独占インタビュー「ラノベの素」 犬君雀先生『サンタクロースを殺した。そして、キスをした。』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2020年6月18日にガガガ文庫より『サンタクロースを殺した。そして、キスをした。』が発売となる犬君雀先生です。第14回小学館ライトノベル大賞にて「優秀賞」を同作で受賞し、満を持してデビューされます。「クリスマスを消す」という目的のために、疑似的な彼氏彼女となった大学生の青年と高校生の女の子。ビターな青春ものとしての色合いも濃く、その結末に抱く印象も読み手によって大きく変わるであろう作品です。作品誕生にまつわるエピソードはもちろん、物語の内容やキャラクターについてなど様々にお聞きました。

 

 

サンタクロースを殺した。そして、キスをした。

 

 

【あらすじ】

聖夜を間近に控えた12月初旬。先輩にフラれた僕は駅前のイルミネーションを眺め、どうしようもない苛立ちと悲しさに震えていた。クリスマスなんて、なくなってしまえばいいのに……。そんな僕の前に突如現れた、高校生らしい一人の少女。「出来ますよ、クリスマスをなくすこと」彼女の持つノートは『望まない願いのみを叶える』ことが出来るらしい。ノートの力で消すために、クリスマスを好きになる必要がある。だから――「私と、疑似的な恋人になってください」これは僕と少女の奇妙な関係から始まる、恋を終わらせるための物語。

 

 

――それでは自己紹介からお願いします。

 

第14回小学館ライトノベル大賞にて「優秀賞」をいただきました犬君雀です。よく間違われるのですが「いぬきみ」ではなく「いぬき」です(笑)。出身は北陸地方で、現在は都内の大学に通っています。好きなものは夏と煙草と公衆電話、ほかにも散歩や喫茶店なんかも好きですね。苦手なものは虫が全般的にダメです。

 

 

――最近は見る機会も減少しつつある公衆電話がお好きとのことですが、公衆電話マニアなんですか?

 

いえ、想像されているマニアとは違うと思います(笑)。型番とか年代などに郷愁を感じるタイプではなくて、公衆電話の雰囲気って言えばいいんですかね。たとえば夜中に散歩をしていて、ちょっと公園の端っこに公衆電話があったりするじゃないですか。遠くから外灯に照らされて佇む電話BOX、そういう雰囲気がすごく好きなんですよ。たまらず意味もなく誰かに電話をかけたりしますよね。

 

 

――雰囲気を感じるだけでなく、実際に使われてもいるんですね。携帯やスマホを持たれていない、というわけではないんですよね。

 

そうですね。スマホは持ちつつも、敢えて公衆電話を使う感じです。使う時は具体的に何を話すわけではないんですけど、手元にある小銭を使って、友達とかにかけたりしています。その日その日で、プロポーズ的な意味とは別に「月が綺麗だね」とか、とりとめのない話をすることが多いです。

 

 

――あまり都会の大学生、という雰囲気ではないですね(笑)。

 

そうかもしれませんけど、どうなんでしょう(笑)。僕自身、大学ではサークルに入っているんですけど、なかなか自分好みのサークルが見つからなくて、いくつか立ち上げたんです。それこそ、電話をしたいと思った時に迷惑をかけずに気兼ねなく電話できる「公衆電話サークル」であったり、深夜に集まってただ散歩をするだけの「深夜徘徊サークル」であったり。なんというか、あまり意味がないと思われることを積極的にしたかったんですよね。今どきのみんなはスマホを持っているし、LINEで気軽に連絡を取り合える時代。だからこそ敢えて小銭を使ってまで公衆電話を使う意味は、あんまりないじゃないですか。そういうところに自分の気持ちが惹かれやすいんです。

 

 

――犬君先生ご自身から、底知れぬエモさの片鱗を感じます(笑)。よければ最近ハマっているものなども教えてください。

 

ようやく自粛ムードも緩和されてきましたが、散歩もしづらい時期が続いていましたよね。とはいえ、最近はずっと原稿に取り掛かりっぱなしでしたが(笑)。ただ、ちょっとさすがに運動不足だと思い、Nintendo Switchの「フィットボクシング」を購入したんです。そこからハマれたらよかったんですが、2回程プレイしてから手つかずでして……思っていたよりもキツかったです(笑)。

 

 

