独占インタビュー「ラノベの素」 『魔法使い黎明期』より声優・梅田修一朗さん(セービル役)&岡咲美保さん(ロー・クリスタス役)

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2022年4月7日より放送開始となる講談社ラノベ文庫発のアニメ『魔法使い黎明期』より、声優の梅田修一朗さんと、岡咲美保さんのお二人です。虎走かける先生が原作を担当する本作のTVアニメ放送に先駆け、魔法学校入学以前の記憶を失っているセービル役を務める梅田修一朗さん、《黎明》の異名を持つ魔女ロー・クリスタス役を務める岡咲美保さんのお二人に、作品やキャラクターに対する意気込みや見どころについて語っていただきました。

 

 

魔法使い黎明期 キービジュアル

 

魔法使い黎明期魔法使い黎明期

セービル役の梅田修一郎さん/ロー・クリスタス役の岡咲美保さん

 

 

――本日はよろしくお願いします。梅田さんはこの『魔法使い黎明期』が初主演となり、座長という立場になるかと思います。意気込みやアフレコ現場の雰囲気など教えていただけますか。

 

梅田:僕が座長なんですかね?(笑)。

 

岡咲:そうだよ。座長だよ(笑)。

 

梅田:そうですよね(笑)。実は収録の合間のお話になってしまうんですが、岡咲さんと鈴代さんと最初にお話をさせていただいた際に、「座長って何をすればいいんでしょう。打ち上げなどの企画をすればいいですか?」と相談したことがあって。

 

岡咲:確かに相談されました!(笑)。

 

梅田:結局、座長として「するべきこと」は未だにわかってはいないんですけど、この現場でセービルとして、大事に収録することが、結果として座長の役割に繋がるのかなと思いながら臨ませていただいています。

 

岡咲:梅田さんは無自覚だと思うんですけど、常に現場の空気を和やかにしてくださっている印象が強いんです。すごく温かくて、柔らかくて、かつ少し天然な部分もお持ちで、気付いたら話題の中心になっていることが多いですね。

 

梅田:ありがたいお話です。僕はみなさんとほぼはじめましてでしたし、こうやって収録を皆で一緒に進めていく経験も初めてだったので、本当に一員としてやっていけるのか、スタジオに入るまではとても緊張していました。そうしてご挨拶やお話をお一人お一人とさせていただいて、緊張もかなり解けました。

 

岡咲:私目線ですと、梅田さんははじめましてで、ホルト役の鈴代さんは同期で仲良くさせていただいていますし、クドー役の八代さんはお世話になっている先輩です。アフレコ収録も状況を見ながらではあるんですけど、梅田さん、私、鈴代さん、八代さんの4人で集まることが一番多かったですね。

 

梅田:本当にみなさん頼り甲斐があって、作中でもセービルはロス先生を頼って様々なことを教わるんですけど、僕も岡咲さんの「普通に楽しくみんなで一生懸命収録やっていこうぜ!」っていう、心持ちに支えてもらっている感じです(笑)。

 

 

――続いて原作シリーズを読んだ際の印象や感想について教えてください。

 

梅田:僕はキャラクター同士の掛け合いの描き方が特に面白いなと感じました。印象深いシーンで言うと、これはアニメでも描かれているんですが、セービルとクドーの掛け合いは、テンポが特徴的なんです。セービルは地で聞きたいことを聞いて、クドーはそのツッコミ役的なところがあって。文章を見ていて二人のテンポ感を想像することができて、読んでいて気持ちいいなって感じました。

 

岡咲:私はロス役(ロー・クリスタス)を担当させていただくことが決まってから原作に触れさせていただきました。セブ君(セービル)を通して物語が描かれていて、そのテンポ感には愛おしさを感じます。物語も足早に進んでいくわけではなく、自身の状況を理解しきれていないセブ君がロスやホルト、クドーと出会い旅が進んでいく。スローテンポでありながら、物語の根幹も着実に動いていくんです。ひとつひとつの事件はもちろん、一人一人のキャラクターもそれぞれかなり複雑な事情を抱えていて、背景の深さも印象的でした。

 

 

――あらためて梅田さんはセービル、岡咲さんはロー・クリスタスを演じられています。ご自身の演じるキャラクターの印象について教えてください。

 

