独占インタビュー「ラノベの素」 幼田ヒロ先生『一週間後、あなたを殺します』
独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2024年7月14日にGA文庫より『一週間後、あなたを殺します』が発売される幼田ヒロ先生です。第16回GA文庫大賞にて《金賞》を受賞し、満を持してデビューされます。ネコミミ姿の殺し屋の少女と、7日後には彼女に殺されるターゲットたちとの心のやり取りを描く連作短編小説。ターゲットの命を握る主人公のミミについてはもちろんのこと、作品テーマのひとつである「罪と罰」について、また圧倒的なラノベ好きを謳うご自身のことなど、様々にお話をお聞きしました。
【あらすじ】 「一週間後、あなたを殺します」 そんな言葉と共に、罪を犯した人の下に現れる猫耳姿の死神がいるという。コードネーム33。またの名をミミ。彼女は七日間の猶予を与えた後、標的を殺めるという変わった殺し屋であった。麻薬運びの青年、出産予定一週間後の妊婦、父親のために人を殺めた少女、世直しを志して悪人を殺し回る少年など。ミミに殺される運命となった彼らは残された一週間で何を願い、どう生きるのか?「《汝の旅路に幸あらんことを(Bon Voyage)》」 これは罪人に最期の時を与える猫耳姿の殺し屋と、彼女に殺される者たちの交流を描いた命と別れの物語。 |
――それでは自己紹介からお願いします。
幼田ヒロと言います。「ラノベの素」はずっと読んでいたので、まさか自分がインタビューを受けることになるとは……めちゃめちゃ嬉しいです(笑)。出身は静岡県で、受賞するまでにかかった執筆歴は9年となります。好きなものはライトノベルを含む、漫画、アニメ、ゲーム、映画のエンタメ全般、苦手なものは辛いものです。現在ハマっていることは3つありまして、ひとつはVTuberの配信を見ること、もうひとつが『ウマ娘』、最後が麻雀アプリの『雀魂』です。空き時間はこの3つをグルグルしている感じです。
――ライトノベルだけではなく、VTuberやゲームもお好きなんですね。お気に入りのVTuberはいますか。
特定の誰かが好きというよりも、VTuberはキズナアイの登場時から見ているので、箱推し以上の業界推しのような感じで広く観測しています。それこそ事務所所属の方から個人でやられている方も見ているので、広く浅くVTuber文化が好きって感じですね。最近僕の中できているのは、「ぶいすぽっ!」って事務所でしょうか。FPSを中心にゲームが上手い方が集まっているので注目しています。
――そして授賞式でもおっしゃられていましたが、ライトノベルがとにかくお好きということで(笑)。
そうですね(笑)。もともと読書好きでして、幼稚園の頃から絵本が大好きだったんです。小学生になってからは、『ズッコケ三人組』や『かいけつゾロリ』などを通りつつ、中学高校くらいで『ダレン・シャン』や『ハリー・ポッター』、『デルトラ・クエスト』あたりの西洋ファンタジーにハマっていきました。また、家にあった星新一先生の作品や、あさのあつこ先生の『バッテリー』など、一般文芸も通ってきています。ほかにも、当時の自分はライトノベルという言葉もよく認知していなかったのですが、時雨沢恵一先生の『アリソン』やハセガワケイスケ先生の『しにがみのバラッド。』、橋本紡先生の『リバーズ・エンド』なども読んでいました。表紙や挿絵は可愛いし、物語に引き込まれるしで、本当に素晴らしかったです。
――なるほど。具体的にライトノベルという言葉を認知したタイミングはいつ頃だったんですか。