――ありがとうございます(笑)。では続いて、第14回小学館ライトノベル大賞「優秀賞」受賞の感想をお聞かせください。

 

はじめて電話をいただいた時は、本当に驚きました。電話の内容が全然頭に入ってこなくて、何の話をしているんだろうと思いながら、魂の抜けたうわの空で応対をしていたと思います(笑)。それからは時間が経つにつれて、今度は本当に出版するんだって不安が押し寄せてきました。改稿前にはどこを直せばいいんだろうとか、僕の小説が世の中に受け入れてもらえるだろうかとか。振り返ってみても押し寄せる波が強すぎて、純粋に「やったー!」という気持ちはあまり湧かなかったように思います(笑)。

 

 

――小学館ライトノベル大賞に応募しようと思った理由はなんだったのでしょうか。

 

小説は高校生の頃にはじめて長編を書きあげ、一番はじめに応募したのが小学館ライトノベル大賞でした。その当時は結果が振るわず、その後はライトノベルだけでなくキャラ文芸に類する公募などにも応募していました。今回あらためて小学館ライトノベル大賞に応募したのは昨年の受賞作『夏へのトンネル、さよならの出口』の存在が大きかったです。大変おこがましいんですけど、『夏へのトンネル、さよならの出口』を読んだ友人から「お前と雰囲気や方向性が似ている」「ジャンルとしての系統が似ている」という話を聞かされて、あらためて応募してみようと思ったんです。僕自身が想定している読者層が高校生や大学生をはじめとした若い人達であることも、ライトノベルというジャンルで応募しようと思ったきっかけでもありますね。

 

 

――そしてこのたび犬君先生は見事受賞されたわけですが、活字自体はもともと得意ではなかったんですよね?

 

そうですね(笑)。もちろん好きな本や好きな作家さんはいますけど、小説よりは映画の方が好きでした。

 

 

――得意ではないにも関わらず、なぜ小説を書こうと思われたのですか。

 

ちょっと漫画や小説みたいなお話になるんですけど、僕は中学校からずっとソフトテニスをやっていて、高校はソフトテニスの強豪校に入ったんです。その学校にはほとんど活用されていない仕組みだったんですが、兼部というシステムがありまして、運動部と文化部にひとつずつ入ることができたんですね。僕としては、せっかくシステムがあるのだから使ってみようと思って、いくつか文化部を見学していたんです。そのひとつに文芸部がありました。空き教室でひとり、女の子が読書をしていたんです。窓が少し開いて、風や桜が舞い込んでいて、ふとお互いの目が合う、みたいな状況になりました。その女の子が文芸部に入部するということだったので、じゃあ僕も入ります、みたいな(笑)。当時は小説も書いたことがなければ、たくさん本を読んでいたわけでもないのに、です。一方で、実際に小説を書く機会が生まれ、そこで初めて「あ、これが自分のやりたいことかもしれない」と感じ、本格的に執筆活動をスタートさせました。

 

 

――いろんな作品とデジャヴするボーイ・ミーツ・ガールのような一幕があったんですね(笑)。

 

ここから先のインタビューにも彼女の存在は何回か登場するかもしれません。初恋ではありましたけど、今はほとんど連絡は取っていませんね(笑)。

 

 

――それではあらためて、受賞作『サンタクロースを殺した。そして、キスをした。』はどんな物語なのか教えてください。

 

本作は恋を引きずる主人公と、自分が望まないことだけを叶えてくれるノートを持つ女の子が、クリスマスを消すために疑似的な恋愛関係を結ぶ物語です。この作品にはいろんなテーマや価値観を入れたつもりで、どれが正しくどれが間違っているとかではなく、様々な考え方を提示することで、読者のみなさんに考えるきっかけにしてもらえたらという想いを強く込めています。

 

サンタクロースを殺した。そして、キスをした。口絵1

※クリスマスを消すために、二人は疑似的な彼氏彼女の関係に……。

 

 

――本作は非常にビターな青春ストーリーという印象を受けました。着想はなんだったのでしょうか。

 

着想のきっかけは1、2年前のクリスマスですね。先ほど登場した初恋の女の子と、今年のクリスマスにお互い予定がなかったら電話をしようという約束をしていたんです。当時はお互いに恋人がいないことは知りつつ、住んでいるところは遠く、たまに電話をするくらいの仲でした。そして当日、残念ながら彼女の方に予定が入ってしまい、電話をすることなく一人で過ごすことになってしまったんです。おとなしく家に引きこもっているのも癪でしたし、寂しくて死にそうだったので、当時住んでいた最寄りの駅に足を運びました。世間はクリスマスなので、みんな駅の改札を出たところで、恋人やパートナーを待っているわけです。その中に僕も何食わぬ顔で加わって、孤独じゃない安心感を味わっていたんです。

 

 

――一応確認なのですが、今でこそ笑い話という位置付けで、お話を聞いていれば大丈夫ですよね……?

