独占インタビュー「ラノベの素」 赤城大空先生『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2025年6月18日にガガガ文庫より『悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』第4巻が発売された赤城大空先生です。ドレス姿でダンジョンを攻略するお嬢様系配信者の主人公が、迷惑系配信者をボコボコにする様子が世界中に配信されてしまったことがきっかけで、瞬く間に大バズりしていくダンジョン配信コメディを描く本作。読者から非常に高い人気を誇る主人公・山田カリンの魅力やその誕生秘話など様々にお話をお聞きしました。

 

 

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう4

 

 

【あらすじ】

自作自演の疑惑を払拭するため、深層ソロ攻略にのりだしたカリン。選んだのは、ブラックタイガーが苦戦中の奥多摩渓谷ダンジョンだった。(当てつけではなく自宅からの近さが理由と説明するカリン氏、思いっきり真冬のカンペで言わされているのだった……)。どんな実力者も命を落とす数々の“初見殺し”に、カリンはいかに対応するのか。友も敵もファンも野次馬も、数百万人が固唾を呑んで見守るなか。人類未踏破の魔境への挑戦が幕を開ける! いざ、潔白なる「お優雅」へ――大人気ダンジョン無双バズ、第4弾!

 

 

――それでは自己紹介からお願いします。

 

デビュー以来ずっとガガガ文庫で小説を出させていただいています、赤城大空と申します。「カクヨム」でもドラゴンタニシという名義で活動しています。最近ハマっているのは、我ながらちょっとアレな趣味だと思うのですが、匿名掲示板でアニメや漫画の感想スレ、ネタスレを漁ることです。とはいえ『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう』のネタ探しの側面もありますし、これも仕事の延長といえるかもしれませんね(笑)。

 

 

――「カクヨム」でも活動されていらっしゃることは存じ上げていましたが、謎に包まれている「ドラゴンタニシ」というペンネームはどこからやってきたのでしょうか(笑)。

 

もともと数日で消すつもりのアカウントだったので、適当につけた名前なんです(笑)。最初は「タニシ」にしようとしていたんですが、既に使われていたこともあり、「WEB小説といえばファンタジー」「ファンタジーといえばドラゴン」という雑な連想ゲームの結果「ドラゴンタニシ」となりました。

 

 

――ようやく数年来の謎が解けました(笑)。ところで、先ほど匿名掲示板を覗くのが趣味だと語られていましたが、『お嬢様系底辺ダンジョン配信者』はダンジョン配信を題材にした作品ですよね。VTuberやストリーマーの生配信なども見られるのでしょうか。

 

正直に言うと、生配信は時間に余裕がなくて、ほとんど見ないんですよね。見るとしても切り抜きやゲーム実況のアーカイブくらいで、普段はニコニコ動画などの動画を見ることが多いです。その影響もあって、作中の視聴者コメントはニコニコ動画っぽいテイストになっています。コメントが生配信のチャット欄に比べて長いのもその影響ですね。それが読者の方にはウケているようで、かつてのニコニコ動画やインターネットのノリを知っている年代から多くの支持をいただいています。

 

 

――ありがとうございます。赤城先生は『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』で第6回小学館ライトノベル大賞ガガガ文庫部門「優秀賞」を受賞し、作家デビューされました。それから作家生活13周年をもうすぐ迎えるわけですが、あらためてここまでの作家生活を振り返っていただけますでしょうか。

 

もう13年ですか!本当に試行錯誤の連続でしたね。特にデビュー時の僕は基本的な部分が足りておらず、創作について分からないことだらけだったんです。今だから話せますが、『下セカ』は投稿作を完全に書き直していたんですよ。発売2ヶ月前の授賞式の時点で、原稿が1枚も書けていないという状態でした……。同期の方々の作品が献本として会場に並んでいるのを見て、冷や汗をかいたのを今でも覚えています。そんな状態からのスタートでしたから、「どんな作品が売れるのか」「自分にどんな作品が書けるのか」と、ひたすら勉強を続けてきました。

 

 

――デビュー作『下セカ』の刊行からキャリアを重ねてこられた中で、それに並ぶ長期シリーズとなった『出会ってひと突きで絶頂除霊!』も今年の3月に完結を迎えられましたよね。

 