ライトノベルという言葉の認知のきっかけになったのが、鎌池和馬先生の『とある魔術の禁書目録』と井上堅二先生の『バカとテストと召喚獣』でした。友人から「めっちゃ面白いアニメがあるよ」って教えてもらい、『とある魔術の禁書目録』の第1話を見せられたんです。そしたら衝撃ですよね。世の中にはこんなに面白いものがあるのかと。そして小説が原作であることを知り、『とある魔術の禁書目録』の第1巻を読みました。その時の衝撃は今でも覚えているくらいに凄かったです。その同時期くらいに、こちらもアニメきっかけでしたが、『バカとテストと召喚獣』に出会い、お小遣いのすべてを使って全巻購入しました(笑)。この2作品がライトノベルにハマる大きなきっかけになり、僕の読書はライトノベル一色になっていきましたね。授賞式でも言ったんですけど、お年玉、お小遣い、すべてをラノベに注ぎ込み、夏休みはシリーズものを一気に読むみたいな過ごし方をしていました(笑)。
――ありがとうございます(笑)。非常に多くのライトノベルを読んでこられたと思うのですが、あらためてご自身の人生に大きな影響を与えた作品はありますか。
これは冗談でもなんでもなく、これまで読んできたライトノベルの作品すべてが血肉になっていると思っています。楽しくないと思った作品はひとつもなく、全部夢中になって読んでいました。敢えて近年という前提の中で具体的な作品名を挙げるとすれば、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』になるのかなと思います。この作品もアニメから入り、すぐに原作に走りました。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は原作とアニメとで、内容が結構違うんです。もちろん両方ともすごく面白かったですし、救われたなって感じています。個人的に小説は音楽と似ているところがあると思っていて、先々の人生に密着していると思うんですよ。僕の人生での辛いタイミングで出会い、その辛さを忘れさせてくれた、人生のターニングポイントで出会った作品のひとつであることは間違いないと思っています。
――せっかくなので、ここ最近読んで面白かったライトノベルを教えてください!(笑)。
担当編集さんにもめちゃくちゃ語ったんですけど、『ひきこまり吸血姫の悶々』ですね。僕の中には理想のライトノベル像があって、よく例に挙げるのが『デート・ア・ライブ』です。面白くて、笑えて、ヒロインが可愛くて、そしてシリアスもできる。そんな作品が特に大好きなんです。『ひきこまり吸血姫の悶々』もそこにドンピシャなんですよ。アニメの第1話を見て、すごく笑ったんです。なので、この作品は自分を救ってくれる作品だと感じて、原作をすぐに買いに行きました。
※ラノベ好きな幼田先生がここ最近で一押しだという『ひきこまり吸血姫の悶々』
――先ほどもそうなのですが、お話の中でたびたび「救う」っていう表現をされていますよね。意味合いとしてはどう解釈したらよいでしょうか(笑)。
そこまで大きな意味はないんですけど、僕の中で定義した「救ってくれる」のハードルが低いと言いますか(笑)。よく娯楽は衣食住と比較した際に、不必要と考えられがちなところがあると思うんですけど、僕の中では衣食住と同じくらいに娯楽のウェイトは大きいんです。学生時代から、自分の生きがいは心の底から魂を震わせてくれる作品に出会うことなんだなって思っているくらい、ラノベが好きなんですよ。『りゅうおうのおしごと!』や『ぼくたちのリメイク』のような震える感動があって、もしそういった作品に出会えなくなってしまうと、退屈だと感じてしまう。退屈は毒だとも思っていて、それを埋めるために自分には娯楽やエンタメが必要なんじゃないかなって考えるんです。ゆえに、娯楽は人生を救ってくれているんじゃないか、そんな視点で僕は捉えています。
――ありがとうございます。そんな幼田先生が、今度は娯楽を提供する側へと回ることになりました。あらためて第16回GA文庫大賞《金賞》受賞の率直な感想をお聞かせください。