 

はい、大丈夫です(笑)。当時は笑い飛ばせるような心境ではなかったですけど、今となっては笑い話です。それで、最初は寂しくならないようにするという目的を達成できていたんですけど、1時間くらい経った頃ですかね。僕の隣に自分と同年齢くらいの男の子がいて、改札に向かって手を振ったんですよ。そしたら改札から女の子が走ってきて、「待った?」とか「待ってないよ」とかそんな会話をするわけです。正直、隣でそんなやり取りを見せられて、「は?」みたいな(笑)。当初の寂しさを紛らわすという目的は一気に果たせなくなってしまうし、普通にただただ悲しいし、何をやっているんだろうという心境になっちゃって。で、家に帰ろうと思ったら、駅前ですからイルミネーションが輝いているわけですね。そこで思ったんです。「ああ、クリスマスなんて消してやろう」って。これがこの物語の原型ですね(笑)。

 

 

――つまりこの物語の根源には怨嗟があると……?

 

そういった面も否定はしませんが、怨嗟や復讐的な意味合いよりも、共存っていう言葉が近いのかな……。悲しくてクリスマスを消したいと思いましたけど、この綺麗なクリスマスの中で、抱いた悲しみをうまくやり過ごす方法はないのか、と考えました。

 

 

――なるほど。また本作はキャラクターに呼称こそあれ、名前がないことも大きな特徴ですよね。

 

これにも理由がありまして、当初は作品的な意図をまったくしていませんでした。本作の執筆前にもうひとつ長編を書いていて、その当時はまったく気付いていなかったのですが、3ヶ月後くらいですかね。主人公とヒロインの苗字と名前をあわせたら、かつて僕が好きだった女の子のフルネームになっていたという事実に気付いたんです。まったくの無意識だっただけに、これはよくないと思いました。キャラクターに名前を付けることは、こんなにもリスクの大きなことなのだと……!

 

サンタクロースを殺した。そして、キスをした。挿絵4

※登場するキャラクターに名前がないのも本作の特徴。

 

 

――なる、ほど……?

 

なので、次作は絶対にキャラクターに名前を付けないと決めて執筆しました。実際に新人賞に応募した原稿にもキャラクターに名前はありませんでしたし、受賞後の最初の打ち合わせでも、担当編集の方から「名前がないのはなんで?」と聞かれ、同様のお話をさせていただきました(笑)。一方で、作品としての観点から、雰囲気が大切な小説でもあるので、名前がないほうが作品としての良さに繋がるだろうというお話もいただき、キャラクターは名前がないままとなっています。

 

 

――個人的な理由と作品としての理由が見事マッチングしたんですね(笑)。逆にキャラクターの名前を付けないことに対する、物語としてのリスクは考えなかったのでしょうか。

 

そうですね。パッと思いつくキャラクターに名前がないリスクは、多人数で会話をしている時に誰が誰に語っているのかわからない状態になりやすいことなのかなと。ただ、本作では3人以上で会話をするシーンが極端に少ないですし、1人での回想や2人での会話が多いです。名前がないとは言っても、呼称はあったので、そこまで困りませんでした。

 

 

――それでは名前のない本作に登場するキャラクターについても教えてください。

 

まず少女に「犯罪者さん」と呼ばれる主人公は、大学二年生の青年です。酒は飲むわ、タバコを吸うわ、授業はサボるわ、典型的なダメ大学生のような部分があります。半年前に別れた恋人である「先輩」とのことを引きずっていて、何かにつけて「先輩」を思い出して悲しくなっています。個人的にはキャラクターキャラクターしていないというか、内気で退廃的なリアルの大学生をイメージしています。

 

犯罪者さん

※内気で退廃的な大学生・犯罪者さん

 