『絶頂除霊』は『下セカ』完結後に何を書こうか迷っていたときに、「とにかくアホらしい話を書こう」、そして『下セカ』の延長線上にありながらもエンタメに特化した作品を目指そうと思って書いた作品でした。『絶頂除霊』は2017年出版ですが、企画から考えると実質10年の付き合いだった作品なので、終えるのは寂しかったですね。思えば『下セカ』から『絶頂除霊』と、13年間ずっと下ネタに頭を支配されていたのかもしれないです(笑)。

 

出会ってひと突きで絶頂除霊! 12

※『下セカ』と並ぶロングタイトルとして人気を博した『出会ってひと突きで絶頂除霊!』

 

 

――たしかに下ネタは赤城先生の代名詞的なイメージはあります(笑)。その一方で、下ネタ以外にもファンタジーやダンジョン配信モノなど様々なジャンルを手掛けられていますが、これだけ多様なジャンルに挑戦されている理由はなんなのでしょうか。

 

シンプルに「これ面白いなぁ!」と思える作品が多いからです。最近はWEB小説のおかげで様々なジャンルが次々と生まれていて、ぜんぶ魅力的なんですよね。特に流行っているジャンルには読者を惹きつける優れた型やノウハウが詰め込まれているため、読みやすいと同時に書きやすく、自分でも書いてみたいと思ってしまうんです。もし時間があればすっかり定番となった婚約破棄や悪役令嬢、最近また勢いが増してきた現代ラブコメなどにも飛びついていたかもしれません(笑)。

 

 

――ジャンルの話で言えば、『下セカ』の次に実写映画化もされた『二度めの夏、二度と会えない君』を刊行された時の衝撃は非常に大きかったです。下ネタコメディから一転しての青春小説となったわけですが、あの大胆なジャンル転換にはどのような背景があったのでしょうか。

 

『ニドナツ』については、『下セカ』のアニメで名前が売れているうちに、まったく違うジャンルに挑戦して幅を広げておこうと計算していた部分もありました。とはいえ、ドラマ『ウォーターボーイズ』や小説『プシュケの涙』などからの影響を色濃く受けており、様々なジャンルを面白がることができるからこそ書けた作品という点は変わらないと思います。ちなみに、僕が初めて新人賞に応募した作品は、好きな人と結ばれると死んでしまう人外をテーマにした悲恋モノだったので、『ニドナツ』のほうが原点に近い作品なんです。最初期にハマったラノベが『とらドラ!』や『文学少女』シリーズだったからかもしれません(笑)。

 


        「下セカ」の赤城大空氏が贈るガガガ文庫刊『二度めの夏、二度と会えない君』の実写映画化が決定       0

※『二度めの夏、二度と会えない君』の刊行はライトノベル読者の間に大きな衝撃をもたらした

 

 

――執筆される作品の幅を広げられると同時に、2021年からは活動の場を「カクヨム」にも広げられたわけですが、WEB小説への挑戦はどのようなきっかけがあったのでしょうか。

 

もともとWEB小説には挑戦したいと思っていたのですが、体調やスケジュールの都合で、なかなか踏み出せずにいました。ちょうどその頃、既存シリーズの試し読みをカクヨムに公開しようという話になりまして、操作方法の確認として『淫魔追放』のタイトルとあらすじ、序盤数話をその場で作成して投稿したんです。たぶん誰にも読まれないだろうと思って、数日したら消すつもりだったのですが、投稿から1日も経たないうちに数名の方が評価してくださって。それがきっかけで「せっかく評価していただいたものを消すのも忍びない」と思い、連載を続けていたところ、想像以上に伸びたんです。そうして書き続けていくうちに、無理なく自分のペースで書けるところや、リアルタイムで感想や反応をいただける楽しさに魅了され、本格的に「カクヨム」で活動するようになりました。あとがきなどで「読者の皆様のおかげで執筆が続けられました」と書いていますが、本当に最初の評価がなければ『淫魔追放』も『お嬢様バズ』も生まれていなかったと思います。

 

 

――ありがとうございます。それではあらためて『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』がどんな物語なのか教えてください。

 

本作の舞台はダンジョンが現実に出現し、攻略の風景を配信する「ダンジョン配信者」が人気を博す世界となっています。物語では、アニメと現実の区別がついていないアホの子で、エセお嬢様の山田カリンが巻き起こす騒動を描いています。彼女はアニメのキャラクターに憧れ、その生き様や強さを目指して驀進するのですが、その常識外れな行動や配信が、意図せず視聴者や行政の大混乱、悪の組織の壊滅を招いてしまうんです。カリンが憧れに向かってすべてを薙ぎ倒し、結果として様々な人が救われていくコメディ全開の現代ファンタジーと思ってもらえればよいかと。我ながら元気がもらえる主人公だと思うので、読者の方々にも彼女の活躍で元気になってもらえると嬉しいです。

 

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?

