【レポート】「転生したらスライムだった件 転スラ 10thライブ」のオフィシャルレポートが到着
2023年12月16日(土)に松戸市文化会館にて行われた「転生したらスライムだった件 転スラ 10thライブ」の模様をお届けする。本イベントは『転スラ』10周年プロジェクトの集大成として開催されたもので、朗読やアーティストによるライブをはじめ、最新作となるアニメ第3期の最新情報も告知されるなど、大きな盛り上がりをみせた。
シリーズ累計発行部数4,000万部突破の異世界ファンタジー作品『転生したらスライムだった件』(以下、『転スラ』)のWEB小説連載開始10周年を記念したライブイベント「転スラ 10th ライブ」が、12月16日、松戸・森のホール21で開催。主要キャストと主題歌アーティストたちによる朗読劇やライブパフォーマンスが約2時間半に渡って繰り広げられ、『転スラ』愛に溢れた一夜となった。今回のライブには、岡咲美保(リムル役)、豊口めぐみ(智慧之王役)、前野智昭(ヴェルドラ役)、日高里菜(ミリム役)、古川慎(ベニマル役)、田所あずさ(クロエ役)、熊田茜音(エレン役)と、主題歌を担当するMindaRyn、TRUE、STEREO DIVE FOUNDATIONの計10組が出演。さらにライブ開演前には嬉しいサプライズとして、“原初の悪魔”の3人、ヴィオレ(CV:富田美憂)、ブラン(CV:内山夕実)、ジョーヌ(CV:長谷川育美)が音声で特別出演して会場を盛り上げた。
ライブは、キャストによる朗読劇を挟む形で進行。ジュラ・テンペスト連邦国の歴史をまとめたエレン制作の絵本に、リムルが名前を付けることで不思議な力を獲得し、各章に名前を付けるたびに光を放ってライブパートに転換、アニメの名シーンをバックに主題歌アーティストがそれぞれの担当楽曲を歌唱するという贅沢な内容だ。最初の朗読パートで、リムルがその絵本に名付けたタイトルは「Nameless Story」。するとTVアニメ第1期オープニング主題歌第1弾、寺島拓篤「Nameless Story」がオープニングアニメ映像と共に流され、すべての物語の始まりが演出される(※寺島拓篤は体調不良のため出演キャンセル)。
朗読パートを経て、ステージに颯爽と現れたのはMindaRyn。劇場版『転⽣したらスライムだった件 紅蓮の絆編』主題歌「Make Me Feel Better」を熱唱し、客席もリムル型のペンライトを振って盛り上がる。歌い終えて「転スラファミリーの一員になれて幸せ」と語った彼女は、さらに「Like Flames」をリムルとクレイマンの最終決戦のシーンをバックに力強く歌い上げる。
続いてクロエ役の田所あずさが主題歌アーティストとして登場。リムルの強さやシズとの絆をイメージして制作された「リトルソルジャー」を、笑顔を浮かべながら爽やかに届ける。さらに岡咲美保が「ココロトラベル」を披露。リムル役の彼女が、アーティストとして『転スラ』に寄り添うにあたって意識したのは“思い出”。その可憐かつ優しい歌声が観客の心を温かくする。ステージ中央に置かれたリムルのオブジェを撫でる姿も微笑ましい。そしてエネルギッシュなパフォーマンスで会場に熱気を注いだのがエレン役の熊田茜音。STEREO DIVE FOUNDATIONとしても活動しているR・O・Nが楽曲提供した「Brand new diary」と「VISIONS(feat. 寺島拓篤)」の2曲を客席を煽りながら元気いっぱいに歌い上げてみせた。
その後のトークパートでは、『転スラ』10年の歴史をまとめた年表を見ながらキャストが思い出を振り返る。ミリム役の日高はアニメ化前に原作のナレーションを担当していたという裏話や、熊田がラジオ番組「転スラジオ」で古川に失礼をしてしまった“なんすか事件”の話題が掘り起こされてジャンピング土下座する一幕もあった。そこから主題歌アーティストの3組も加わり、今度は楽曲の制作エピソードを中心に興味深い話題が次々と飛び出す。なかでもTRUEとSTEREO DIVE FOUNDATIONが担当したTVアニメ第2期のオープニングとエンディング主題歌は当初、偶然にも同じタイトル(「Storyteller」)が付けられていたという話には、キャストも驚いていた。
そしてライブは後半戦へ。TRUEはTVアニメ第2期の前奏曲として制作された「黎明」を皮切りに全5曲を歌唱。その「黎明」は第34話のリムルが“神之怒(メギド)”を放つシーンと共に歌われ、厳かな世界観に観る者すべてが引き込まれる。そこから一転して「Storyteller」を晴れやかに届けると、爽快さの中に強い意志が滲む「Another colony」、神秘的なサウンドと壮大な歌声がマッチした「浄歌」、「リムルの中のあの子のために歌います」との言葉に続いて歌われた「僕の中の君へ」と、主題歌や挿入歌としてアニメを彩った名曲を歌い繋いでいく。続くSTEREO DIVE FOUNDATIONは、キーボードなどの機材を用いて演奏しながらパフォーマンス。イントロにシーケンスのリズムを加えてクラブミュージックの要素を強めた「MONOGRAM」、DJプレイ的に披露された「Indigo & Tangerine -Rimuru ver.-」に続いては、「SPARKLES」が劇場版『転⽣したらスライムだった件 紅蓮の絆編』の印象的なシーンをバックに歌われて感動を誘う。最後はポジティブなメッセージとエンディングアニメが背中を押してくれる「STORYSEEKER」で締め括った。
ここでリムルと智慧之王の朗読パートが挟まれ、絵本からのお礼として届けられたのは、ヒナタ・サカグチとの因縁を描くTVアニメ第3期の特報映像。2024年4月より日本テレビ系各局とBS11にて連続2クールで放送されることが発表され、客席からは喜びの声と拍手が上がる。さらにSTEREO DIVE FOUNDATIONが担当する第3期オープニング主題歌「PEACEKEEPER」がサプライズで初披露され、会場はこの日最大級の歓声で応える。R・O・Nいわく「速い」「エモい」「ポップ」「バンドサウンド」という『転スラ』らしさを意識したというこの楽曲、サビには合唱しやすいパートも盛り込まれており、新たなアンセムになることは間違いなさそうだ。
エンディングでは、出演者全員に加えてリムル(人間体)のかわいらしい着ぐるみが登場し、ファンと一緒に記念撮影。さらにアンコールで再び全員がステージに上がると、TVアニメ『転⽣したらスライムだった件 転スラ⽇記』エンディング主題歌「カモナ・テンペスト!」をみんなでワイワイと歌唱。岡咲はリムルの声音で「転スラ10周年、ほんとにありがとなー」と感謝の言葉を届け、『転スラ』らしい賑やかなムードの中、10周年を記念した祝宴は大団円を迎えた。
TEXT:北野創
Photographer:江藤はんな
©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
[関連サイト]