独占インタビュー「ラノベの素」 十夜先生『悪役令嬢は溺愛ルートに入りました!?』
独占インタビュー「ラノベの素」。今回は「次にくるライトノベル大賞2022」にて単行本部門第1位に輝いたSQEXノベル刊『悪役令嬢は溺愛ルートに入りました!?』の十夜先生です。乙女ゲーム世界の悪役令嬢に転生してしまった主人公が、断罪まったなしの状況を覆すべく奮闘する本作。賞の受賞についてはもちろん、周囲のキャラクターとのコメディ感あふれる掛け合いについてや「世界樹の魔法使い」を巡るファンタジーの要素など、女性だけではなく男性も楽しめる作品の魅力について様々にお聞きしました。
【あらすじ】 王国の守護聖獣である不死鳥に兄の腕を治してもらうため、エルネスト王太子とラカーシュとともに白百合領を訪れるルチアーナ。しかし、王家と聖獣の契約が切れたことが原因で、聖獣の恵みを受ける村に風土病が広がりつつあった。聖獣の真名を取り戻し再び契約を結ぶため、ルチアーナはエルネストに協力を頼まれるが——「……君はいつだって一生懸命で、献身的で、魅力的だな。ラカーシュがこれほど君に夢中でなければ、私も名乗りを上げているところだ」 ルチアーナを嫌っていたはずのエルネストに変化が表れて……!? |
――それでは自己紹介からお願いします。
作家の十夜です。企画進行中のものを含めて、現在は4シリーズが小説化、そしてコミカライズしています。趣味は旅行と映画鑑賞と美味しいものを食べることです。最近は美味しいものを食べすぎているので、ジム通いをはじめました。運動は苦手なのでパーソナルトレーナーについていただいて、トレーナーさんからは「伸びしろしかない」と言われながらやっています(笑)。
――趣味は映画鑑賞とのことですが、印象に残っている作品などがあれば教えてください。
まず、「BTS:Yet To Come in Cinemas」は楽しかったですね。あとは『スラムダンク』も観ましたし、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』、『トップガン マーヴェリック』もよかったです。映画は基本的に一緒に行く相手によってジャンルがばらけるので、ホラーなどの怖いものを除けば、だいたい面白く観ることができているんじゃないかなと思います。振り返って印象に強く残っているのは実写版の『キングダム』ですかね。すごくよかったです。
――ありがとうございます。それではあらためて『悪役令嬢は溺愛ルートに入りました!?』が「次にくるライトノベル大賞2022」単行本部門第1位を獲得しました。まずは率直な感想をお聞かせください。
率直に嬉しかったです。昨年も上位をいただくことができましたが、今年は昨年と同じかそれ以上にラインナップもすごかったと感じていました。私自身が自分の作品に強い自信を持っていたわけでもないので、今年はどうだろうかと思っていたんですけど、1位って言われてすごく嬉しかったです。昨年も担当編集さんとは結構ドタバタしたやり取りをしていただけに、感慨深いです。
――昨年の上位選出の際も、かなり大規模なキャンペーンを展開されていたりもしましたよね。
ハーゲンダッツの1,000名様プレゼントですよね(笑)。ちょっと長くなるかもしれないのですが、昨年のエピソードにも少し触れさせてください。昨年は、ノミネートされたことそのものにびっくりしたんですよ。担当編集さんから教えていただいて、実際にノミネートこそされたものの、他のノミネート作品が素晴らしい作品ばかりだったので、あまり当事者意識はありませんでした。ただ、担当編集さんが「十夜先生、これは万が一があるかもしれません、ランクインするかもしれません」ってすごく盛り上がって、念押しをしてきたんですよ。しかも新刊の刊行タイミングについても「賞をいただけるかもしれないので、発売タイミングをずらしましょう」って言われて、「えっ、担当編集さん本当に大丈夫ですか?」ってやり取りをしてました(笑)。
――十夜先生以上に担当編集さんの意気込みがすごかったんですね(笑)。