梅田:セービルは記憶を失っていて、その影響で自分の中にある感情を表に出す方法を知りません。人とのかかわり方やコミュニケーションも知らない男の子なんですけど、ロス先生との出会いから始まり、共に旅をするホルトやクドーと一緒に過ごしながら、知らなかったことを知っていく、そんなキャラクターでもあります。本来であれば気を遣ったり、言わないでおこうというところを率直に口にしてしまったり、良くも悪くも正直なキャラクターです。そのぶん、誰かを傷つけてしまうこともあるし、ロス先生に教えられて成長もしていく。見ていて愛おしいキャラクターだなって思います。

 

岡咲:ロスの印象はとにかく「可愛い」ですね! ビジュアルから好みで、私の好きなピンク色を纏っているのもお気に入りです。そして蓋を開けてみれば、君は数百年も生きているんだねという(笑)。しゃべり方も「我」「じゃ」といった、とても強烈なキャラクターです。そして本当にいろんな表情を見せてくれるキャラクターでもあります。演じ甲斐があるという言い方が正しいかどうかはわかりませんが、自分の中で課題を決めやすく、常に挑戦する心を持たせてくれる女の子です。ロスに出会ったことで、自身のお芝居の幅が広がって、引き出しが増えたのではないかと感じます。基本は天真爛漫ですけど、長年生きている大人な部分も垣間見えたりするので、そのギャップが萌えですし、本当に大好きです。

 

 

――演じる上で感じた難しさや楽しさはどんなところですか。

 

岡咲:私はまず、「のじゃ」の口調で表情豊かに演じることが挑戦でした。キャラクターのエッセンスとしても、個性が強い程役を作りやすいですし、情報として受け入れやすいので、そこは演じる上での楽しさに繋がっていると思います。逆に、どこまで天真爛漫さ以外の感情を出していいのか、未だに難しくて悩む時があります。ロスは真面目な面も、生徒に対する愛もたくさんあるんですが、同時に先生として生徒との距離感をわきまえているキャラクターだとも思うんです。真剣な眼差しや駄々をこねる姿、いろんな感情を見せる中で、そのひとつひとつの感情の温度感のバランスが難しいなと感じています。音響監督さんにアドバイスをいただいたりして、その振り返りを毎回のアフレコで繰り返しました。自分としては話数を重ねるごとに、ロスと手を繋いで、その距離は着実に縮まっていると思いますし、なによりロスらしさを表現できるようになれていると思うので、ぜひ楽しみに最後までぜひ見届けてもらいたいなって思います。

 

梅田:セービルは最初から……それこそ、オーディションを受けた段階から難しいキャラクターなんだろうなとは思っていました。具体的に言うと、感情はあるのにそれを表に出せないことですよね。記憶を封じられているという彼のバックボーンを知っていてもなお難しいんです。その上で彼はいろんなことを感じているし、思ってもいる。なのにそれを出す術を知らないしわからないわけです。僕自身、セービルをどう演じようか考える中で、いくつか気付きもありました。セービル自身が感情を表に出せないぶん、彼は言われたことや見たものをすごく敏感に感じ取っていると思ったんです。セービルは物事をとらえるフィルターが本当に真っ白で、すべてのことを真正面から感じ取るんだろうなと。その中で価値観を積み上げて、作り上げているんじゃないか。たとえ表に出せなくても、一番大切なセービルが感じ取っている感情を、しっかりと心の中に置きながら、ロス先生や周りのキャラクターと関わっていく姿に、すごく面白さを感じますね。

 

 

――それぞれお互いのキャラクターに対する印象もおうかがいできますでしょうか。

 

岡咲:セブ君は放っておけない子という印象です。彼はとても大きなものを抱えているのに、自身はまだ気が付いていないんです。もしロスがセブ君を手放してしまったら……と思うとどうしても気になってしまいます。そんな難しいセブ君の温度感に梅田さんのお芝居がとてもシンクロしていて、第1話のほぼ出来上がった映像を拝見させていただいたのですが、画面の中のセブ君を見て、聞いて、すごく感動しました。言葉ひとつひとつの息遣いやテンション感で、心の開き具合や、周囲に与える印象が大きく変わってしまう難しいキャラクターだと思うんです。それを梅田さんが絶妙に演じられているので、アニメ版のセブ君を好きになる方は確実に増えるんじゃないかなと思います。

 