次に主人公を「犯罪者さん」と呼ぶ高校生の「少女」は、高校三年生で本作のヒロインです。望んでいないことだけを叶えるノートを所持しており、クリスマスを消すという目的のために主人公を脅迫して行動しています。性格的にはちょっとクールでつっけんどんな感じでしょうか。常に主人公を罵っている印象が強いですが、根はすごく律義な女の子で、たまにみせる女の子らしさが可愛くもあると思っています。

 

高校生の少女

※クリスマスを消すという目的を持つ少女

 

「先輩」は主人公と半年前まで恋人関係にあった社会人の女性です。ミステリアスな部分も多く、雰囲気はタバコの煙のように儚く消えてしまいそうな人です。いつもどこか寂しそうな表情を浮かべているのですが、包容力は強めです。彼女に関してはこの作品において僕自身、もっとも創作が入っているキャラクターだと思っていて、お気に入りのキャラクターでもあります。

 

先輩

※犯罪者さんのかつての恋人である先輩

 

もう一人、大学生の「悪友」は文字通り主人公の悪友の一言に尽きます。アルコールと女と洋画を愛しており、基本的には主人公より一枚上手なキャラクターです。主人公と似ている部分があるものの、本質的には正反対のキャラクターでもありますね。

 

悪友

※犯罪者さんの正真正銘の悪友

 

 

――「先輩」は創作の要素が非常に多いキャラクターというお話でしたが、ほかのキャラクターにはモデルがいたのでしょうか。

 

具体的なモデルはいないつもりです。ただ、無意識化でイメージしてしまっているというか、自然と意中の人に似てしまう傾向は否めないです。そう、だから僕は何も悪くないんです。件の女の子がこれを見ていないことを祈ってます(笑)。

 

サンタクロースを殺した。そして、キスをした。キャラクターデザイン

 

サンタクロースを殺した。そして、キスをした。挿絵3

※創作の部分が多いという先輩は主人公にとって大きな存在として描かれている

 

 

――「少女」が持つノートについても教えてください。望んだことを叶えるのではなく、望まないことだけを叶えるノートとして登場するわけですよね。

 

はい。この【望まないことだけを叶えるノート】は、応募時からあるギミックのひとつですね。僕は小説を書く時はいつも、何かひとつ不思議な要素を盛り込むことが多いんです。今作ではクリスマスを消すという目的を叶えるために必要なギミックとして、願いを叶える類の不思議なものを用意しようと考えました。なんでも自由に叶ってしまうノートではフィクションであっても面白味に欠けると考え、【望まないことだけを叶える】という、特殊なギミックにしています。

 

サンタクロースを殺した。そして、キスをした。挿絵2

※少女が望まないことだけを叶えるノートはどんな願いを現実にしてしまうのか

 

 

――物語については、様々な価値観を描いたというお話もありました。本作は見方によってハッピーエンドのようにも見えるし、バッドエンドのようにも見えてしまう。読み手によって解釈は分かれそうだなと感じました。

 

そのように捉えていただけたのであれば、大変嬉しいです。僕自身、どちらにも受け取れるように書いたつもりなので。ハッピーかバッドか、救われたのか救われていないのか。ネタバレになってしまうので深くは触れられませんけど、異なるのは「救われ方」なのかなと考えています。どんな終わり方であるか以上に、そこまでの過程や、2人が心の中でどう思っていたのかが大切だと思っています。これは作者としても個人としても同様の見解ですね。

 

 

――ありがとうございます。続いて、本作のイラストはつくぐ先生が担当されました。イラストについても感想をお聞かせください。

 

つくぐ先生のイラストはとにかく素晴らしいです。全体が素晴らしいのはもちろんですが、特に背景が素晴らしいなと思っています。満天の星空や雲ひとつない晴天といった分かりやすい景色ではなく、雲の印影が濃く刻まれている風景をはじめとした、儚さや切なさを垣間見ることができるイラストを非常に上手にお描きになられるんです。本作はクリスマスの物語なので、ツリーやイルミネーションもあります。イラストから感じ取ってもらえることも多いと思いますし、つくぐ先生に本作を担当していただけたことは幸運だなと思っています。

 

サンタクロースを殺した。そして、キスをした。挿絵1

※背景を通した雰囲気作りが非常に魅力的

 

 

――印象的なイラストは何かありますか。

 

カバーのイラストですね。クリスマスの夜が明けたイラストになっているんですが、本当に素晴らしいです。キャラクターに関しては「少女」がとにかく可愛いです。キャラクターに名前がないことで、イメージしづらい状況を作ってしまっていたかもしれませんが、非常に丁寧に対応していただきました。

