【日刊試読タイム】『読者(ぼく)と主人公(かのじょ)と二人のこれから』(電撃文庫)

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さて、今回は電撃文庫が2017年4月8日に発売する『読者(ぼく)と主人公(かのじょ)と二人のこれから』。まずはジャケットとあらすじをチェックしてみましょう。

【あらすじ】

この物語さえあれば、他に何もいらない。この小説『十四歳』と、その中に確かに息づく主人公、トキコがいれば――だが、彼女は俺の前に現れた。灰色の毎日の始まりになるはずだった、新学年のホームルーム。黒板の前に立った彼女こそは、俺が手にした物語の中にいたはずの「トキコ」だった。不器用に近づいていく二人の距離。物語の中にいる「トキコ」と、目の前にいる「柊時子」のあいだで、奇妙に絡まってゆく想い。出会うはずがなかった読者と主人公の物語。その結末にあるものは――。

著者は岬鷺宮先生。イラストはHiten先生。岬鷺宮先生は第19回電撃小説大賞「電撃文庫MAGAZINE賞」を『失恋探偵ももせ』にて受賞し、デビューされた作家です。本作はある小説の主人公のモデルとして描かれた女の子と、その作品の読者の少年が出会って始まる青春ストーリーとなりそうです。試し読みでは約45ページが公開されています。挿絵も2枚確認できるので、早速チェックチェック!

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出会えるはずのなかった二人が出会い、始まるストーリー。

主人公は小説『十四歳』の主人公「トキコ」に強い共感を覚える少年、細野。人との関わりを避けるようになってから出会った一冊の小説。作中に登場する「トキコ」の想いや考え方に強く共感し、何度も何度も読み返すほど大好きな作品となったのです。そして高校への入学を迎え、和気藹々とする教室の空気に居心地の悪さを感じていた矢先、自己紹介タイムで檀上に立った一人の女の子に釘付けとなってしまうのです。

そのクラスメイトの名前は柊時子。小説『十四歳』の主人公「トキコ」と同じ名前であることはまだあり得ることで、気に留めるほどのことではないと。なのに本文中で描かれる髪飾り、声や佇まい、姉がいることや中学時代は文芸部に所属していたことなど、同一人物なのではないかと錯覚するほど共通点が多いことに気付きます。ずっと頭の中でイメージしてきた「トキコ」そのものの女の子と、出会うことになるのです。

単純な見間違え。小説の主人公が現実にいるわけがない。そんな思いとは裏腹に、作中の一節一節で描かれる「トキコ」の姿が、やはり柊時子の姿と重なることへ少しずつ確信を得ていくことになります。彼女の好きな小説、部屋に飾っている油絵、お気に入りのラジオ番組。そして作中の主人公「トキコ」の考える生き方。あらゆる要素の一致はかくして、柊時子本人から小説『十四歳』の主人公「トキコ」は自分がモデルとなっていることを打ち明けられることになるのです。

試し読みでは、姉の書く小説のモデルになっていたことを打ち明けられるところまでが公開されています。そして、「ただのクラスメイト」として過ごすはずだった読者の少年と主人公だった少女が出会ったことで、二人の毎日にどのような変化が訪れることになるのか、大変気になるストーリーですね。

気になった方はぜひ試し読みをチェック! さらに物語の続きが気になった方は発売日に書店へGOです!

【日刊試読タイム】とは

試し読みが公開されている発売間近の作品を試し読みを通して紹介します。

©岬鷺宮/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 イラスト:Hiten

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