そうですね(笑)。私も「賞が獲れなかったら普通に刊行タイミングがずれるだけになっちゃいますけど大丈夫ですか?」って聞いたんですけど、「その時はその時です!」って。さらにここでハーゲンダッツのプレゼント企画の話題に戻るんですけど、この企画を動かすにも「賞の発表までは待てないから先に進めます」って言われて、「担当編集さんちょっと待ってください、獲れるかどうかもわからないところでそんなことして大丈夫ですか」って言ったんですけど、「大丈夫です。応援ありがとう企画なので、賞が獲れても獲れなくても応援してくれた読者のお気持ちが嬉しいので、その感謝のプレゼントです」って言いきられたんですよ(笑)。私は終始、「思い切りがすごいなあ、大丈夫かなあ」と思っていたところでの上位入賞だったので、陰ながらホッとしていましたね(笑)。
――結果論ではありますけど、最終的にはすべて良い方向に転がりましたね。
そうですね。それにしたって本当に大胆だなあと思いました(笑)。特に当時はまだ2冊しか刊行していなかったですし、知名度も決して高くはなかったと思うんです。自分でも自信があったわけではないんですけど、担当編集さんの熱量と、読者さんの応援によって結果も出たことは本当にありがたかったです。
――ということは、今回の単行本部門1位はさぞ担当編集さんの喜びも大きかったんじゃないですか。
1位の連絡は担当編集さんが直接電話をくれたんですね。ただ、私たちは基本的に電話をする際は、何日の何時から電話をしましょうってスケジュールをきっちりと決めて、予告をしてからじゃないと電話はしないんです。そんな状況の中で突然電話がかかってきたので、もしやメールではやり取りできないようなトラブルが起こったのかと、内心ヒヤヒヤして電話に出ました。そしたら「すごいですよ、1位です」って言われて。担当編集さんからの突然の電話でも、いいことがあるんだなって思いました(笑)。
――去年の上位入賞から今年の1位という読者投票による評価。この1年間、読者さんの熱量が落ちなかった理由はなんだと感じていますか。
正直、明確な理由は私もわからなくて……。なので、いつも担当編集さんに「この作品は何がいいんですかね?」って聞くんですよ。そうすると「この作品には勢いがあります!」って、褒められているのかごまかされているのかわからないお返事をいただくことばかりで(笑)。でも選んでいただいたことは本当に嬉しいですし、勢いがあるからこそだったのかもしれませんね!
――ありがとうございます。それでは『悪役令嬢は溺愛ルートに入りました!?』はどんな物語なのか教えてください。
この作品は乙女ゲームの世界に悪役令嬢として転生したルチアーナが主人公の物語です。前世ではほとんど男性と縁のなかった人生だったので、生まれ変わったらモテモテの人生がいいなと願ってはいたものの、生まれ変わり先は悪役令嬢でした。自分が断罪される未来を知っている主人公は、そうならないため攻略対象者には近寄らずに生きていこうと決めるんですけど、そんな気持ちとは裏腹に、攻略対象者の男性たちから告白されたり、近寄ってこられたり、その中で「世界樹の魔法使い」である可能性がでてきたり……というお話になってます。
※悪役令嬢ルチアーナの華麗なる(?)物語が動き出す
――作品の着想についてもお聞かせいただけますでしょうか。
私がこの作品を執筆する前に『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す』を書いていまして、そちらの作品にまず出版社さんからお声がけをいただいたんですね。もともと女性向けに書こうと思っていたんですけど、声をかけていただいたレーベルさんがどちらかというと男性寄りのレーベルだったので、続きの執筆に際しては男性向けを意識する形にシフトしていたんです。なので、女性向けの作品も書きたいという思いもあり、その1年後くらいに本作を書き始めました。『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す』は主人公が聖女で、どちらかというと好かれる立場のキャラクターでしたので、その正反対である嫌われポジションの悪役令嬢を書いてみようと思ったのが始まりでしたね。
――これは少しそもそも論になるのですが、小説自体の執筆のきっかけはなんだったのでしょうか。
これは作品のあとがきにも書いたことがあるんですけど、勤めている会社からある程度まとまった年休を取得するようにと言われて、お休みをいただいたんです。それで映画を観て、ご飯を食べてと過ごしていたんですけど、1日、2日くらいしか潰れず、それならばこれまでやってこなかったことに挑戦してみようと思って小説を書き始めました。趣味の中でも映画と読書が一番身近で、特に小説を読んでいて楽しい気持ちになることが多く、自分もその楽しい気持ちを作り出したいと考えたことがきっかけだったと思います。私が書けば、私が一番楽しいお話ができるかなと思って、好きなことから書き始めました。