※迷惑系配信者をボコボコにしたのがきっかけで「カリンお嬢様」の名前は日本中に広まっていくことに

 

 

―着想についてもうかがえますでしょうか。

 

着想は、2~3年ほど前にWEBで流行りはじめていたダンジョン配信ものにハマったのがきっかけでした。特に掲示板やコメント欄の部分がツボだったんですよね。言ってしまえばモブの世界観説明やリアクションなんですけど、それをネットのノリに翻訳するだけで、こんなに読みやすく面白くなるのかと驚きました。もともと匿名掲示板やコメントつき動画サイトに入り浸っていたこともあり、「これは楽しく書けそう! というか書きたい!」と思って、隙間時間を使って一気に書き上げたんです。

 

 

――本作は、カクヨムにて年間総合1位に輝き、書籍発売後は「このライトノベルがすごい!2025」や「次にくるライトノベル大賞2024」でも上位にランクインするなど大きな盛り上がりを見せています。これらの反響についてはどのように感じていらっしゃいますか。

 

月並みの感想ですが、嬉しいより先にびっくりしました。ありがたいことに、コミカライズやアニメ化、実写化などのメディアミックスはいろいろと経験していたのですが、「このラノ」や「つぎラノ」のような賞レースには縁がなかったので。本作はネットで応援してくださる方が多いのもあって期待はしていたのですが、ここまで高順位になれるとは思いませんでした。またカクヨムの年間総合1位については、ちょっと珍しい現象が起こっていたんですよ。通常は日間、週間、月間ランキングを順当に獲得してから年間ランキングを取るものですが、『お嬢様バズ』は日間・週間・月間ランキングの1位を取らないまま年間ランキング1位になったんです。継続的に最新話まで追い続けてくださった、熱心な読者の方のおかげだと思うので、感謝しきれません。

 

 

――たしかに「カクヨム」のコメント欄やSNSを見ていても、熱狂的なファンが多いのも本作の特徴かもしれませんね。特に山田カリンというキャラクターへの反響も大きいように感じます。

 

おっしゃる通り、カリンへの反響は本当に大きいです。よく本作を読んで笑ったという感想をいただくんですが、その土台にはカリンの圧倒的な強さと善性があると考えています。この作品は割と物騒な世界観ですが、カリンのキャラクターがそれを上回るほど強烈なので、読者の方にも安心して楽しんでもらえるんだと思います。それから、コメント欄などに僕の一番好きだった頃のネットのノリが反映されているので、そういう古き良きインターネットが好きな方にも刺さっているのだと思います。

 

 

――カリンお嬢様は猪突猛進な部分がありつつ、どこか憎めなさを感じるキャラクターで、見ていて自然と笑顔になってしまうシーンが多いです。それでは、そんな読者から絶大な人気を誇る主人公・山田カリンというキャラクターについてあらたためて教えてください。

 

山田カリンはチンピラ気質の一般家庭出身ながら、アニメのお嬢様キャラに憧れて、その「お優雅」な生き様だけでなく、強さも目指している女の子です。同時にアホの子でもあるので、アニメと現実の区別がついておらず、フィクションの強さを本気で再現しようとしているんですが、それを実現できる才能によって無茶苦茶なことになってしまいます。カリンの魅力はいろいろありますが、核になっているのは子供のように夢と憧れに向かって突き進む純粋な力強さでしょうか。その純粋さに惹かれた周りの人たちが自然とカリンを支えてくれるようになり、彼女との出会いで周囲も良い方向へと変わっていく……そんな風に周りの人も巻き込んで幸せにしていく、とても楽しいキャラクターになっています。

 

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?