20歳の頃に国家資格を取るための大学での勉強がかなり大変だった時期があり、再試験で全部取り直したとはいえ、必修単位を5つ落としたんです(笑)。その頃に、中学と高校の頃に1度ずつ小説を書こうと思って作っていた設定集を見つけたんですよ。それを読み返した時に、ライトノベル作家になりたいって思ったんです。書籍の巻末によくある新人賞の募集ページが焼き付いていたこともあり、公募からデビューしたいとはずっと思っていました。「小説家になろう」で練習がてら1年程連載して、小説を書くことの楽しさを再認識もしました。完結ブーストの影響で1回ランキングにも載り、才能あるんじゃないかと思ったわけですが、最初の応募は敢え無く一次落ちでした。そんなはずはないと思いながら、その後5年間応募を続けましたがすべて一次落ちという(笑)。少しずつヤバいと感じ始めた6年目に、初めて一次を通ったんです。ここがブレイクスルーとなったのか、高次選考まで残る作品も出てくるようになりました。そして最終選考にまで作品が残ったタイミングで、今がライトノベル作家になるためのターニングポイントだと思い、仕事を辞めて、当時の貯金をすべて使い果たすまで書き続けようと思ったんです。そして書き続けて、気付けば2年近くが経ち、貯金も尽き、何かがポッキリと折れてしまったんですよ。
――なるほど……。
僕はクリエイターものの作品を読むのが好きなんですが、夢追い人が夢を諦める瞬間って、結構ドラマチックだったりするじゃないですか。でも当時の実感として、夢ってどうでもよくなっていくもので、ふとした瞬間に、消えていくものなんだって感じたんです。受賞するための作品を、仕事を辞めてまで書き続け、それでもダメならもう無理なんじゃないかって。それまで自分はライトノベルを書き続けないと生きられない人間なんだと思っていたんですが、小説を書かなくても生きていけるんだって。その後、再就職して半年が経ち、自分はそこそこの幸せを感じながら過ごしていたんですが、周囲からは意欲がなくなってしまったように見えていたらしく、逆に心配されていました。そうした中で、GA文庫大賞に送っていた作品が2次選考を通過していたことを知るのですが、以前ほどのドキドキを感じることもなく、日々を過ごしていたんです。ここからははっきりと覚えていますが、仕事中に偶然トイレにいた時でした。スマホの通知があり、取った電話が入賞の連絡だったんです。もちろん仕事中だったので、後程かけ直しますと連絡したわけですが、正真正銘、喜びのあまり膝から崩れ落ちました(笑)。
――消えてしまったはずの夢が、もう一度戻ってきたわけですね。
本当にまさかでした。その日は仕事が終わるまで、泣くのを我慢しながらずっと仕事をしていましたからね(笑)。一度捨てたはずの夢が戻ってきたみたいな、変な感覚でしたけど、今思い出しても泣けてくるくらい一生の思い出になりました。叶えたかった夢が叶ったという、その嬉しさと喜びが押し寄せてきましたね。その後、受賞の最終結果を迎え、《金賞》という連絡をいただいた時は、叫びましたし、飛び上がりました。お金も時間もかけ続け、積み重なっていた思いが一気に爆発した感じです。
――積年の想いが実ったわけですが、あらためてラノベ作家になったという実感は湧いていますか。
まだです(笑)。今でも自分がラノベ作家になるという事実が衝撃的すぎて、信じられていません。書店に足を運んで、「ここに自分の本が並ぶの?」って。もちろん原稿を書く際は実感を持ちつつ執筆していますが、湧いたり湧かなかったりを繰り返している感じです。実際に書店で本を手に取ったら泣くと思いますし、でも泣き終えたらまた、自分はラノベ作家なの?って思うと思います。しばらくは、信じられないっていう気持ちが抜けきらないんじゃないですかね(笑)。
――ありがとうございます。それでは受賞作『一週間後、あなたを殺します』がどんな物語なのか教えてください。
キャッチコピーは「人生最後の7日間、あなたはどう生きますか?」ということで、ネコミミ姿の殺し屋少女ミミと、彼女に殺される罪人たちとの心のやり取りを描いた連作短編になります。タイトルの「一週間後、あなたを殺します」という台詞から、物語は始まります。短編でありながら、殺し屋であるミミちゃんの心の成長を描いた長編でもありますね。