――なるほど、そういう経緯で執筆を始められたんですね。十夜先生の作品の主人公は、コメディ気質な傾向が強いのかなと感じているのですが、それもご自身が考えられている「楽しさ」に繋がっていたりするのでしょうか。
実際に繋がっているかどうかはともかく、コメディの要素は強いです。私の作品の主人公は、普段の自分とまでは言わないですけど、自身の生活を膨らませて投影しているところも少なくなかったりします。私自身も決して器用じゃないですし、主人公たちの不器用さなどはそういうところからきていたりしますね。それと私の中では、小説を書くということは対話と言いますか、いろんな人たちとしゃべるという行為の延長線上にあるようなものなので、そういう部分でも楽しんでいただけたらなと思いますね。
――また、本作はファンタジー色が強めに出ている点も特徴なのかなと思っていまして、ヒロインのコメディ要素とも相まって、男性読者もかなり読みやすい読み口、構成になっているんじゃないかなと感じました。
ありがとうございます。ファンタジー色が強いというのは、私が好きなんだと思います(笑)。小説を執筆していると、気付いたらそちら側にギアを入れてしまっていることが多くて、担当編集さんにも「一般的な女性向けのお話とズレてきている気がするんですけど大丈夫ですか?」って聞くことが多いです。そうしたら担当編集さんからは「大丈夫です、勢いがあるので!」っていつもの返事をもらうんです。何もないよりはいいと思うんですけど、私は勢いしかないのだろうかって思っちゃいますよね(笑)。
※世界樹の魔法使いをはじめとしてファンタジー色も非常に濃い本作
――では続いて作品に登場するキャラクターについても教えてください。
主人公のルチアーナは、どこにでもいるような等身大の女の子をイメージしています。身分としてはハイランダー魔術王国の侯爵家の娘で、悪役令嬢です。前世を思い出すまでは傲慢で怠け者、実家の権力を笠に着た、THE悪役令嬢でした。前世を思い出してからは、元喪女ということもあり、自分の恋愛には極めて慎重な性格になっています。楽天的で衝動的な一面もありますが(笑)。
※平凡に暮らしたいのに事態は真逆へと突き進む!?
サフィアはルチアーナの兄で、乙女ゲームでは出来が悪く享楽的という設定でしたが、実際は違うのではとルチアーナが違和感を覚えているキャラクターでもあります。魔術の才能があり、あらゆる能力が高く、妹想いなのではと、謎の多いキャラクターでもありますね。
※サフィアの言動は昼行燈のように掴みどころがない
ラカーシュは筆頭公爵家の嫡男で、とある理由から妹が15歳になる前に亡くなるであろうことを感じながら生きてきたキャラクターです。一言で言うと真面目過ぎて生きづらい人ですね。学園では「歩く彫像」と呼ばれていて、表情や感情が表に現れないタイプです。決して何も感じていないわけではなく、すべて自分の中に収めてしまうため、周囲からはそのように見えるというだけですね。だからこそルチアーナの天真爛漫な性格によって中和されるというか、救われているところがあるのかなって思います。
※妹の運命を変えたルチアーナに惹かれる
エルネストはハイランダー魔術王国の王太子です。王族として制約の多い人生を送っており、限られた自由の中で生きているので、自分のやりたいことや言いたいことをなかなか表に出せないタイプでもあります。ルチアーナの思ったことをすぐ口にする姿を見て、ちょっと救われているのかなという感じですね。第4巻までなかなか出番に恵まれてこなかったキャラクターでもあるので、今後に期待していただければと思います。
※第5巻では注目のエルネスト
ジョシュアは魅了の公爵家の長男で、陸上魔術師団長を務めているキャラクターです。4人兄弟の長男として、弟たちを守っていこうと思いながら生きてきているんですが、公爵家の「魅了」という特殊魔術を引き継げず、跡取りとしても継承者としても認められずで、自分の力のなさに鬱屈とした思いを抱えています。ただ、ルチアーナがその能力をジョシュアに付与する形になるので、救いにも繋がったのかなと思います。