※「お優雅」をはき違えた最強お嬢様・山田カリン

 

 

――山田カリンは、アホの子でありながらお嬢様、そして最強という、強烈な個性が融合しているわけですが、このキャラクター造形はどのように生まれたのでしょうか。

 

カリンは、エセお嬢様キャラという僕の好みと、無自覚最強主人公を描く際に、ノイズになりがちな箇所を潰すための計算が混ざって生まれたキャラクターです。無自覚最強主人公は、自分の異常な強さを他者に指摘されても自覚しないことが多いのですが、時折それがノイズになるんです。配信ものは「異常な強さの指摘」をされる機会が非常に多く、無自覚のままだと違和感が大きくなって読み味が悪くなってしまう懸念がありました。そこで主人公が強さを自覚しないことに説得力を持たせる方法を考えた結果、「創作と現実の区別がついていないアホの子」というキャラクターとしての核が生まれました。加えて、「時折口調が荒くなるエセお嬢様」「ステゴロ怪力お嬢様」など、ダンジョン配信モノやアホの子と相性のいい要素を組み合わせて今の形になりました。

 

 

――常識外れな配信で話題を集めるカリンお嬢様ですが、作中の視聴者にウケているポイントはどこだとお考えですか。

 

配信のぶっ飛び具合はもちろん、カリンの善性やウソのつけなさ、純粋に憧れを追い求める姿が大きいのだと思います。ネットの世界はウソや悪意、偽善に凄く敏感なので、そういったものを感じるとそっぽを向かれやすいんです。逆に何も考えてなさそうなアホの子や、愛が迸っている純粋な子は受け入れられやすい。カリンお嬢様はその極地にいるので、安心して配信を視聴できるんだと思います。視聴者以外に味方が多いのも、彼女の「なんか放っておいたらとんでもないことになりそう」という目の離せなさと、裏表がない善性があるからでしょうね。

 

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?

※紅茶切れだけでこの反応……曲がらない「お優雅」へのこだわりがカリンお嬢様が愛される理由の一つ

 

 

――たしかに、カリンには配信モノやVTuberを取り扱った作品で時折取り上げられる「表と裏」や「アバターとリアルのギャップ」みたいな二面性はほとんどないですよね。ナチュラルボーンなトンデモお嬢様という印象が強いです。

 

個人的にはこういった配信系の創作において、主人公やメインキャラの表裏ってそこまで描かれないイメージがあるんですよね。恐らく二面性を活かしたネタやギャップを狙う作風以外では、あまり読者からの印象がよくないためで、これは先ほどお話したネットがウソに敏感であるということが関係していると思っています。そういった考えがあり、表裏は考えていませんでした。それにカリンの場合は「セツナ様のような探索者になりたい」という目標があって、配信はその手段として後から気づいたものなんです。配信のためにキャラクターを演じるのとは真逆なので、カリンの素直さは、意図的に設計したというより、彼女の行動原理を考えていく中で自然とそうなりました。

 

 

――そんな素直なカリンお嬢様ですが、一方でネーミングセンスは独特ですよね。セツナに影響を受けているのに、どうしてネーミングだけはあんなことになってしまうのでしょうか(笑)。セツナが登場する『ダンジョンアライブ』の原作者・もちもちたまご先生が付けた鎧の名前は格好良かっただけに、ギャップが気になります。

 

これはもう完全に彼女の素養ですね(笑)。ネーミングに限らずカリンは「お優雅」の認識が若干ズレてるんですよ。セツナ様も、拳でモンスターをぶっ飛ばしますが、もっと「お優雅」なはずですから。カリンはセツナ様を完全コピーしているわけではなく、自分なりに解釈しているんです。ドレスの色も赤じゃなくて紫を選んでいるように、ネーミングも自分の感性で「お優雅」を追求した結果なんですね。一方で、装備のビジュアルは、彼女の加工技術が高いこともあって格好いいんです。ネーミングとは対照的で皮肉なところですね(笑)。

 

 

――ありがとうございます。それでは続いて、真冬、穂乃花、光姫などカリンお嬢様以外のキャラクターについて教えてください。

 

真冬は「ネットに不慣れなバズ後の主人公にアドバイスを与える参謀友人」枠です。本作の場合、カリンがあまりにも規格外の存在なので、それに対応できる真冬も、ぶっ飛んだ秘密を抱えるキャラクターになっています。「力を持ったクールかつ知的なキャラが秘密裏に主人公を支えている」という関係が好きで、真冬はそれにピタリとはまったキャラクターになってくれました。カリンと違って感情を表に出さないながらも、カリンのことをとても大切に思っている、そんなギャップが良いんですよね。

 

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?

