【このライトノベルが売れて欲しい!】第25回『僕の学校の暗殺部』深見真が贈る、恋と戦いと思春期の物語に注目!!
――生まれて初めて、人が人を殺す瞬間を間近に見た。
ということで始まりました。続きが読みたい!メディアミックス展開して欲しい!単純に沢山の人に手に取ってもらいたい!という願望を織りまぜてオススメラノベを紹介する『このライトノベルが売れて欲しい!』第25回でございます。
今回ご紹介するのは『僕の学校の暗殺部』!!
僕の学校の暗殺部
著:深見真
イラスト:ふゆの春秋
~あらすじ~
身長一五七センチ。同年代女子の平均より一センチも背が低いことは、深作零士にとって切実な問題だった。
そんな彼にもう一つ切実な問題が起こる。同じ高校に通う美少女、未但馬裕佳梨が、人を殺す場面を目撃してしまったのだ。
人間社会に徒なす「とある存在」を密かに抹殺する「暗殺部」。彼女はその部員だった。そして零士は、そんな彼女に恋をしてしまった……。
暗殺部に入部し、銃をもって殺し合う世界に足を踏み入れた零士の、恋と闘争、思春期の物語!
● 人間社会に紛れ込む『いるか人間』を狩る者達の物語
本作『僕の学校の暗殺部』を語るにあたって、世界観の説明をしていきたい。
本作では『人間の脳みそ』に寄生し、人間の邪悪な欲望を活性化させる『いるか』という敵が存在する。『いるか』は人間の脳みそに『いるかの子供』(本当にいるかの形にそっくり)を寄生させ、人間を『いるか人間』と呼ばれる欲望に支配された存在へと変えてしまう。
『いるか人間』達は巧妙に人間社会に紛れ込み、人間を人知れず殺し続けていた。彼らは人間を殺すことに快楽を覚える侵略者だったのだ。
そんな害悪とも言える『いるか人間』達を狩る組織が存在した――
――それが『暗殺部』
主人公、深作零士(ふかさく れいじ)は、暗殺部に所属する少女――未但馬裕佳梨(みたじま ゆかり)が『いるか人間』を抹殺する場面に偶然出くわしてしまう。
美しい少女である裕佳梨の姿に見覚えのある零士。なぜなら、彼女は零士の隣のクラスの同級生だったのだ。
見た目にはほとんど人間と変わらない『いるか人間』。そんな存在を殺す光景は、殺人現場とほとんど変わりなかった。
しかし、零士はそんな彼女に一目惚れをしてしまう。あまりにも歪んだ一目惚れは、零士を『暗殺部』という名の戦場へと駆り立てていく。
暗殺部の熾烈な戦い、深見真が描くガンアクションにも注目!!
裕佳梨に一目惚れし、また裕佳梨自身にも適正を見初められた零士は暗殺部という活動へと進んでいく。
暗殺部は高校の一部活動として、人知れず存在している部であり、その活動のバックには国家機関が関わっているとされている。日本では取り扱えないような銃火器や、特殊な効果を持つ薬物などを保有する暗殺部では、高校生達が日夜『いるか人間』を殺すために活動を行なっていた。
暗殺部のメンバーはほぼ全員が『いるか人間』に人生を狂わされた少年少女達だ。
暗殺部は全国各地に存在し、組織だって行動し始めている『いるか人間』達との熾烈な戦いを続けている。
非現実的な設定ながら、血生臭さと『いるか人間』の理不尽な暴力性はリアリティな恐怖を感じるほどだ。『いるか人間』達が普通に社会に紛れ込んでいるというのがまた怖い!!
零士は暗殺部の過酷な入部テストに合格し、先輩達の指導のもと、ストイックに戦い方を身に着けていくわけだが。暗殺部での活動を続けることで、身長が低いことにコンプレックスに持っていた零士は、徐々にそのコンプレックスを解消していく。
侵略者たちとの戦いの中に、少年少女達の思春期特有の感情を織りまぜているところも本作の特徴だろう。
零士の精神的な変遷も本作の見所となっている。(暗殺部という特性上、明らかに危ない道へと進んでしまっているが)設定的にもキャラクター的にも一癖も二癖もある物語になっているが、根底にあるのは少年少女の『青春模様』と言えるのが面白い。
また、深見真先生が描くスピーディなガンアクションが映える本作。冷静さを感じる文章とストイックなキャラクター達が織りなすバトルシーンは必見だ!!
怒涛の展開を見せ、「ああぁ……ええァ……マジすか……」と読者を唸らせた第一巻だったが、早くも第二巻が11月に発売予定になっている!! 要チェック!
また、深見真先生といえば
2012年10月より放送スタートの『PSYCHO-PASS』(サイコパス)で虚淵玄と共に脚本を担当することが話題になった。
『PSYCHO-PASS』
ノイタミナ枠 2012年10月11日(木)放送スタート
特殊な社会情勢の中での警察モノストーリーということで、豪華制作陣の中で深見真がどのようなガンアクションストーリーを見せてくれるのか非常に楽しみである!
ということで、第25回【このライトノベルが売れて欲しい!】は以上になります。
昨今、ライトノベル作家のアニメ脚本が盛んになってきていますねぇ。秋アニメ『K』ではラノベ作家が集まって脚本をするという前代未聞の試みが話題になりました。まったく事前情報が無かったので、たいそう驚きましたよ!
ラノベ原作アニメフラッシュだった夏を超えて、さらに秋アニメもライトノベル界が大いに賑わっていて嬉しい限り!
それではまた、私情入り混じるカオスな記事でお会いしましょう!!
【記事:ゆきとも】
(C) エンターブレイン 深見真/ふゆの春秋
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