※殺し屋の少女とターゲットが共に過ごす一週間の物語が描かれる
――本作の着想についても教えていただけますでしょうか。
何年か前に、殺し屋の少女をテーマにした連作短編を書きたいという思いが降ってきたんです。ただ、当時は青春ラブコメをたくさん書いていた時期でもあって、自分に書けそうなジャンルではないと、ずっと塩漬けにしていたんです。本作は三人称の作品ですが、三人称で書いた作品もそれまで1作品程度でしたし、短編も書いたことがなかったので、最初はどうやって書いたらいいんだろうって思いながら執筆していました。そういった試行錯誤の中で、起承転結を1週間で構成したら書きやすいのではないかと考えた結果、本作が生まれました。
――本作は連作短編ということで、殺す側と殺される側の様々なエピソードが描かれています。物事の歯車がほんの少しでも違っていれば、そうはならなかった人々の物語でもありました。執筆時に苦労したり、印象に残っているエピソードはありますか。
苦労したのは終盤のターゲットである、とあるキャラクターの掘り下げです。改稿時に加筆した部分になっていて、応募時点ではほとんど掘り下げていなかったキャラクターでもあったので、そこが苦労した点かなと思います。それ以外のエピソードはこれといって苦労したところはなくて、全部楽しみながら執筆できたと思っています。印象に残っているエピソードを挙げるとすると、第三章にあたるルースのエピソードですね。本作の肝でもあり、作品としての方向性を決定づけた物語でもあると思っています。校正作業で何度も読み返すんですが、このエピソードを読み返す時は、自分でもグッときてしまう。自分で書いたはずなのに、自分のものじゃないような感覚があるんですよ。このエピソードを読んでいただければ、本作のことがわかるんじゃないかっていう物語になっています。
※第三章で描かれる物語は本作の核でもあり、ミミの心の在り様にも大きな影響を与えた
――それでは続いて、登場するキャラクターについても教えてください。
コードネーム33のミミは、14歳のオッドアイの少女です。生まれた時から組織にいる少女で、殺し屋以外の生き方を知らない女の子でもあります。プロフィールとしては甘いものが好きとか、動物には嫌われがちという、可愛い面もあります。また、感情の起伏がかなり少ないタイプなのですが、感情をどう表現したらいいかわからないだけだったりと、クールな無口キャラというわけではありません。コンセプトとしては、心根の優しい女の子が、殺し屋として育てられたらどうなるのか。殺し屋としての才能にはめちゃくちゃ恵まれています。
※殺し屋の少女・ミミの心の成長も見どころのひとつ
コードネーム22のニイニは、ミミのお兄ちゃん的存在で、精神的にも技術的にも彼女をサポートしてくれています。作中でも触れられているのですが、ミミがオッドアイで周囲から不気味がられたり、戦闘の才を恐れられ孤立していた中、唯一接してくれた存在でもあります。ニイニ自体も優秀な殺し屋で、優しいお兄ちゃんキャラではありますが、仕事にはドライです。
※陰ながらミミを支える殺し屋のニイニ
コードネーム1のアルクは組織最強の男です。ミミの上司的な立ち位置のキャラクターでもあり、とにかく「殺し屋かくあるべし」という思いが強く、非常に厳しい人物です。組織の中でも相応の権力を与えられており、あらゆる点でナンバーワンに近い存在ですね。ミミを直接訓練、指導したりもしています。
※組織最強の男であるコードネーム1・アルク
――ミミについては、殺し屋でありながら趣味が人助けという、割かし正反対な嗜好の持ち主でもあるんですよね。
これは三章で描かれるルースとの出会いに起因しています。彼女との出会いをきっかけにして、ミミは何か人のためにしてあげたいという思いを芽生えさせることになります。ミミの人助けのエピソードについては、特典のSSでも触れていたりするので、ぜひそちらで読んでいただけたらなと思います!
