【このライトノベルが売れて欲しい】第31回『ゲート 自衛隊彼の地にて斯く戦えり』

「空が蒼いねぇ。さすが異世界」

ということで始まりました。続きが読みたい!メディアミックス展開して欲しい!単純に沢山の人に手に取ってもらいたい!という願望を織りまぜてオススメラノベを紹介する『このライトノベルが売れて欲しい!』第31 回でございます。

今回ご紹介するのは

『ゲート自衛隊彼の地にて斯く戦えり』

著:柳内たくみ

イラスト:黒獅子

あらすじ

累計45万部突破!超人気の自衛隊×異世界ファンタジー、文庫化第一弾・前編! 20XX年、突如として東京銀座に「異世界への門」が開かれた。その中から侵攻してきたのは「異世界」の軍勢や怪異達。陸上自衛隊はこれを撃退し、門の向こう側『特地』へと足を踏み入れる。およそ自衛官らしくないオタク自衛官、伊丹耀司二等陸尉(33)は、部下を率いて『特地』にある村落を偵察することに――そこには夢にまで見た美少女達の姿が!?

突如として繋がった異界の地に、自衛隊は降り立つ!!

本作『ゲート』は、東京は銀座に突如として現れた『異世界への門』をキッカケに、現実世界とファンタジーあふれる異世界が繋がるところから物語が始まる。この『異界の門』という新たな世界への扉は、現実世界の数多の国々を驚愕させることになる。

門から現れたのは西洋風の甲冑を身につけた人間や、ファンタジーではお馴染みのゴブリンなどの魔物達だったのだ!! 銀座は混乱に陥り、多くの人間がこの事件で傷を負うことになった。

しかし、現代の軍事力を持ってすれば、異世界人達の侵攻を止めることは容易に終わってしまう。その後に控えているのは『賠償』という名の戦後処理と、門の向こうに広がる世界への『政治的対処』だった。

日本上空に依然として存在している異世界への門、そしてその先にあるまだ見ぬ異世界――かくして、日本が誇る防衛組織たる『自衛隊』は異世界へと派遣されるのである。

現実世界と異世界では天と地ほどの技術力の格差が存在しており、自衛隊は圧倒的な力で、異世界で活躍していくことになる。同時に、自衛隊が持つ『奉仕』や『人助け』という部分もよく描かれており、軍事力という爽快感だけではなく、自衛隊という存在の心強さ、助けられる人々との交流が心地いい作品となっている。

自衛隊の戦車が異界の地を駆ける!!

その未知なる姿に異世界の住人は戦々恐々だ。

異世界が持つ様々な利潤、日本の政治的立ち位置、各国の政治的、軍事的干渉――様々な人間の思惑が異世界の門《ゲート》を中心に動き始める!!

 ●異世界に派遣された自衛隊員は怠け者のオタク自衛官!? 

異世界――通称『特地』へと降り立った自衛隊。その中に、一人の怠け者のオタク自衛官がいた。それが本作の主人公『伊丹耀司(いたみ ようじ)』二等陸尉(33)その人である。

隊長という立場ながら、怠け思考が基本的な男が中心となって、異世界住人と自衛隊の交流が綴られる本作。

異世界は魔法が存在するファンタジー世界。オタク自衛官である伊丹もオタク心をくすぐられながらも、そこに生きる人々と向き合っていくことになる。怠け者なのだが、ある意味おおらかで器が大きい主人公に注目!! 自衛官としての精神的、肉体的強さをしっかりと発揮してくれるぞ!!

自衛隊の面々が出会うことになるエルフの少女。

物語のように長命な種族であり、エルフ耳も勿論存在している!!

本作の魅力の一つは『空想との遭遇』といったところだろうか。様々なファンタジー要素に現実として直面する自衛官たち。彼らは驚きながらも、現実的な方法で対応し、異世界でその名を轟かせていくことになる。

さらに異世界には様々な資源や、広大な土地など様々な利潤が存在している。ファンタジー世界が現実に現れてしまった時、現実世界ではどのような政治的な動きが起こるのか? という部分もしっかりと描かれている点も注目だ!!

自衛隊の冒険活劇という側面と、国家間の政治闘争、さらにはファンタジー特有の美少女達――エルフ、外見ロリ(実年齢900歳Over)――と自衛官たちとの交流など、様々なエンタメ的面白みに溢れている非常に贅沢な作品となっているぞ!!

すでに本編が単行本として完結している本作。イラストが追加されてお手軽な文庫版としてリリースされていくので、これを機に自衛隊が異世界で活躍する姿を読んでみてはいかがだろうか?

ということで、第31回【このライトノベルが売れて欲しい!】は以上になります。

しかし、異世界と現実世界が交差するストーリーは実に心躍らされますね!!

この『ゲート』シリーズは元々WEB発祥の小説。WEB小説界隈では異世界召喚や異世界転生モノなど、現実世界の人間が異世界で活躍する物語が大人気のようです。僕も大好きです、はい。特に最近では『ヒーロー文庫』などで異世界召喚系のWEB小説の出版が相次いでいますが、実に素晴らしい流れで嬉しく思います。

主人公がしっかりとヒーローとして描かれる爽快感、という部分を多くの読者が求め始めているのかな? と最近感じています。2013年のライトノベル業界がどのような作品の傾向になるのか、今からとても楽しみですね!!

【記事:ゆきとも】

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