【レポート】アース・スターノベル10周年夏祭り『戦国小町苦労譚』スペシャルステージ
2025年7月19日（土）にベルサール秋葉原にて開催された「アース・スターノベル10周年夏祭り」より、『戦国小町苦労譚』スペシャルステージの模様をお届けする。イベント内では、著者・夾竹桃氏のリモート出演やフルボイス・ヴィジュアルノベルアプリ化の発表、登壇したキャスト4名によるスペシャル朗読劇で大きな盛り上がりを見せた。
「アース・スターノベル10周年夏祭り」最初のスペシャルステージとして、司会の森遥香さんの呼びかけのもと、著者・夾竹桃氏の音声によるリモート出演から始まった。「読者の前で話す機会は少ない」と、緊張する夾竹桃氏に対し、森さんが作品にまつわる様々な質問を投げかけた。夾竹桃氏は、執筆で大切にしていることとして、実在の人物が不当な扱いを受けないように魅力的に描くことへのこだわりを挙げ、「敵側のキャラクターの散り際を印象深く描くことで物語に深みを加えている」と打ち明ける。また、思い入れのあるキャラクターのお話では信長をチョイスし、多くの作品に登場する歴史的人物だからこそ、「他に負けないような魅力的な信長にしようと心掛けている」と思いを込めて答えた。
プライベートの話題について聞かれると、寺社巡りや博物館巡りで歴史を感じ、思いを馳せることを趣味として挙げた。最後に読者に向けて、歴史、農業、科学など多角的な視点で作品を楽しんでほしいと伝え、「何か一つでも作中の分野に興味を持ってもらえると嬉しい」と締めくくった。
さらにサプライズとして、フルボイス・ヴィジュアルノベルアプリの情報が解禁され、アプリタイトルは『戦国小町苦労譚 語絵巻 -カタリエマキ-』となることが決定した。あわせてメインキャスト4名が発表となり、綾小路静子役の新島瑠菜さん、織田信長役の沖野晃司さん、濃姫役の礒部花凜さん、前田慶次役の髙木俊さんが、スペシャルゲストとしてステージに登壇。女性陣は「夏祭り」というイベントテーマにぴったりの浴衣姿で登場した。新島さんは本作が声優デビューとのことで、「イベントは初めて」と緊張した様子だった。
自己紹介の後、作品を読んだ印象に話題は移る。新島さんは「歴史が苦手だったが、タイムスリップ設定やストーリーの面白さに引き込まれた」と述べ、沖野さんは「細やかな描写により戦国時代の情景が鮮明に浮かび、物語に没入できた」と力強く語った。礒部さんは「史実を基にした新鮮な視点が魅力的で、現代と戦国時代のギャップに興味を持った」と明るくコメント。髙木さんは、「タイムスリップもののセオリーから外れ、未来を変えていく大胆な展開に驚きとワクワクを感じた」と目を輝かせていた。
演じたキャラクターの魅力や演技のポイントについて聞かれると、新島さんは静子のポジティブで明るい性格を強調し、「戦国時代でも前向きに生きる姿を表現した」と公言。沖野さんは信長について、「自分にない存在感とカリスマ性を持つキャラクター」としみじみと語った。礒部さんは濃姫を「つかみどころのない飄々とした人物でありながら、女性陣や食に対しては熱い情をみせる」と評し、2つのギャップの魅力を大切に演じたと説明。髙木さんは、世間の前田慶次像を一旦忘れ、「作品を読んだイメージを基に演じようとした」とアフレコ当時の思いを語りつつ、実際に収録してみると「世間のイメージ通りになっていた」と会場の笑いを誘った。
キャスト側のリクエストで始まった質問コーナーでは、演じるキャラクターが現代にやってきた時の職業を想像し、それぞれのキャラになりきって回答。髙木さんは慶次を演じながら「YouTuberになる」と答え、一番手から現代っぽさ全開の回答で会場を盛り上げた。礒部さんは濃姫がエステやネイルサロンを経営すると想像。沖野さんは信長が参議院選に出馬すると語り、タイムリーな話題で会場を沸かす。新島さんは信長に対抗して静子も政治家になるというビジョンを想像しつつ、「教師も向いている」とコメントした。
書き下ろしスペシャル朗読劇「戦国meets 現代グルメ」のコーナーでは、これまで別録だったキャスト陣が初の掛け合いを披露。配られた台本が間違っていたという演出により、沖野さんの信長と礒部さんの濃姫による漫才が始まると、困惑した新島さんと髙木さんからのツッコミも入り、会場は大きな笑いに包まれた。あらためてスタートした朗読劇は、ナポリタンやオムライスといった現代グルメをふるまう静子に対する、信長たちの三者三様の反応を楽しめる内容となっていた。
朗読劇の後、観客と同じように聴いていた夾竹桃氏が音声で再登場し、「素晴らしい」と絶賛。朗読劇はもちろん、「漫才も満足だった」と感慨深げに語った。さらに、ヴィジュアルノベルアプリに登場する全キャストも一斉発表。総勢24名と豪華な声優陣が集結するアプリとして、今後の期待感を高めた。最後にスペシャルゲスト4名がお礼の挨拶とステージの感想を述べ、ステージは幕を閉じた。
フルボイス・ヴィジュアルノベルアプリ化が決定した『戦国小町苦労譚』は、アース・スターノベルより第18巻まで発売中。
©夾竹桃／アース・スター エンターテイメント／オルトプラス イラスト：平沢下戸
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