※ジョシュアとサフィアの掛け合いは必見
――ジョシュアについては、サフィアとの掛け合いがコメディタッチで面白いですよね。苦労人気質が垣間見えるといいますか。
そこはおっしゃる通りで、私もあの不憫さがいいなと思ってます(笑)。ジョシュアのような外見や性格のキャラクターに、ちょっとした弱みが垣間見えることが、私自身面白いと感じているのかもしれませんね。
――あらためて著者視点で、現時点という条件付きですが、どのキャラクターの読者人気が高いと感じられていますか。
雰囲気でしかありませんが、主人公のルチアーナはたくさん応援をいただいているので、人気はあるのかなと思います。その次が兄のサフィアですかね。サフィアもよくコメントをいただくので、人気が高いのかなと思います。私はサフィアのようなキャラクターが好きなんですけど、当初担当編集さんにはあまり刺さってなくて、「十夜さんはこういうキャラクターが好きなんですか? 自分は全然わからないんですけど」って言われていたんですよ(笑)。でも書き続けてたことで担当編集さんの中でも突き抜けたものがあったのか、「サフィアいいですね」と意見が変わっていったんですよね。キャラクター人気については、担当編集さんともそのうち人気投票やりたいですねって話もしているので、実現できればちゃんとしたデータも出てくるのかなって思います。今はどうしても登場頻度が多いキャラクターに注目が集まりがちですけど、物語が続けば動きもあるんじゃないかなと思いますね。
※ルチアーナとサフィアの掛け合いも見どころのひとつ
――それでは続いて、作品を彩るイラストについてもお聞かせください。十夜先生は宵マチ先生が本当にお好きだとうかがっています。
はい。もともと宵マチさんの絵が好きで、本屋さんで平積みされている書影を見て、なんてキラキラしたすごい絵なんだろうと常々思っていました。なので、宵マチさんにこの作品のイラストを担当してもらえたことはすごく嬉しかったですし、これでこの作品は完成したなと思いました(笑)。実はスケジュールの関係で、一度宵マチさんは難しいかもしれないというお話になったんです。ただ私も諦めきれず、「出版社としてどれだけ待っていただけるかわからないですけど、私はいつまでも待つのでなんとかお願いします」と担当編集さんにもお伝えさせていただいて、実現に至ることができました。そういう背景もあっただけに、本当に嬉しかったんですよ。いただくイラストも全部いいんですけど、巻を追うごとにアップデートもされていて、毎回最高が更新されています。お気に入りのイラストは選ぶのが難しいんですけど、第4巻の口絵でしょうか。本当にあまりにもいいイラストすぎて、このイラストを送っていただいた当日は頭痛がして寝込んだくらいです(笑)。私もびっくりして、絵を見て頭痛が起こることがあるんだと思って。その日は20時くらいに寝たんですけど、本当に衝撃を受けました。その翌日、宵マチさんからいただいたインスピレーションをフルに書いた結果、「書きすぎです」と担当編集さんからも諫められることになりました(笑)。
※十夜先生が頭痛に見舞われてしまったという素晴らしいイラスト
――本当に宵マチ先生のイラストがお好きだというのが、ひしひしと伝わりました(笑)。また、本作はコミカライズも行われていますが、あらためて漫画版の魅力についてもお聞かせください。
やっぱり漫画ってすごい面白いなって思いました。表現方法がまったく違うので、ノベルはノベルとして面白く読者の方へ届けようと思って書いています。そして漫画は漫画として、読者の方へ面白く届けようとされていて、シーンについても漫画用に取捨選択をして、いかに選んだシーンを魅力的に見せるのか、すごく考えていただいていると思います。作画を担当していただいているさくまれんさんが本当にすごくて、ドレスひとつを描くにしても、ドレスを展開した上で描かれるんです。また、物語は学園をベースにして進むんですけど、さくまさんが学園の構内見取り図のようなものを作ってくださって。私自身も「学園ってこうなっていたんだ」って思いました(笑)。第4巻ではその学園見取り図を参考にさせていただきましたし、一緒にお仕事できて本当によかったなって思っています。
※コミカライズ第2巻も小説第5巻と同時発売
――なるほど。さくまれん先生から受けるインスピレーションはすごく大きいのですね。
