2018年度「朝の読書」で読まれた本が発表 『ソードアート・オンライン』や『ゲーマーズ!』などライトノベルも多数選書
株式会社トーハンは、小中高を対象とした「朝の読書」で読まれた作品を発表した。「朝の読書」実施校は約27,000校(小学校・中学校・高校)で、970万人の児童・生徒の取り組みとなっている。調査期間は2018年4月から2019年3月までを対象に実施。これまでのランキング形式ではなく特に人気となっている作品を公表した。高校では昨年度から引き続き『オーバーロード』の人気が高かったほか、こちらも昨年に続いて『君の膵臓をたべたい』なども人気を集めた。中学校では依然として高い人気を獲得している『ソードアート・オンライン』や過去のランキングには登場してこなかった『ゲーマーズ!』などのタイトルが発表されている。特に読まれていたライトノベル作品については以下の通り。
【中学生】
『LV999の村人』
『ゲーマーズ!』
『告白予行練習』
『ゼロの使い魔』
『ソードアート・オンライン』 など
【高校生】
『オーバーロード』
『キノの旅』 など
●中学生『ソードアート・オンライン』、高校生『オーバーロード』人気継続
ランキング形式から長らくタイトルを連ねてきている『ソードアート・オンライン』は、依然として中学生から高い支持を得続けている。高校生では昨年に引き続いて『オーバーロード』の名前が挙がった。「朝の読書」の選書としてライトノベルを選ぶ傾向は並んだタイトルから見ても中学生の方が多く、『LV999の村人』や『ゲーマーズ!』といった過去にタイトルの挙がってこなかった作品も目立った。また昨年同様に中高生の双方において『君の膵臓をたべたい』など住野よる氏の作品は高い注目を集めているほか、『図書館戦争』や『植物図鑑』など有川浩氏の作品も注目を集め続けている。
●手軽に読める「5分」シリーズの人気が高まる
一昨年から中学生でランキングに載ってきていた「5分」シリーズが、高校生でも人気作品として選ばれてきている。直近年では同様のシリーズがエブリスタから続々と刊行されていることは記憶に新しい。「5分」シリーズは短編小説を収録したシリーズで、高学年向けの読み物として小学生でもタイトルに並んでいる。「朝の読書実態調査」によると、「朝読」実施時間を10分間としている学校が実施校全体の53.9%と最も多く、「朝読」の時間内で一つの作品を読み終えられるシリーズが好まれているようだ。
2019年もライトノベルを原作としたアニメーションが多数放送を予定しており、今夏は特にその放送本数も多い。2018年度の読まれた本においてもアニメなどで馴染み深い作品も多く、ライトノベルが読書の間口として若年層における選択肢のひとつとして、これからも選ばれ続けてほしいものだ。
©川原礫/KADOKAWA 電撃文庫刊 イラスト:abec
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