氷室冴子氏の伝説の名作『銀の海 金の大地』全11巻が集英社オレンジ文庫より復刊 朗読ムービーやトークショーイベントなどの記念企画も

コバルト文庫より刊行されていた『銀の海 金の大地』全11巻が、集英社オレンジ文庫より復刊が決定し、このたび第1巻が発売された。本作はコバルト文庫の人気作家だった氷室冴子氏による、『古事記』をベースにした古代歴史転生ファンタジー小説となり、1992年から1995年にかけて刊行されていた。2025年で10周年を迎える集英社オレンジ文庫は、ファンからの復刊を望む声に応えると共に、氷室冴子氏の作品のすばらしさを新たに若い世代にも知ってもらいたいという思いから、全11巻を2025年の1月から11月にかけて、毎月1冊ずつ刊行する。カバーイラストや挿絵は、コバルト文庫版でも装画を担当した飯田晴子氏による描き下ろしとなっており、同氏による冒頭ストーリーの描き下ろしマンガも復刊サイトにて公開。巻末には氷室冴子氏ゆかりの文筆家11名による解説を収録しており、第1巻では書評家の嵯峨景子氏がコメントを寄せた。あわせて、解説陣と集英社オレンジ文庫編集長・大好環美氏よりコメントも到着している。

 

 

銀の海 金の大地

 

 

【あらすじ】

舞台は古代日本――湖の国・淡海。14歳の少女・真秀は、複雑な生い立ちのため人々から疎外されながらも、病で寝たきりの母・御影(みかげ)と、目も耳も不自由だが不思議な霊力をもつ兄・真澄(ますみ)とともに気丈に生きていた。ある日、真秀は母の病にきく薬をもらうため丹波行きの船に乗るのだが…。『古事記』を愛した氷室冴子が全力をかけて綴った超弩級のエンターテインメント小説!

 

 

■第1~7巻に寄稿する作家・書評家7名&集英社オレンジ文庫編集長よりコメント


青山美智子(作家)

不条理に屈することなく、全身全霊で愛する人を守り抜く。止まらない指でページをめくり、真秀と心を合わせるたびいつも思い出される。ああ、そうだった。私たちにも皆、こんな強い力を自分の中に秘め、携えているのだと


嵯峨景子(書評家)

『古事記』を下敷きにした氷室冴子最後の長編小説は、禍々しくも魅惑的な古代ファンタジーの超名作


佐原ひかり(作家)

幸福な没入感と手に汗握る臨場感。1ページ先も読めない展開。ぶつかり合う信念と誇り。宿命と憎しみに翻弄されるロマンス。そしてなにより、弱さにもがき、踏みつけられることに憤り、理不尽に真っ向から立ち向かっていくヒロイン。『銀の海 金の大地』は、私が少女小説に求めるものすべてが詰まった小説です


高瀬隼子(作家)

真秀たちに、また出会え直せるなんて。十代だったあの頃、氷室冴子作品から受け取った勇気や愛、そしてかなしみや苦しみを自分の言葉で表現する力を、抱え、育てながら大人になりました。今、大人の心でもう一度『銀金』の世界を旅できること、本当に幸せに思います


平戸萌(作家)

「胸のうちの勇気を恃みに、ひとりの人間として世界に足を踏み出していく真秀の姿。これほど鮮やかな成長の瞬間を、ほかに見たことがありません!


町田そのこ(作家)

こんなにも幸せを願った物語はない。銀金は私にとって、永遠の祈りです


夢枕獏(作家)

世間もぼくも、氷室冴子という作家がいたことを忘れたわけではない。忘れていないからこそ、今、ここにこのような冴子さんの本が、再刊されるわけである


集英社オレンジ文庫編集長・大好環美

80年代から90年代にかけて氷室冴子作品を吸収しながら多感な時期を過ごした少女たちにとって、『銀の海 金の大地』シリーズは、心の拠り所とも言うべき大事な物語でした。訳のわからない不安や、理不尽な現実に負けずに生きていくための支えになる、それくらい力みなぎる作品であったにも関わらず、復刊も電子書籍化もされずにきたこのシリーズを今、復刊できることを大変幸せに思います。あの頃「少女」だった大人たちはもちろん、今10代や20代の若い人たちにもぜひ手にとってほしい。作品世界、人物、テーマ……どれをとっても心惹かれずにはいられない。無我夢中になれる読書時間をお楽しみください


 

 

そして宝塚歌劇団出身俳優による名シーンの朗読ムービーも公開されており、第1~3巻を愛希れいかさん、第3~6巻を真彩希帆さん、第7~9巻を華優希さん、第10~11巻を真飛聖さんが担当する。朗読ムービーは本作を購入し、帯についている二次元コードを読み取ると、その巻の名シーンの朗読ムービーを楽しむことができる。なお、各キャストの朗読ムービーの一部と収録後のアフタートーク動画も、YouTubeにて順次公開される。

 

 

銀の海 金の大地

 

 

【愛希れいかさん】『銀の海 金の大地』名シーン朗読ムービーコメント映像

 

 

さらに、復刊を記念して、作家の佐原ひかり氏と書評家の嵯峨景子氏が、本作との出会いや惹かれた場所、どんな影響を受けたかなどを語るトークショーも開催される。来場者には飯田晴子氏描き下ろしイラストカードも配布される。トークショーは会場とオンライン、それぞれでの参加が可能となっており、参加申し込みは「丸善ジュンク堂の特設サイト」にて行われている。

 

氷室冴子『銀の海 金の大地』復刊記念!「銀金愛」を語る夕べ

開催日: 2025年2月7日(金)

会場: ジュンク堂書店池袋本店9階イベントスペース

時間: 19:00~

出演: 佐原ひかり(作家)・嵯峨景子(書評家)

 

 

復刊版『銀の海 金の大地』第1巻は、集英社オレンジ文庫より発売中。最新2巻も2025年2月19日発売。

 

 

©氷室冴子・飯田晴子/集英社オレンジ文庫

kiji

[関連サイト]

『銀の海 金の大地』復刊サイト

集英社オレンジ文庫公式サイト

 

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銀の海 金の大地 2 (集英社オレンジ文庫)
銀の海 金の大地 1 (集英社オレンジ文庫)

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