もはやインスピレーションじゃ済んでいないのかなと(笑)。これは担当編集さんからさくまさんについて聞いている中での想像なんですけど、この作品の世界を好いてくださっていて、ご自分でも考えを膨らませてくださっているなと感じています。小説の物語をきちんと踏襲してくださっているのはもちろんなんですけど、さくまさんのお話にもなっているんじゃないかなと。もともとご自身で世界観を作り出せる方でもあるので、その力が本作にも乗っているように感じていて、本当にすごくいい作品になっているなって思います。
――それではあらためて、著者の視点から本作の注目すべき点や見どころについて教えてください。
見どころとしては、ルチアーナが少しずつ成長し、いろんな人とのかかわりが生まれてきているので、そういうところを見ていただけたらと思います。3月7日に第5巻が発売されましたが、ようやく王太子であるエルネストにスポットをあてた物語になりました。第1巻の最初に少し書いたんですけど、エルネストのミドルネームには「リリウム」が入っているんですが、本人は使いたがらなかった。なぜかというと、リリウム家が聖獣を従えることによって、国に安寧をもたらしていたわけですが、エルネストは王家として聖獣を従えることができておらず、名乗る資格がないと思っています。そのエルネストがどうなるのかという物語になっているので、ぜひ注目してもらえたらと思います。
※第5巻ではエルネストにスポットがあたった物語が描かれる
――今後の目標や野望について教えてください。
まず、このお話が乙女ゲームになることですね。また、私自身書きたいお話はいっぱいあるので、書きたいものを書き続けていけたら嬉しいです。ただ、これは私の執筆スタイルから難しいところもあって、物語のすそ野を広げたがるから、短めの物語をポンポン書いていくことができないんですよ。それはそれで書きたいから書いているわけですし、長い物語を書くのも好きなので、結論としてどうすればいいのか答えは出ていないんですけど。あとはもう少し筆が早くなったらいいなとも思いますね。私はものすごく筆が遅くて、なおかつすごく読み直すんです。こればっかりはもう、性格なのでどうすることもできないと思うのですが、本を出す以上は自分で納得したい気持ちがすごく強いんです。しっかりチェックして丁寧なものを出したい自分と、自分が書きたいと思っているものを時間を見つけて書きたいと思っている自分がいて、両立が難しい(笑)。そのすべてをこなせる時間を持っているわけではないので、優先順位は自分が納得したものを出していくことに重点を置きながら、執筆活動を続けていければと思います。
――最後にファンのみなさん、そして本作に興味を持ったみなさんへメッセージをお願いします。
いつも私の作品を読んでいただいてありがとうございます。「次にくるライトノベル大賞2022」は読者さんの投票で決まる賞だったので、こういう素敵な賞をいただいたのも、読者の方が応援してくれたからの一言に尽きます。本当にすごく大きな力をいただいたと思っているので、あらためて感謝を伝えたいです。私は自分が書きたい作品を書いているんですけども、それを読んで面白かったとか、コロナの時代で気分が鬱々としているけれど、毎回読むのを楽しみにしていますとか、元気がでましたとか、私自身も嬉しくなるような言葉をたくさんいただいています。こんなにたくさんの言葉をもらえることはなかなかないだろうなとも思っていて、執筆活動をしていてよかったなって思わせてくださる方がたくさんいらっしゃいます。物語を読んでもらえるということがすごく嬉しいことなので、本当に感謝しています。これからもよろしくお願いします。
――本日はありがとうございました。
<了>
「次にくるライトノベル大賞2022」で単行本部門1位を『悪役令嬢は溺愛ルートに入りました!?』で獲得した十夜先生にお話をうかがいました。前回は総合6位、WEB単行本部門4位など上位に選出されていた本作が、満を持して1位に輝く結果となり、注目度はますます上がるに違いありません。ライトノベルに新たな風を呼び込むこと間違いなしの『悪役令嬢は溺愛ルートに入りました!?』は必読です!
<取材・文:ラノベニュースオンライン編集長・鈴木>
©Touya/SQUARE ENIX ©Yoimachi/SQUARE ENIX
[関連サイト]