独占インタビュー「ラノベの素」　暁なつめ先生『この素晴らしい世界に祝福を！』

2016/03/29 インタビュー

独占インタビュー「ラノベの素」。今回はTVアニメ放送を終え、4月1日にスニーカー文庫より『この素晴らしい世界に祝福を！』のスピンオフ『この仮面の悪魔に相談を！』が発売となる暁なつめ先生です。本インタビュー記事の最後には、ちょっとしたサプライズもご用意しておりますので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

この仮面の悪魔に相談を！

ゆんゆんやアイリスなど、人気キャラのお悩みをバニルが解決!?

【あらすじ】

アクセルの街の裏路地にたたずむ『ウィズ魔道具店』はダメ店主・ウィズのせいで、常に経営難である。バイトのバニルは『先を見通す』能力で悩める人たちの相談屋となり、その報酬で稼ごうとするのだが――。

――本日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

――早速ですが暁なつめ先生のプロフィールを教えてください。

福井県出身で、現在は埼玉在住です。埼玉へは2015年の夏頃に引っ越してきたんですよね。実家のリフォームがきっかけで、それこそ短期間の予定だったんですが、アニメ化もあったし、羽を伸ばすじゃないですけど都心にきちゃおうかなと軽い気持ちで。来たら来たで居心地がよくズルズルいる（笑）

――地方出身者だからこそわかる東京圏の便利さはありますよね。

とにかく歩いてすぐのところにコンビニがあるって素晴らしいですよね。引っ越す前は車で10～15分くらいかけてコンビニに行くとか、そんな状態だった。山奥だったんで。ただ人混みがすごく苦手で。渋谷駅とかもう、あそこは敵ですね。新宿や池袋も1回行っただけでもういいかなって。かなり道に迷う性質で、だいたいどこか行くときは他の作家さんが迎えに来てくれます（笑）

――人混みが苦手ということですが、逆に好きなものはなんですか。

漫画やゲーム全般が好きですね。漫画だと「ドリフターズ」や「ハンター×ハンター」は特に。少年誌よりも青年誌の方が多いかもしれない。ライトノベルも学生時代に結構読んでましたね。「スレイヤーズ」とか「魔術士オーフェン」とか。一番はじめに読んだ作品は「ロードス島戦記」だったかな。ゲームはミーハーなんで流行にあわせて、流行っているものはとりあえずやってみる感じですね。「ドラゴンクエストビルダーズ」とか「モンスターハンタークロス」とか、「艦隊これくしょん」もやってました。そもそもペンネームの暁なつめの「暁」が「艦これ」をやってる最中に決めたんですよ。あれ、これ初めて言ったかもしれないですね（笑）

――WEB投稿時はペンネームが違いましたよね。

WEB投稿時のペンネームは自宅警備兵で、それこそ当初は編集長さんやいろんな方から、「自宅警備兵さん、自宅警備兵さん」って言われて。言われ続けて切なくなってきて、これはちょっとどうだろうと思い変えました（笑）

――さて、TVアニメも放送されたので多くの方がご存知だと思います。『この素晴らしい世界に祝福を！』について教えてください。

異世界ハーレムファンタジーの皮をかぶったコメディ作品ですね。運が良いだけの主人公が、普通なら使えないと評価される仲間とともに、知恵を振り絞って活躍していく話です。アニメを忠実に再現している原作というか。すごいよくできてる原作だと思いますよ。

――ちょ、なんで原作をノベライズみたいに話しちゃうんですか（笑）

もうアニメの延長線上みたいな（笑）　アニメの方が面白いと言われると自分がショックを受けると思うんで、予防線張っておこうかなって（笑）

――小説は間違いなく原作ですからね。本作のアニメ化について聞いた時はどう思いましたか。

アニメ化についての連絡をもらったのが2015年の1月くらいで、当時はまだ福井に住んでいたんですけど、大事なお話なので東京に出てきてもらいたいと連絡をいただいて。ただ当時自宅が雪で埋もれて出られなくて、東京まで行くことができなかったんですよ。なので電話で報告をいただきました。ただアニメ化って言われた時もずっと警戒してました。途中で立ち消えちゃうんじゃないかとか、とにかく心に保険をかけ続けてました。小心者なので。