 

サンタクロースを殺した。そして、キスをした。カバー

※犬君先生がお気に入りだというカバーイラスト

 

 

――著者として本作はどんな方が読むと、より面白いと感じてもらえると思いますか。

 

本作の主人公は大学生です。中学生や高校生の読者にも楽しんでもらえると思いますが、大学生を描いているので大学生の読者にはより楽しんでいただけるのではないでしょうか。そして悲しい時にお笑い番組のような明るい作品を見る人と、悲しい時に悲しい映画といった作品を見る人がいると思います。僕はどちらかというと、悲しい時に明るい作品を見ると、逆に虚無を感じてしまうタイプなんです。悲しい時には悲しい作品の方が自分を癒してくれることの方が多かったです。この小説はいつ読んでいただいてもいいんですが、悲しい、寂しいと思った時に手を伸ばしてもらって、そういった人達の居場所になってほしいなって思っています。

 

 

 

――今後の目標や野望があれば教えてください。

 

リアルなお話をさせていただくと、次の作品を出せるかどうかもこれからだと思うので、当面の目標は2作目を出すことになるんだと思います。そういったリアルさとは少し切り離した「いつか」の話をするなら、短編集というかエッセイ集のようなものは書いてみたいですね。どんなテーマになるかはわからないですが、失恋のお話になるんじゃないかなって思っています(笑)。

 

 

――それでは最後に意気込みをお願いします。

 

本作は多くの人に面白いと思ってもらえるように書いてはいますが、一方で万人受けする作品だとも思ってはいません。もしこの作品を読んで、面白いと感じた方がいるとすれば、ありがとうございますと、感謝をお伝えしたいですね。そして発売の季節は夏なのに、物語は冬の作品なわけですが、悲しみに対する向き合い方だとか、この現代社会でクリスマスを一人で過ごす心積もりというか、その時のためへの備えとして読んでいただければとも思っています。備えを早めに。冬に備えて心を一緒に鍛えましょう(笑)。

 

 

■ラノベニュースオンラインインタビュー特別企画「受賞作家から受賞作家へ」

インタビューの特別企画、受賞作家から受賞作家へとレーベルを跨いで聞いてみたい事を繋いでいく企画です。インタビュー時に質問をお預かりし、いつかの日に同じく新人賞を受賞された方が回答します。そしてまた新たな質問をお預かりし、その次へと繋げていきます。今回の質問と回答者は以下のお二人より。

 

第26回電撃小説大賞「大賞」受賞作家・二月公先生

 ⇒ 第14回小学館ライトノベル大賞「優秀賞」受賞作家・犬君雀先生

 

【質問】

私は作家になれないことを考えてきませんでした。いまや人生80年と言われていますし、死ぬまで挑戦し続けようと考えていました。なので、作家を目指してなれなかった後の人生を、みなさんが考えていたのかどうかが気になります。諦める場合には何を基準に諦めようと考えていたのかなど、ビジョンが気になるので教えてください!

 

【回答】

ちょっとひねくれた回答になってしまうかもしれませんが、作家になれるなれないを問わず、あんまり人生の先のことを考えたことがなかったんですよね。どちらかというと、考えないようにしているといいますか。先のことを考えたら絶望ばかりが見えてきてしまい、生きていけないと思うんです(笑)。なので、今を生きるために今を走っている感じです! ただ、もし受賞していない別の世界線があったとして、何をしていたかと考えると、時期的には就活中なので、受けた会社を何社か落ちて、清々しく諦めようという決心を前向きにしていたかもしれません(笑)。

 

 

――本日はありがとうございました。

 

 

<了>

 

 

クリスマスを消すために、疑似的な彼氏彼女になって始まる青春ストーリーを綴った犬君雀先生にお話をうかがいました。退廃的でビターな青春模様を、どのように読み解くのかは読者によって異なるであろう本作。リアルな青春とちょっとした願いもこめられた『サンタクロースを殺した。そして、キスをした。』は必読です!

 

 

©犬君雀つくぐ/小学館「ガガガ文庫」 イラスト/つくぐ

kiji

[関連サイト]

ガガガ文庫公式サイト

 

サンタクロースを殺した。そして、キスをした。 (ガガガ文庫 い 11-1)

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