※カリンお嬢様の活動を裏から支える参謀役の親友・真冬

 

穂乃花はカリンの手で悪徳クランから助けられ才能を開花させる、作中では希少な常識人枠です。ただ彼女も悪徳クランでの経験やカリンお嬢様と絡んだことで、常人とはかけ離れている部分が出てきています。『ONE PIECE』のウソップや『ダイの大冒険』のポップに近いポジションなのかなと思います。これからも怪物たちに囲まれながら頑張ってほしいです(笑)。

 

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?

※カリンお嬢様に助けられたことによって驚異的な成長を遂げる穂乃花

 

光姫は……光姫ですねぇ(笑)。エセお嬢様であるカリンの対となる真のお嬢様人気ダンジョン配信者となっております。彼女はとある秘密を抱えており、その暴露回であるWEB版56話では応援コメントが400近くなるという盛り上がりでした。光姫はカリンへの愛が強すぎて、それで暴れ回る姿が書いていて楽しいキャラクターです。カリンとはまた別ベクトルで好きなことへ真っすぐなのが魅力です。

 

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?

※熱烈なファンでありながら、カリンお嬢様の汚点を作った元凶だったりする光姫

 

 

――カリンと他のキャラクターによる絡みは、読者として自然と口角が上がってしまうシーンも多かったです。書いていて楽しいと感じる組み合わせ、お気に入りの組み合わせなどはありますか。

 

お気に入りの組み合わせは戦争が起きそうですが、王道のカリン×真冬ですね!真冬はカリンとは対照的な要素が多くて掛け合いが書きやすいペアです。謀略の真冬と暴力のカリンで問題解決の役割が分かれていて、ワンセットのパートナー感が強いのも書いていて楽しいところです。初期はずっとこの二人だけで話が回っていましたし、作品の根幹になるペアとなっています。

 

 

――ネームドキャラクターについてお聞きしましたが、一方で名前のない視聴者コメントや掲示板の書き込みも作品の重要な要素ですよね。こうしたモブの声を書く際には、どのようなことを意識されているのでしょうか。

 

カリンお嬢様が底抜けにアホな女の子なので、性的な内容や下ネタ系のコメントはノイズになってしまうかと思い、極力書かないようにしています。書くとしても、彼女がやらかした際のツッコミくらいで、セクハラめいたものは意識して避けています。過去作品とは本当に対照的ですね(笑)。それと、カクヨムでの連載なので、1話の中に笑ったり、ツッコミを入れたくなる要素を入れるようにしています。コメントが登場する話では、特にそのあたりを意識していますね。

 

 

――では、続いてイラストについてお聞きできればと思います。本作のイラストは福きつね先生が担当されていますが、お気に入りのイラストについて教えてください。

 

これはまた難しい……!福きつね先生のイラストはどれも素晴らしいんですよね。いくつか挙げると、まず1巻の地面を殴り壊すシーンです。福きつね先生のイラストは女の子が可愛らしいのはもちろん、バトルシーンも迫力があるんですよね。1巻のワイアームや2巻の暴風龍を殴り倒すシーンも、モンスターの迫力がよく表現されていて良かったです。

 

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?

※カリンお嬢様のパワーが表現されたイラストには注目してほしい

 

それから2巻のカリンお嬢様がセツナ様から髪飾りをもらうイラストも印象的です。セツナ様のデザインがかっこよく、「お優雅」ですし、カリンお嬢様がセツナ様に髪をとかしてもらっている様子が尊いんですよね。イラストをいただいたときには、イラストの中で悲鳴をあげるカリンお嬢様のようになっていました(笑)。

 

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?

※憧れの存在である『ダンジョンアライブ』のセツナ様との貴重なツーショット

 

 

あと4巻の特典アクリルスタンドの、《魔竜鎧装・雷式》とクソでかハンマーを装備したカリンお嬢様も「お優雅」でした!ドレス姿も素敵ですが、黄金の鎧とポーズが躍動感と美しさを際立たせていて、素晴らしい一枚だと思います。

 

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?

