【このライトノベルが売れて欲しい!】第16回『空ろの箱と零のマリア』

「私はお前を壊すために、ここにいる」

ということで始まりました。続きが読みたい!メディアミックス展開して欲しい!単純に沢山の人に手に取ってもらいたい!という願望を織りまぜてオススメラノベを紹介する『このライトノベルが売れて欲しい!』第16回でございます。

今回ご紹介するのは

『空ろの箱と零のマリア』!!

著:御影瑛路  

イラスト:415

~あらすじ~

「私はお前を壊すために、ここにいる」転校生の唐突な宣言が、全ての始まり──

 3月。中途半端な時期にやってきた転校生・音無彩矢。そのあまりの美少女ぶりに息を呑む教室の中で、彼女は教壇に立ち、無愛想にただ自分の名前だけを告げた。教室全体が次の言葉を待っていた、その時――。

 「星野一輝」

  ――呼んだのは、何故か僕の名前。

 「私はお前を壊すために、ここにいる」

  そして、突然の宣戦布告。

  ただ超然と、毅然として言い放ち、静かに微笑む彼女の真意は……!? 

奇跡を引き起こす『箱』が現実を歪めて行く!!

本作、『空ろの箱と零のマリア』には一つのキーアイテムが存在する。それは『箱』と呼ばれるあらゆる願望を叶える奇跡のアイテムだ。『箱』は『とある存在』って、日常に生きる人間達に渡され、箱の所有者となった人間は自らの願望を叶え、現実を歪に歪めていく。

本作は主人公である『星野一輝』『マリア』が、箱によって歪む現実に挑んでゆくミステリー&ホラーな物語だ!!

星野一輝とマリア(音無彩矢と名乗っている)、二人の出会いから物語が動き出す

第1巻の『箱の所有者』によって引き起こされたのは『拒絶された教室』と呼ばれる無限ループ地獄。永遠とも思えるループの中に囚われた一輝とマリアがループからの脱出を目指すストーリーが展開する。異常な世界で二人の絆が強まっていく点も注目ポイントだ!!

繰り返されるループ。その記憶を保持することも可能だが……

保持の方法が非常にエグいのも注目だ。

何万回も繰り返されるループの中、少しずつ情報が明かされる。そして『誰が箱の所有者なのか』という部分が物語の重要なポイントになってくる。友人など、身近な人間にその疑念が浮かび上がってくるぞ!!

本作はこの『所有者が誰なのか?』という部分を考えるのが非常に面白い!! ミスリードを巧みに使ってくるため、常に緊張感のあるストーリーが展開していくぞ!! 主人公の一輝ですら所有者の可能性が浮かび上がってくるほどだ。

また、奇跡を叶える『箱』の性質が非常にひねくれている部分も面白い。

この『箱』は奇跡を引き起こすが、完全な奇跡は起こせない。

例えば、「これは奇跡を起こせる箱です、何でも祈れば叶います」と渡されたものをアナタはどれだけ信じられるだろうか? 普通に考えれば、願いをかけるにしても半信半疑で願いをかけてしまう。

この『箱』は、そんな半信半疑の心さえも奇跡として現実に反映する。その結果として、『奇跡なんて起こらない』という疑念の部分が、歪んだ形として現実をねじ曲げるのだ!!

これによって非常にエグい方向に物語が展開する。

歪んだ現実の中で、二人は知略を駆使して戦っていくことになる。

そして、人間たちに『箱』を渡していく存在との戦いへと繋がっていく……その存在は何が目的で箱を渡していくのだろうか?

ゲーム性が増していくシリアスなストーリーにも注目!!

本作のもう一つのポイントは『ゲーム要素のある物語』だろう!! 第1巻では『無限ループ』を引き起こしている人間を見つける、という推理モノとしての側面が強かったが、2巻以降はそれに加えてゲーム的要素が増していく。

特に3、4巻では『王降ろしの国』と呼ばれる騙し合いのゲームが中心となり物語が展開していく。この『王降ろしの国』というゲームは『汝は人狼なりや?(人狼)』に近い騙し合いゲームだ。プレイヤーは役割が与えられ、その役割が持つ能力を駆使しながら、他のプレイヤーを排除していく。

プレイヤーとなった学生達は、『箱』によって作られた異常な空間で、お互いに騙し合い、殺しあうことになる!! この異常なゲームで一輝とマリアはどう戦っていくのだろうか?

『王降ろしの国』のプレイヤーは6人。

一輝の友人もプレイヤーであり、『箱』の所有者なのではないかと疑惑が上がる。

プレイヤーとなった彼らは、それぞれに異常性を持ち、極限状態に追い込まれることで、その本性が表に出てくる。人間の生々しさや容赦のないエグい展開といったアクの強さは、作者の御影先生の十八番だろう!

ダークエンターテイメントとして、とても楽しめる作品になっているぞ!!

現在、既刊4巻まで発売されているが、4巻発売が2010年6月!!

2年間新刊が出ていなかったが……

 

なんと7月に新刊発売が決定した!! 

幼女に踏まれながら待っていたかいがあったというものだ!!

まさか箱マリの続きが読めるとは! と歓喜した読者も多いはずだ。

まだ読んでいない人も、この機会に是非手にとってもらいたい!! 文章にクセもあるが、それがより一層ダークな物語を引き立てていくぞ!!

ということで、第15回【このライトノベルが売れて欲しい!】は以上になります。

ここ最近、「早く続きでないかなぁ……もう出ないのかなぁ……」と思っていた作品が連続で刊行決定して歓喜しています。

この流れにのって、あれとかあれとかあれとか……あれとか早く続きでないかなぁ!

それではまた、私情入り混じるカオスな記事でお会いしましょう!!

【記事:ゆきとも】

(C) アスキー・メディアワークス 御影瑛路/415

[関連サイト] 電撃文庫&電撃文庫MAGAZINE

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