梅田:ありがとうございます……! ロス先生は僕が本作に触れた時、このキャラクターなしにはこの作品を語ることは難しいんじゃないかと思うくらい、魅力に溢れていて、長年生きているからこその深みのあるキャラクターだと感じました。僕個人としても、ロス先生がどんな声になるのかはずっと楽しみにしていました。嫌なことは「嫌じゃ!」ってジタバタするし、「我はこうするぞ!」って時は自分を貫く。そして時にはセブ君を温かく優しく包んでくれる。見ているだけで視聴者の方も元気になれるし、アニメを見終えた後でも自分の心の中で騒いでいるようなキャラクターになると思います。アフレコ現場では演じている岡咲さんを後ろで見ていたり、隣で掛け合いをさせていただいています。自分はセービルだから感情は出せないんですけど、つられて心が動かされてしまうんです。声だけでロス先生の表情や動きを想像することができて、本当にそこにはロス先生がいる。岡咲さんはすごくロス先生を愛しているんだなって思いながらいつも見ています(笑)。

 

岡咲:嬉しいです。こちらこそありがとうございます(笑)。

 

 

――では4月7日より放送がスタートするアニメについて、第1話の見どころを教えてください。

 

梅田:これから自分がセービルを演じるぞって台本をいただいたんですが、まさか第1話からセブ君が吐くとは思っていなくて(笑)。楽しみだったんですけど、また違った緊張感を抱いた思い出がありますね。

 

岡咲:そこなんだね、意外(笑)。

 

梅田:そのシーンにも注目はしていただきたいんですけど、見どころとして導入部分に注目していただきたいです。冒頭はセービルの語りから始まります。『魔法使い黎明期』という物語に没入してもらえるシーンになっていると思いますし、これからどんな物語が始まるんだろうっていう、期待を煽るような映像になっているので楽しみにしていただきたいです。

 

岡咲:私はロスの登場シーンですね。最初から元気にアルバスにキレながら登場してきます(笑)。セブ君に対してもコロコロと表情を変えますし、ずっと喋り続けている強烈なキャラクターに見えると思います。やはり、ファーストインパクトである登場シーンは是非見ていただきたいですし、ルーデンスちゃんとの絡みも好きなので注目していただきたいです。アニメならではの色彩や躍動感というものは必ずあると思うので、食事のシーンやロスのパートナーとして頼もしい戦闘シーンまで、ルーデンスちゃんのことも注目していただけたらなと思います。

 

 

――最後に本作のファンに向けてのメッセージをお願いします。

 

梅田:セービル役を務めさせていただきます梅田修一朗です。原作からセービルたちを見守ってくださっている方々は、僕のセービルの捉え方や大事だなって思っているところについて、全部が同じじゃなくても、好きなところであったり、見守り方は一緒だと思っています。アニメではそこを大事に大事に、セービルを演じさせていただいているので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。アニメは本当に、みなさんに喜んでもらえるようなシーンがたくさんあると思います。どのキャラクターが好きでも喜んでいただける内容になっているはずです。セービル役としてはセービルの感情の動きであったり、言葉ひとつ取ってみても、少しずつちょっとした変化を感じ取ってもらえるよう演じていきますので、よろしくお願いします!

 

岡咲:あらためまして、ロー・クリスタス役の岡咲美保です。このたびはロスを演じさせていただけることになり、本当に光栄です。原作ファンの皆さんの中にある、ロスに近づけるように、自分の中で解釈して精いっぱい演じさせていただきました。アニメ『魔法使い黎明期』はアニメならではの面白さがすごくあると思います。原作にあるストーリーの面白さをそのままに、色遣いやアクションであったり、本当に素敵なシーンが多いです。一瞬も目を離さず、原作が好きな方も、アニメから見てみようかなという方も、原作とアニメの両方を愛していただけると嬉しいなと思います。ロス先生の勢いに圧倒されず、一緒についてきていただければ、とても嬉しいです。放送をよろしくお願いします!

 

魔法使い黎明期

 

 

――本日はありがとうございました。

 

 

<了>

 

 

アニメ『魔法使い黎明期』より、セービル役の梅田修一朗さん、ロー・クリスタス役の岡咲美保さんのお二人にお話をうかがいました。アニメの放送もいよいよ間近に控え、第1話から見逃せない本作。お二人が語られた物語やキャラクターの魅力に注目しながらぜひ本作を楽しみたいですね。アニメ『魔法使い黎明期』は2022年4月7日(木)より順次放送開始です。

 

<取材・文:ラノベニュースオンライン編集長・鈴木>

 

©虎走かける・講談社/魔法使い黎明期製作委員会

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