――ここでやや抽象的かつ哲学的な質問になるのですが、本作の殺される側の人間は、何かがほんの少し違っていただけで、異なる運命を辿っていたかもしれない人間ばかりでした。また、殺す側に対しても、とある問いかけが投げられています。殺す側と殺される側、それぞれに抱く矜持や想いがある中で、幼田先生は「罪と罰」をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
まず、最初に言っておきたいのが、明確な答えはないだろうなということです。それを踏まえて、僕の考え方の根底にあるのが、小中高生の頃に受けた道徳の授業と国語の授業になります。その授業で取り扱った、さだまさしさんの『償い』という曲がすごく胸にきました。それとヘルマン・ヘッセの『少年の日の思い出』という作品ですね。どんな人間でも、犯罪とまでは言わずとも、過ちを犯す可能性は誰にでもあるんだと思います。とはいえ、作中でも描いている通り、法律がひとつの基準だとは思っています。正しい、正しくないは関係なく、法律を基準としつつ……でもやっぱり、明確な答えは言いにくい。ひとつはっきり言えるのは、犯した罪は消えないですし、責任は生じてしかるべきだということでしょうか。そういった思いは各エピソードにも表れているんじゃないかなと思っています。
※何かひとつでも違っていたなら、運命は違ったものにもなっていたはずで……
――ありがとうございます。続いて書籍化に際してはイラストをあるてら先生が担当されました。あらためてビジュアルを見た時の感想や、お気に入りのイラストについて教えてください。
初めてカバーイラストを拝見した時は、放心して、泣きそうになったというか……ちょっと泣いていたと思います(笑)。僕は美術館に行くのも好きで、まさしく絵画のようでもあり、近づけて見たり、離れて見たり、とにかく素晴らしいという言葉しか出てこなかったです。本当に最高の表紙だなって思いました。ミミのキャラデザについては、本当にミミちゃんだって思いました(笑)。イメージしていたミミちゃんの姿が、格好良くて可愛くて、100%で出力されているなって感じました。とにかく素晴らしい以上の言葉は出てきません。
※幼田先生も大絶賛のカバーイラスト
――挿絵については、すべて扉絵となっているのも印象的でした。
昨年GA文庫大賞で《大賞》を受賞して発売された、志馬なにがし先生の『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』もそうでしたよね。提案自体は担当編集さんからでしたが、それを見ていいなと思ったのもあります。志馬なにがし先生とは、数年前から作家を目指す執筆グループ「賞金で焼き肉を奢りたいの会」でご一緒させていただいていて。なにがし先生のひとつの賞にこだわらず別の賞に送って受賞したという話に触発されて、自分もGA文庫大賞にひさしぶりに応募しての受賞だったので、頭が上がらないです(笑)。
※エピソードの一幕が描かれる扉絵も必見
――あらためて、著者として本作の見どころや注目してほしい点はどんなところでしょうか。また、どんな読者が読むと、より本作を楽しめると考えていますか。
ミミというキャラクターの成長、そして各短編の結末には注目してもらいたいです。先も触れましたが、本作はミミちゃんの成長物語としての長編と、各ターゲットの短編の物語でもあります。なので、それぞれの面から楽しんでいただけたらなと思います。殺し屋が主人公で異世界が舞台、僕たちの世界とは設定が離れていると思うので、現実から離れてホッと息をつきたい方、また短編で区切りがつけやすく読みやすいと思うので、日々忙しい方にもオススメしたい内容になってます。あとは、道徳の授業が好きだった方や、倫理観、正義や悪を考えることが好きな方にもオススメかなと思っていますし、『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』や『誰が勇者を殺したか』、このあたりの作品が好きな方にもオススメしたいです。挙げた作品と共通しているのは、人の善性を描いた作品であるということだと思っています。今作では人間の最後、善の部分とその尊さ、そして本当に正しかったのだろうかという疑問が浮かび上がるような作品となっていますので、ぜひ手に取っていただけたらなと思います。
――今後の野望や目標があれば教えてください。
授賞式で言ったことと被るところもあるんですけど、これまではラノベ作家になることが大目標だったので、次はアニメ化していただけるようなヒット作を作ることが人生の目標です。
――最後に本作へ興味を持った方へメッセージをお願いします。
この記事を読んでくださっている方は、ライトノベルに興味があるってことですよね? ライトノベルが好きってことですよね? 僕も好きです。そんなライトノベルが好きなあなたに届けたい1冊です。まずは試し読みでいいので味見していってください。お口に合えば嬉しいです。あるてら先生の美しいイラストを手元に置いておきたいという方もぜひ。この素晴らしく可愛いミミちゃんをどうぞお手元に。
――本日はありがとうございました。
<了>
殺す側と殺される側の1週間の物語、そして殺し屋少女の心の成長を連作短編として綴った幼田ヒロ先生にお話をうかがいました。死ぬまでの7日間を人はどのように過ごすのか、そして何を考えるのか。運命に翻弄されたターゲットたちと向き合い、寄り添う殺し屋の少女の物語『一週間後、あなたを殺します』は必読です!
<取材・文:ラノベニュースオンライン編集長・鈴木>
©幼田ヒロ/ SB Creative Corp. イラスト:あるてら
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