――心配は杞憂に終わり無事アニメ化されました。そういえばアフレコにあまり足を運ばれなかったと聞きましたが。

いえいえ、ちゃんと行きましたよ。アニメ1話のアフレコに行きまして、その時にスタッフさんや出演者さん、みなさん優秀だと感じたので、これはもう余計なことを言わない方がいい作品に仕上がると思って、敢えて行かなかったんですよ。敢えて。ただ途中から担当編集さんに、スタッフさんや出演者さんが心配しているから来てほしいと言われて足を運ぶようになりました。決してできる限り外に出たくなかったとかそういうわけでは……。ほらアニメも良かったですし、言うことないです。

――実際『この素晴らしい世界に祝福を！』アニメ化について周囲の反響はいかがでしたか。

実はですね、未だ自分の周囲の人間が、自分が作家になったってことに対して半信半疑で、信じてもらえてないんですよ。両親も興味ないみたいですし。地元の友達なんて誰も読んでくれないんですよ。ちらちら本を見せてはいるんですよ？　それでも読んでくれない。地元じゃまるで認知されていなくて、アニメ化おめでとうメールすらきてないんですよ。みんなに自慢して回ったのに「はいはい」って。どうしてこうなった（笑）

――そんなまさか（笑）　証明しろと言われても確かに証明は難しいですけど……。

そうなんですよね。だから最近は本名で本を出した方がよかったんじゃないかって悩むくらいに。誰も気付いてくれないから。なので見本誌も極限まで減らしてもらっている最中です。作家さん友達くらいしか配る人もいない（笑）

――反響をお伺いしたのに悲しいお話になってすいません。WEBで反応をみたりとかはされないんですか。

おっかないので見ないです。叩かれているのをみるとくじけるので（笑）　でもホームページに来るコメントは見てます。面白って言って貰えてうれしいですね。それでちょっとだけ、もっと広いネットの情報をのぞいてみようかなとも思ったんですけど、これは絶対罠だと思ってやめました。それと知り合いの作家さんは面白かったって言ってくれるんですけど、知り合いの面白かったほどあてにならないものもないんで、そこは社交辞令として受け取ってます。

――もはや陰謀説ですね（笑）　では話題を変えて暁先生のお気に入りのキャラクターを教えてください。

好きなキャラクターはチンピラ冒険者のダストですね。自分の中では憎めない感じが特に好きですね。細かい裏設定を作ってあるからかもしれないです。

ダスト

※チンピラ冒険者ダスト

――裏設定ですか。本編の中で語られたりしているのでしょうか。

本編ではほとんど触れられてないんですけどスピンオフでだいぶヒントが出てますね。ダストはまず本名が違うんですよ。実は偽名を使っている元貴族。スピンオフ第1弾の最後の方をよく見ていただけるとわかるかなと。ダストだけ名前が出ていない点に注目ですね。もうみなさん気付いているとは思いますが。

――もともとダストに対する注目度も高いわけではないので気付かれていない可能性も……。

まさか（笑）

少なくとも50％くらいは気付いてますって。え、気付いてますよね？

――この件はあらためて触れさせてください。先にダストの次に好きなキャラクターを教えてください。

ダストの次はバニルが好きですね。バニルはネタキャラなので書いていて楽しいですし。普段は人をおちょくる立場ですけど、そんなキャラクターがどこかでやりこめられるとすかっとするんじゃないかなって。なので、バニルはいつか予想に反してえらい目にあうかもしれませんね（笑）

バニル

※全てを見通す大悪魔バニル

――それは4月1日発売のスピンオフに関係があるのでしょうか。

いえ、それとは関係ないんですけど（笑）　そんな日が来たらいいなって。そんな想いもあってバニルが好きですね。

――3月1日には人気投票結果も発表されました。暁先生の予想と比べてどうでしたか。

1位になるのは、エリスかアイリスのどちらかと思ってたんですけど。PVの効果や声優さんの効果、アニメの効果もあってめぐみんが一気に1位になりましたね。めぐみんがここまで来るとは正直、まったく思ってなかったです。それにめぐみんが1位になったら、また『この素晴らしい世界に爆焔を！』っぽいものを書くことになると思ったので、本音を言うとめぐみんはもういいんじゃないかなって。もちろん夏にはめぐみんが主役のWEB小説作品は書きますけど（笑）

エリス