方を支援し、軍略の幅を広げるという面においても、軍師という要素をしっかりと再現していると言えそうだ。
また、戦いというフィールドにおいては、なかなか似つかわしくないラブコメ作品『【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。』に登場する綿苗結花の能力も、ちょっと変わっていて面白い。ヴァイスシュヴァルツにはレベルという要素が存在し、レベルが高ければ高いほどカードとしての能力値も高く、強くなる。綿苗結花というキャラクターは、地味なクラスメイト、声優、可愛い許嫁という3つの顔を持つヒロインであるわけだが、本カードでは「地味さ」を自身のレベルダウンという能力に紐づけ、地味で目立たないという要素を演出しているように感じる。一方で、フィールドに出ているレベル0以下のキャラクターにあわせて強化される能力も持ち、声優である姿や可愛い姿を「強さ」に置き換え、再現を試みようとしている点も非常に興味深い。
そして『スパイ教室』に登場するエルナのカードも特徴的だ。エルナと言えば、不幸体質の持ち主であり、たびたび事故や災害に見舞われながらも、その不幸さを持って状況を打破するシーンは多い。とはいえ、たびたび仲間をも巻き込む体質であることから、本カードでは自フィールドに他のキャラクターが1枚以下であれば、自身がめちゃくちゃ強化されるという能力を持つ。能力の解釈としては逆説的な考え方であり、エルナの不幸体質に巻き込む味方が少なければ少ないほど、本領を発揮できるという、原作ともリンクした能力を持っている。
ほかにも、個々のキャラクターが持つ背景と、カードゲームにおける能力を嚙み合わせたカードは多いように感じる。原作を知っている人間が見れば、「なるほど!」と感じてしまうし、そういったカードを探してみるのも楽しみのひとつ。制作陣の想像を超える作り込みも、見どころのひとつと言って差し支えないだろう。
■ゲームの終盤とストーリーのクライマックスを掛け合わせた展開
ヴァイスシュヴァルツの詳しい遊び方については、「ヴァイスシュヴァルツ公式サイト」を確認してもらいたいわけだが、ヴァイスシュヴァルツのゲーム性と、物語の演出という面における類似性にも触れておきたい。本ゲームは対戦の中盤から終盤にかけて、展開できるカードの強さや、発揮できる能力は自ずと高くなっていく。物語で言うなれば、「起承転結」の「転」や「結」における展開の加速度が非常に高く、相手を畳みかけたり、一発逆転を狙うことができるシステムになっている。そこで注目すべきが「クライマックスカード」の存在と、「クライマックスコンボ」である。1ターン限定で自陣の盤面を全体的に強化できる「クライマックスカード」、そして特定の「クライマックスカード」と連動し、キャラクターがとんでもない能力を発揮できる「クライマックスコンボ」は、物語の終盤と同じような、手に汗握る展開を生み出す要素に繋がっている。
■絶対欲しくなる箔押しサインカード……えげつないコレクション要素が詰まっている
さて、ここまでゲーム要素にも触れつつ紹介をしてきたわけだが、原作ファンとしての見どころ、推しどころは「コレクション」という面になるのかもしれない。まず、膨大な箔押しサインカードである。出演キャストの箔押しサインが22種、著者とイラストレーターの箔押しサインがそれぞれ15種ずつ、計52枚と豪勢にも程がある。
箔押しサインカードは、並べるだけでも非常に壮観で、コンプリートを目指したくなるのがファンというもの。そして注目すべきは、著者やイラストレーターの箔押しサインカードだ。昨今はサイン本やサイングッズが、容易に手に入らなくなってきている著者やイラストレーターも少なくない。そういった原作陣の箔押しサインカードは、ある意味で貴重なのだ。また、カードのデザインや装飾も非常に美麗であり、手に取るとカードそのものの頑強さも魅力。サイン本やサイングッズの管理は、どうしても傷みを気にしてしまうし、サインをずっと眺めることにも適しているとは言いづらい。そういった背景もあるからこそ、管理や保管も難しくなく、貴重なサインを永遠に眺めていられるカードは、コレクションアイテムとして優れていると言えそうだ。
そして特筆すべきは、この5枚の描き下ろしイラストカード。箔押しサインも相まって稀少性も非常に高いと言える。なお、描き下ろしイラストカードは、箔押しサインカード以外のバージョンでも収録されているので、入手のハードルはそこまで高くない……はず!
そしてもうひとつ、原作好きにとって魅力的なカードがある。制作陣営からは「そこ!?」と思われるかもしれないが、ブースターBOXの購入特典として、ランダムで1枚封入される「先行後攻カード」である。このカードの意外な作り込みは必見で、カードそのものの加工はもちろん、ひとつひとつのカードが作品の表紙デザインを再現しており、原作ファンのみならず、ラノベファンの収集意欲を大いにかき立ててくれる。サインカードなどと比べると、収集のハードルもそこまで高くないはずなので、ぜひ集めたいところだ。
■ゲームを遊ぶならトライアルデッキがオススメ。レーベルVSレーベルの実現も!?
ここまで紹介してきた中で、カードゲームとして遊んでみたいという方がいれば、「トライアルデッキ 富士見ファンタジア文庫 Vol.2」をオススメしたい。まずはルールを覚えるという意味でも、これひとつですぐに遊ぶことができるトライアルデッキは有用と言えるはずだ。また、ヴァイスシュヴァルツはライトノベルレーベル「電撃文庫」も参戦しており、デッキさえあれば「富士見ファンタジア文庫」VS「電撃文庫」といった、レーベルの垣根を超えた戦いも実現できる。今後も異なるレーベルが参戦すれば、遊びの幅もさらに広がることだろう。
トレーディングカードゲームは、いまや遊ぶものだけではなく、コレクションするものという考え方も広く浸透してきている。ライトノベル作品を複数合わせて収録した「富士見ファンタジア文庫 Vol.2」を、この機会にぜひ手に取ってみてもらいたい。
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