※右手にティーカップ、左手に巨大なハンマー、カリンお嬢様の「お優雅」が詰め込まれた一枚

 

 

福きつね先生には「可愛らしさ」、「迫力」、「美しさ」など、『お嬢様バズ』の様々な魅力を引き出していただいて、本当に感謝しています。よく「イラストだけで買う価値がある」という言葉が使われますが、本作のイラストはまさにその通りだと思います。WEBで本編を楽しんでいただいた方にも、ぜひ手元に置いていただきたいです。

 

 

――さらに「サンデーうぇぶり」にて山田孝太郎先生によるコミカライズ連載も開始されました。漫画ならではの魅力や見どころはどんなところだと思いますか。

 

主人公・山田カリンの可愛らしさとバトルの迫力の両方がよく表現されているのは大きな魅力です。モンスターやカリンの拳は迫力がありますし、カリンのコロコロ変わる表情など、小説では表現しきれない部分を視覚的に楽しめて、見ていて飽きません。それから、配信モノはメディアミックスをする上でコメント欄の表現が難しいんですが、『お嬢様バズ』はコメントが長いのでなおさら大変なんですよね。でも山田先生がうまく解決してくださったので、新規の方にも読みやすくなっています。

 

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?

※カリンの目まぐるしく変わる表情や動きに注目(連載ページはこちら

 

 

――続いて発売された第4巻の見どころを教えてください。

 

4巻では、前巻でふっかけられた自作自演疑惑を吹き飛ばすため、国家最強級の探索者集団でも攻略に手こずるダンジョン深層にカリンお嬢様がソロでカチ込んでいきます。見どころはそんな彼女の大暴れと、それに翻弄される敵組織の姿ですね(笑)。普段は配信で周囲を振り回しているカリンお嬢様ですが、今回は被害者がほぼ敵組織です。また、カリンお嬢様のモンスター攻略が大喜利みたいになっているところも注目ポイントでしょうか。色々な能力を持つモンスターを拳で粉砕していく攻略プロセスを、作中の視聴者たちとともに突っ込んだり笑ったりしながら楽しんでいただけると嬉しいです。敵組織の方以外はきっと楽しめる配信です!

 

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?

※前人未到の深層ソロ攻略をきっかけにカリンお嬢様の化けの皮がさらに剝がれていくことに

 

 

――今後の目標や野望について教えてください。

 

これからも読者の皆様に楽しんでいただける作品作りを続けていきたいですね。コミカライズのような新しい展開、「このラノ」「つぎラノ」のような嬉しいご報告ができるといいなと思っています。課題としては、体調によって作品を生み出すペースにばらつきがあるので、そこを安定させられればと思っています。

 

 

――それでは最後にファンのみなさんに向けてメッセージをお願いします。

 

いつもお伝えしていることですが、こうして各所で注目していただける作品になれたのは皆様のおかげです。WEB連載版で毎回100件近い応援コメントをいただけるばかりか、書籍の評価でも嬉しい声を寄せてくださるおかげで、多くの方にカリンお嬢様の配信が届くようになりました。まさに、カリン党の人たちが切り抜きや口コミでカリンのことを広めてくれているのと同じです。本当に感謝しています。書籍、コミカライズ、WEB版と、『お嬢様バズ』はさらに盛り上がっていく予定ですので、引き続き楽しんでいただければ幸いです。

 

 

 

 

――ありがとうございました。

 

 

<了>

 

 

アホの子にしてエセお嬢様である山田カリンが、常識外れの配信で日本中に混沌をもたらしていく現代ダンジョン配信コメディを綴った赤城大空先生にお話をうかがいました。愛さずにはいられないカリンお嬢様の活躍はもちろん、カオスなコメント欄や掲示板のノリなど魅力たっぷりの本作。カリンお嬢様から元気を貰えること間違いなしの『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』は必読です!

 

<取材・構成:ラノベニュースオンライン編集部・宮嵜/鈴木>

 

©赤城大空福きつね/小学館「ガガガ文庫」刊

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【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう: けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!? (ガガガ文庫 ガあ 11-32)

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